令和3年1月19日

 1月18日(現地時間同日)、ヨルダンの首都アンマンにおいて、我が方、嶋﨑郁駐ヨルダン日本国特命全権大使と先方ナーセル・シュライデ・ヨルダン計画・国際協力大臣(Mr. Nasser Shraideh,Minister of Planning and International Cooperation)との間で、供与限度額を23.79億円とする無償資金協力「ザイ給水システム改良計画」に関する書簡の交換が行われました。

  1. ヨルダンは水資源が少ない国の1つですが、限られた水資源に対し、人口増加や2011年のシリア危機発生以降のシリア人難民の流入により水需要が増加し、深刻な水需給の不均衡が生じています。ザイ給水システムは、アンマン都市圏全体の給水量の約70%を支えていますが、機材・設備、特に浄水処理前の原水を揚水するポンプ等の劣化が著しく給水量の低下が懸念されることや、同システムがヨルダン全国の発電量の15%にもあたる大量の電力を消費していることが課題となっています。
  2. 本計画では、アンマン都市圏等への給水を支えるザイ給水システムにおいて、劣化した設備及び機材を更新・改良することで、水需要が増大している同地域への安定給水を図ることが期待されます。また、設備・機材の更新によりエネルギー効率化を進めることで、電力消費量や温室効果ガス排出量の削減を図り、運転費用の削減を目指します。
  3. 我が国は2019年2月のヨルダン支援会合の機会に、中東地域の安定ため重要な役割を果たし、困難の中で経済的・社会的な課題に真剣に取り組んできたヨルダンを支持し、ヨルダンに対して5年間で約1億ドルの無償資金協力を実施することを表明しており、本計画は同表明の達成に資するものです。

[参考]ヨルダン基礎データ
 ヨルダンの面積は約8万9,000平方キロメートル(日本の約4分の1)、人口は約1,010万1,700人(世界銀行、2019年)、一人当たり国民総所得(GNI)は4,300米ドル(世界銀行、2019年)。