2021年1月22日(金曜日)
9時30分~9時43分
於:記者会見室

(冒頭発言)

特になし。

(質疑応答)

パリ協定・通商交渉

Q: 改めてになりますけれども、20日にバイデン政権が誕生しました。パリ協定復帰に向けた大統領令にも署名しました。日本としては、脱炭素を進める上でもプラスになると思いますが、受け止めをお願いします。

あと、通商交渉ですけれども、米国内の事情を考えると、なかなか前に進まないかもしれませんけれども、日本にとっては貿易協定の第二弾の協議が残っています。また、TPPへの復帰を期待する声もありますけれども、日本としてどのような対応を考えていらっしゃいますでしょうか。

A: まずは、バイデン新政権の発足にお祝いを申し上げたいと思います。
また、就任初日にバイデン大統領がパリ協定の復帰に向けた署名を行ったことを歓迎をしたいと思っております。今後、米国との間で2050年カーボンニュートラルの実現に向けた技術革新や社会実装に関する戦略的な連携を深めてまいりたいと思っております。

現実に、個別の技術に関しては、もう民間同士でやり取りをしている部分もありますので、そういったものをしっかりと政府レベルでも進めていくことができればと思っております。

通商に関しましては、これからバイデン政権としての方針が具体化される段階と認識をしております。両国間の経済関係を強化するとともに、地域及び世界に自由で公正な経済秩序を広げるべく、新政権と緊密な意思疎通を図ってまいりたいと思いますし、先般も申し上げましたが、WTO改革等については、新政権も同じ思いであろうかと思いますので、私の思いですよ、今のそれは、そういったことも含めて、しっかりと議論をしてまいりたいと思っております。

イベント事業者支援

Q: もう一つ、19日に経産省の方で新型コロナの感染拡大を受けたイベントの中止、延期した事業者に対して、最大2,500万円支給しますという発表がありました。その支給の政策の狙いと、予算の一部はもう1次補正を通っていますけれども、その支給のスケジュール感を教えていただけますか。

A: イベントの業界につきましては、コロナ禍において厳しい経済環境に置かれている中、今回の緊急事態宣言に伴って、一層厳しい開催制限等が課されることになっているという状況だと承知しております。

このような状況を何とか乗り切っていただくべく、緊急事態宣言の対象地域において、予定されていた音楽コンサート、演劇、展示会などの開催を延期・中止した場合、開催しなくてもかかってしまう会場費等のキャンセル費用を支援することとしております。今言ったように2,500万円を上限にということになりますけれども、速やかに申請を受けられるように準備を進め、遅くとも2月中には申請受付を開始したいと現時点では考えております。

Q: 支給までは、まだですか。

A: まずは申請ということで、申請のためにどういう手続が必要かということも含めて、システムを作ったりということになりますので、それらも含めて、まずは申請、そして申請が始まれば支給へのスケジュールということになると思いますけれども、まずは申請ということで精いっぱい早く開始をしたいと思っております。

Q: 今の緊急事態宣言に伴うイベント支援の関連で2点あります。

1点は、現状、訪日外国人などが少ないにもかかわらず、この支援の条件がインバウンド向けの動画制作となっていますけれども、そういった動画を制作していなかった国内向けのイベントというのは、支援の対象外になるのでしょうかというのが1点と、あともう一つは、イベント会社なども一時金ですね、最大40万円の、そういった対象になり得るのでしょうかということを教えてください。

A: 今回の措置は、緊急事態宣言を受けて、やむなく延期・中止したイベントのキャンセル料を補助するものであります。緊急事態宣言解除後に、事業者がこの厳しい状況をいち早く抜け出せるように、国内外の顧客の維持・拡大のためのオンラインを活用した発信を積極的に行っていただくことが重要と考えております。

日本で開催されているコンサートや演劇などのイベントは、日本人に限定して開催されているものではないと理解をしておりますし、また、コンテンツとしても海外の方々も大変興味、関心を持っているものだと思っておりますので、延期・中止したイベントであれば、次につながるような形でしっかりこういったものを作っていただく、そして更に中止したイベントであれば、基本的には全て対象になり得るものと思っております。

一時金に関しましては、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により影響を受けたことにより、本年1月または2月の売上高が前年対比で50%以上減少した事業者に対して、法人40万円、個人事業者20万円を上限に、使途に制限のない現金を支給するものでありまして、中堅・中小事業者を対象としております。

そのため、イベント会社などの事業者についても、売上減少の理由として、緊急事態宣言により影響を受けた中堅・中小事業者であれば、これは全部対象となり得るということでもあります。

グリーン成長戦略

Q: 先ほどお話があったカーボンニュートラルの関連なんですけれども、昨年末に政府として発表されたグリーン成長戦略の中の表現について、イギリス側が経産省に誤りを指摘した件についてお伺いしたいんですが、この成長戦略の中で、再生エネルギーの比率について、イギリスの意欲的なシナリオでも約65%というふうに表現をされていたんですけれども、このことについての認識、評価をお伺いしたくて、これはそもそも間違いだったというふうに御認識されているのか、間違いではなかったのか、それとも誤解を招く表現というふうに御認識されているのか。重要な表現の違いだったのか、そうでもないのか、そこの認識を教えてください。

A: 在京の英国大使館から、2050年の再エネ比率について指摘があったと報告を受けております。

英国政府が2050年、ネットゼロ目標を定めるに当たって公表されました英国政府から独立した形の気候変動の専門委員会の報告書の中でということは、これはずっといつも言っていますけれども、独立委員会のシナリオの中で3つありましたねと。その中で温室効果ガス排出量96%削減の野心的な削減シナリオとして、再エネ比率約65%と示されていました。こうした点を、2020年11月の総合資源エネルギー調査会において資料として提示をいたしました。それを踏まえて、12月25日の成長戦略会議におけるグリーン成長戦略において、同様の数値を引用していたということが事実関係であります。

他方、この委員会は、12月9日に出した報告書の中で、2050年ネットゼロに向けて、再エネ比率を約80%とする新たなシナリオを示していたということです。新たなシナリオというのは、過去のものを全てなくしてということではなくて、更に加えて、そういうものを出したということであります。

12月23日の報告書でも、再エネ比率60%と65%、2つのネットゼロに向けたシナリオも例示をしていたと、併せて例示をしていたというのが事実関係、そして、このように英国内でも様々な数値やシナリオが示されているということであります。

今年に入りまして、英国大使館から、誤解を招くのでアップデートをしてくれということで、11月の時点ではあのとおりだけれども、12月の時点ではもう一つ加わりましたねということで、しっかりと事実関係を認識してほしいというお話がありましたので、今、英国大使館とやり取りをしているということで、アップデートがされていなかったという認識であります。

そして、新しい情報を出すのが適切という指摘もありましたので、そういった方向で今やり取りをしているということでして、更にまた、独立委員会のみならず英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省も、こういった2つのシナリオを提示をしていたということで、あくまでも、これは英国政府の目標や政策ではありませんということなんですね。独立委員会が提示したものに一つアップデートをして、その高いものも加えたと。さらにまた、英国政府のエネルギー・産業戦略省も2つ出したということになりますので、そういった中で、これからの議論の前提となるシナリオだということで、英国の正式な、これが見解ではありませんと。ただ、英国のそういう独立委員会等のを引用するのであれば、そこまで含めてくださいというお話がありましたので、今、善後策を協議しているところだということであります。

Q: では、12月末の政府資料の中での表現は……

A: 1つ足りなかったということです。

Q: 表現としては、不適切だったと。

A: 1つ足りなかった、アップデートされる前のものだったということです。

Q: 不適切だったというふうには御認識はされていないですか。

A: それは、またどういう方向かが決まってから、そういう判断をしたいと思います。

Q: イギリス側には、その後、謝罪等はされたんですか。

A: イギリス等とやり取りをしているということです。
これは政府の見解じゃありませんよという前提がいつもついているんですけれども、その上で、独立委員会でもう一つ、12月9日に出した報告書の中で1つ追加していますよと、それをお忘れじゃありませんかということの指摘を受けているということですので、イギリスとのやり取りの中で善後策を考えた上で、正式なコメントを出したいと思います。

気候変動問題

Q: バイデン新政権との関係の件でお伺いしたいと思います。菅首相が気候変動など国際社会の共通課題で緊密に協力していくというふうに話されました。一部では、閣僚級協議を提案するということが報じられていますけれども、その中で梶山大臣も小泉大臣と並んで候補の一人ということで報じられていますけれども、その事実関係と経産省としての今後の気候変動問題に関するバイデン政権との連携についての対応を伺えますでしょうか。

A: 多分、バイデン大統領が就任100日以内に、温室効果ガスの主要排出国による、気候変動による首脳会合を開催する旨を表明をしたということからの話だと思うんですけれども、現時点で、その詳細は今後明らかになるものと承知しておりまして、日本政府としては、それらを踏まえて対応方針を決めていくということと、できる限り、やっぱり今までこういったことに関しては、アメリカとのやり取りというのはこれからも必要だと思いますので、しっかりと向こうからあれば、またこちらから申入れということも含めて対応してまいりたいと思っています。今の時点では、まだはっきりしていないということです。

以上

最終更新日:2021年1月26日