2021年1月19日

同時発表:環境省

環境省では経済産業省と合同で、サーキュラー・エコノミー及びプラスチック資源循環に資する取組を進める我が国企業が、国内外の投資家や金融機関(以下「投資家等」という。)から適正に評価を受け、投融資を呼び込むことができるよう、開示及び対話・エンゲージメントの手引きとして「サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス」を取りまとめましたので、お知らせします。
本ガイダンスは、サーキュラー・エコノミーに係る開示及び対話・エンゲージメントのポイントを、事例も交えて解説しています。

1.背景

近年、資源・エネルギー・食料需要の増大、廃棄物量の増加、気候変動を始めとする環境問題の深刻化が世界的な課題となっており、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済から、サーキュラー・エコノミーへの移行を中長期的に進めていく必要があります。とりわけ、海洋プラスチックごみ問題を契機として、国際的にプラスチック資源循環への関心が高まっており、取組が求められています。
また、2006年の国連が提唱した「責任投資原則」を契機としてESG投資が拡大しており、近年サーキュラー・エコノミーをテーマとしたファンドも組成され始めるなど、気候変動に次ぐ環境分野の投資テーマとして重要性が認識され始めています。

2.目的

サーキュラー・エコノミーへの移行を促進する上では、技術・ビジネスモデルのイノベーションをリードすることが望まれる企業と、金融市場において事業の推進力となる資金を供給・循環する投資家・金融機関が果たす役割が重要です。
本ガイダンスは、企業と投資家等の間で円滑な対話を促すための手引きであり、企業は、自ら提供する製品・サービスに一層の循環性を備える取組を進めるとともに、その取組を投資家等に対して、統合報告書やアニュアルレポート等において適切に「見える化」し、投資家等は、対話・エンゲージメントを通じてそれを適切に評価し、適切に資金を供給することが重要です。

3.特徴

  • 本ガイダンスは、政府が策定する世界初のサーキュラー・エコノミーに特化した開示・対話ガイダンスです。
  • サーキュラー・エコノミーへの「移行」(transition)に向けた多様なアプローチを適切に評価するため、一般的なESG開示フレームワーク共通の「リスクと機会」、「戦略」、「指標と目標」及び「ガバナンス」の4項目に加えて、一貫した価値創造ストーリーとして再構築していく上で重要となる「価値観」と「ビジネスモデル」を前置した6項目から構成しています。
  • サーキュラー・エコノミーに係る取組を中長期的な新市場創出・獲得や競争力強化につなげ、企業価値の向上を目指す機会重視の内容です。

(参考:ガイダンス目次)

第1章 はじめに

  1. 背景~サーキュラー・エコノミーへの移行の必要性と移行に当たっての課題
  2. ガイダンス作成の趣旨

第2章 開示及び対話のポイント

  1. ガイダンスの構成
  2. 価値観
  3. ビジネスモデル
  4. リスクと機会
  5. 戦略
  6. 指標と目標
  7. ガバナンス
  8. 開示・対話のポイント
    <分野別のポイント>

第3章 プラスチック資源循環分野の開示及び対話のポイント

  1. 総論
  2. プラスチック資源循環分野に特有のポイント
    (1)リスクと機会
    (2)指標と目標

第4章 おわりに

4.公表資料

5.参考ページ

担当

産業技術環境局
資源循環経済課長 横手
担当者:末藤、小池

電話:03-3501-1511(内線 3561~4)
03-3501-4978(直通)
03-3501-9489(FAX)