令和3年1月26日
農林水産省

農林水産省は、農薬の安全かつ適正な使用を推進し、農薬の使用に伴う事故及び被害を防止するため、それらの発生状況について調査を実施しています。この度、令和元年度の結果を取りまとめましたのでお知らせします。

1.調査の目的

農林水産省は、農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況を把握し、より効果的な再発防止策の指導を通じて事故及び被害を防止することを目的として、厚生労働省と連携して、農薬の使用に伴う事故及び被害の実態を把握するための調査を毎年度実施しています。今回の調査では、平成31年4月から令和2年3月までに発生した農薬による人に対する中毒事故、農作物・家畜等の被害を対象とし、全都道府県に情報提供を依頼しました。

2.調査結果

令和元年度の調査の結果、農薬の使用に伴う人に対する事故は11件でした。また、農作物や魚類の被害は15件でした。

表:令和元年度の農薬の使用に伴う事故及び被害の主な発生状況

事故等の対象 件数 主な原因
11件 ・土壌くん蒸剤(クロルピクリン剤)を使用した時に、被覆をしなかった又は何らかの理由で漏洩した(5件)
農薬の調製又は散布時にマスクやメガネなどの防護装備が不十分だった(3件)
農薬をペットボトルの飲料品の空容器に移し替えたため、誤飲した(2件)
農作物 8件 ・農薬の飛散防止対策が不十分だった
魚類 7件 ・余った農薬希釈液を河川につながる側溝に廃棄した
農薬の散布機器等の洗浄液が河川に流入した

3.今後の対応

これらの事故及び被害を防止するためには、以下の取組を適正に行うことが重要です。

土壌くん蒸剤を使用した際は、適正な厚さの資材を用いて被覆を完全に行う
農薬の調製又は散布を行うときは、農薬用マスク、保護メガネ等の防護装備を適切に着用する
農薬やその希釈液、残渣等をペットボトル、ガラス瓶等の飲料品の空容器等に移し替えない
農薬を施錠された場所に保管する
農薬が飛散しないよう風向等に注意し、強風時の散布は控える
飛散が少ないと考えられる剤型を選択したり、飛散低減ノズルを使用するなど、飛散防止対策を十分に行う
使用残農薬や不要になった農薬を廃棄物処理業者に依頼するなど適正に処理する

農林水産省は、農薬の安全かつ適正な使用を一層推進するため、都道府県に今回の調査結果を送付するとともに、事故及び被害を防止するための指導を徹底するよう依頼しました。今後も、「農薬危害防止運動」等の機会を活用し、農薬の使用に伴う事故及び被害の再発防止に向けて、引き続き農薬の適正使用の推進に取り組んでまいります。

本調査は、令和2年度以降も引き続き実施いたします。

4.公表資料

「令和元年度農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況」及び過去の調査結果については、当省ホームページから御覧になれます。
 URL:https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_topics/h20higai_zyokyo.html

<添付資料>
(別紙)農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況(平成27年度~令和元年度)(PDF : 178KB)
中毒発生時の状況や防止策などの詳細情報(PDF : 236KB)

お問合せ先

消費・安全局農産安全管理課農薬対策室

担当者:濵砂、光嵜
代表:03-3502-8111(内線4500)
ダイヤルイン:03-3501-3965
FAX番号:03-3501-3774

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