(令和2年1月8日(金) 11:13 ~ 11:49 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は私からまず冒頭申し上げます。
 昨日ご承知のとおり、新型コロナウイルス感染症対策本部が開催され、緊急事態宣言が発出されるとともに「基本的対処方針」が改定されました。新規感染者が全国で昨日は7,500名を超えたということでありますし、東京は2,400名を超えたということであります。
 重症者や死亡者の方々も増えているということもございまして、大変、緊張感、危機感を持って、対応していかなければならないと思っております。
 改めて医療関係者、介護関係者、更には保健所の関係者の方々には感謝を申し上げるわけでありますが、是非とも昨日も総理からお話しがありましたけれども、感染拡大を防いでいくために、不要不急の外出これは何としても控えていただきたい。
 特に20時以降という話でありますが、20時以降のみならず不要不急の外出は避けていただきたいということをお願いすると同時に、若い方々の話もありました。30代以下の方々が新規感染者の6割くらいという話もあったわけであります。若い方々は重症化しないというようなことを言われております。
 そう言われておりますが、身内の方々に感染させて、結果的に重症化することもありますし、本人も決して感染しない、もしくは症状がでないというわけではありません。
 若い方々でも重症化する方もおられますし、中には報道でも言われておりますけれども、後遺症に苦しんでおられる方もおります。
 まずは若い方々も感染しない、感染リスクを避けていただくということに是非ともご協力をお願いしたいと思います。

 昨日の緊急事態宣言を受けて、飲食店等の時短のお願いでありますとか、また、テレワークも7割を目標にというお願いをしています。
 厚生労働省としても相談窓口等の強化をさせていただいて、一時テレワークの方も、全体としては前回の緊急事態宣言の時には非常にご活用いただいたのですが、その後、いろいろな理由はあると思うのですが、また会社に通勤される方々が段々増えていったということもあります。
 改めて、効率が悪いとかいろいろな理由があるのであれば、厚生労働省の方も相談窓口でいろいろな助言をさせていただきたいと思いますので、是非ともご相談をいただいてテレワークの推進にご協力をいただきたいと思います。

 全体として医療提供体制が非常に厳しい、これは東京を中心にそういう状況にあります。急激に感染者数が増えておりますので、当然入院者も増えてきているという現状があろうと思います。
 厚生労働省としては、先般の諮問委員会の中でも私から申し上げましたが、それぞれの医療機関と緊密に対応しながら、それぞれのお悩みがあると思います。
 例えば、医療機関でクラスターが起こったら大変でありますので、そういう意味では感染防止のためのいろいろな対応策、それからコロナ患者の皆様方の対応をいただいた場合、それまでの医療で診ていただいた部分と違った対応になってきますから、医療機関等の経営の問題、ご心配もお持ちだと思います。
 そういうことにもしっかりと相談に乗らさせていただくということで、自治体と協力しながら、もちろんコロナの患者の方々に対応いただいてきた医療機関も増床をお願いいたしたいわけでありますけれども、併せて今までコロナの患者の方々の対応をいただいていない医療機関も、新たに対応いただければありがたい、協力していただければありがたいと考えています。

 そういう意味で昨日も総理からお話しありましたけれども、新たにコロナの患者を診ていただくところには、これは重症化病床、それから中等症もそうでありますけれども、450万円更に上乗せさせていただくという形で、病院の経営にご迷惑をおかけしないようにということで、こういう新たな対応策として、以前年末に申し上げた政策パッケージ、重症化病床1病床あたり1,500万円、それ以外は450万円、これに併せて450万円を新たに病床を確保したところに対しては出させていただくということです。
 それからこれもパッケージの時にお示しをしましたけれども、回復者の方々のその後の受け皿の病院、リハビリとか必要でありますから、そういうところにも診療報酬を3倍にして対応するということでございますので、全体的にコロナの患者の方々を受け入れる病院をしっかり確保していくために、厚生労働省も自治体と協力してこれから行動をしっかりとってまいりたいと思っております。
 引き続き、医療機関の皆様にはご協力賜りますよう、よろしくお願いします。

 併せて水際対策でありますが、これも、英国また南アフリカ共和国において変異した新型コロナウイルスの変異株、このご心配をいただいているわけでございますので、国内の流入を防いでいくという意味からしますと、検疫の強化これも引き続き取り組んでまいります。

 ワクチンに関しても、いろいろと総理からお話をいただいておりますけれど、2億9,000万回分のワクチンの確保を、基本合意しているわけでありまして、これを今年度前半までに国民の皆様方に提供できる数量の確保を目指すということです。
 改めて、12月18日にファイザーから申請が出てまいりましたのでこれを受理しまして、これを安全性・有効性をしっかり確認した上で、なるべく早く承認に向かった対応を進めてまいりたいと思っております。
 その後、仮に承認されたとすればすぐに接種をしていかなければなりませんので、既に接種に向かっての地方自治体とのいろいろな話し合いをさせていただいております。
 そういう中においていろいろな疑問点等があると思いますので、更に重ねて各自治体と協議する中で、こちらといたしましてもディープフリーザー、これ超低温でございますのでそれに対しての冷凍庫という物資の確保を順次進めてまいりたいと思います。

 雇調金であります。1都3県、飲食店等これ時短の営業のお願いをさせていただいたわけであります。当然、飲食店だけではありませんが、飲食店の場合は非正規の方々も非常に多いということで、今、雇調金についてはご承知のとおり、中小企業に関して、2月いっぱいまで延長したわけですが、解雇しなければ10/10の補助をしております。
 これはいろいろと国会でも議論あったのですが、現状、大企業に関しては10/10でないわけであります。
 今回また1都3県に対して、飲食店等時短要請のお願いをさせていただくわけでございますので、当然飲食店にも大企業があるわけであります。そこには同じように非正規の方々が働いておられると。
 そういう方々が仮に休業等の対応となったとしても、それに対して対応いただければ良いわけでありますけれども、補助率が10/10じゃないということで大企業が対応いただけないということであれば、その方々の収入が減るわけでありますので、この1都3県に関しては、大企業に関しても10/10の補助率ということを今般決定させていただいたということでございます。詳細はまた事務方からお聞きをいただければありがたいと思います。
 併せてこれは中小企業の方なのですけれども、引き続き休業支援金・給付金もございますので、今回の1都3県の緊急事態宣言の中において、また休業を余儀なくされる皆様方、是非ともこういうものをご利用いただき、また企業もご利用いただいて、大企業も含めて、非正規の方々も含めて、しっかりと休業手当等の対応をしていただければありがたいと思います。

 あわせて緊急小口資金の特例貸付ですが、当然早く借りられた方から順に返済が始まってくるわけですが、今般こういう形で緊急事態宣言もございますし、まだまだ新型コロナウイルス感染症の拡大というものは終息を迎えておりません。
 そこで、令和4年3月末までに順次返済が開始される方々に関して、返済開始時期を令和4年3月末まで延長するということで、その前に来る方は、それ以降に返済開始時期を延期することにします。
 非常に厳しい状況でございますので、この緊急小口資金、まだこれからお借りになられる方々もおられると思います。しっかりこういうものもご利用いただきながら、何とか厳しい現状を乗り切っていただければと思います。

 あと不要不急の外出を避けてくださいというお願いをさせていただいておりますが、高齢者の方々が中心ですが、やはり前回の緊急事態宣言の時もそうだったのですが、感染のリスクからどうしても外出するのが怖いということでご自宅におられる時間が増える結果、運動機能の低下でありますとか、人と接する機会が減ると、場合によっては認知症が進まれる方々もおられると思います。
 特に運動機能、高齢者の方々は日々、一定の運動をされないと筋肉が落ちる方がいらっしゃいます。
 是非ともそこはご留意いただきながら、例えば外出といっても日々、人の少ない時間帯に散歩をされたりするのは、この冬場でございますから暖かい恰好をしていただきたいわけでありますけれども、決して感染のリスクが拡大するわけではございませんので、そういう感染リスクというものを考えていただきながら、外出もいただいてしっかりと運動機能の低下も防いでいただきたいと思います。
 また、コミュニティでもそういうような支援・取組等をしていただければありがたいと、感染防止策をしっかりとやっていただきながら対応していただければありがたいと思います。
 併せて、健康維持・介護サービスの確保にも我々としても努めてまいりたいと思います。オンラインとかで人と会話する取組も自治体によってはやっていただいているようでして、自治体のみならず地域でもやっていただいているようですが、こういうものも活用いただきながら人と対話をする機会、こういうものも作っていただいて日々の生活にメリハリ、刺激を持っていただく。
 高齢者の皆様方だけではないのですが、特に高齢者の皆様方にはそういうところにもご留意をいただければありがたいと思います。

 冒頭長くなりましたが、緊急事態宣言発出にあたって、私から厚生労働省の取組といたしまして、ご報告をさせていただきました。それでは皆様方からご質問いただきたいと思います。

質疑

記者:
緊急事態宣言の解除の基準について、昨日西村大臣が東京での新規感染者1日500人以下を目安という形で仰っていましたが、これについてこういう認識で良いのかということと、医療体制を所管する厚生労働省として6指標のどういったところを主に重視して、解除という面でどこを重視しないといけないのか大臣のお考えをお願いします。
大臣:
まず、500人という話が今出ましたけれども、ステージ4の基準が東京では500人という話になるのだと思います。
 ですから、逆に言うと500人を割り込むというのが、ステージ4から、人数的には、新規感染者という意味からすると1日あたり500人を割り込むというのが一つの目安になると思いますが、もちろんそれだけではなくこれは一つの目安です。
 総合的に判断する、つまり例えば継続して新規感染者が低減していくような、そういうような傾向かどうかということも重要だと思います。
 昨日は諮問委員会の中でいろいろ話があった中で、ステージ3のみならずステージ2に向かってやはりいろいろな不断の努力はその後も続けていかなければならないという話でございましたので、もちろん解除したらそれで終わりという話ではないわけでありますが、一つ解除の目安としては人数的には一つの目安ですけれども、これが一つ。
 それから医療提供体制という意味からいたしますと、具体的にステージ3の医療提供体制の目安というのはありますが、それのみならず、先ほど申し上げました低減していくという話になれば病床数というのはその後段々余裕がでてくるわけでありますので、やはり感染者の状況はどういう状況かというものと今ある病床の現状、こういうものを総合的に判断するというのが一つだと思います。
 その他にも陽性率でありますとか、いろいろなものがございますからそういうもの一つ一つを、これは分科会または諮問委員会等でいろいろご議論をいただきながら最終的には解除に向かっての判断というものになってくると思います。
記者:
解除の目安の数値というものは、政府内である程度共有されているということは現状ではあるのでしょうか。
大臣:
ですからそれはステージ4というものの一つの目安はありますよね、いつも西村大臣も言っておられますけれども、それを割り込むのか割り込む見込みがあるのかというのは、少なくともステージ3という判断がなされるような基準になってこないといけませんよねという話であります。
 ただ、ご承知のとおり、ステージ3は厳格にそれぞれの数字がどうだというのではなく、それも含めて総合的な判断という形になると思います。
 ですから、それも踏まえての解除、これに関しては多分自治体とも相談をするという話になると思いますが、そういうような形の中での解除になると考えております。
記者:
病床の確保についてお伺いします。病床の確保に向けて先ほど支援金450万円の上乗せなどの発表がありまして、冒頭大臣がご指摘されたとおり、今、体制整備の調整を上回るペースで感染者が増えているような現状になっております。
 昨日、菅総理大臣は会見で「1都3県で病床を大幅に増やすことができるようにする」と発言されていますが、具体的に今回の上乗せなどの対応以外に、どのような方法で大幅に病床を確保していくお考えでしょうか。
大臣:
これは感染の拡大がどういう状況にあるかだと思います。緊急事態宣言を発出しましたが、今の感染状況は1週間後、10日後くらいにその数字が出てくると思います。
 逆に言うと、今の数字はそれぐらい前の数字が日々の新規感染者として報告されているわけで、緊急事態宣言を受けてどれくらいの状況になるかは、これから数字がでてくるわけです。
 そういう意味からすると、東京の新規感染者数はここ2,3日を見ると非常に増えています。もちろん軽症者や無症状者の方も多く、一定程度おられるわけで、そういう意味ではすべてがすべて、病床が必要な方かということはあります。
 その伸びということを考えたときに、今、厚生労働省は東京都とも協力しながら対応を進めております。例えば、感染症の方々を対応していただいている100余りの機関に更なる増床をお願いするとか、今までコロナの患者を診ていただいてなかった医療機関にも、感染者が増えてくればお願いをしなければいけません。
 その時に、今まで地域で担っていただいていた医療というものになるべくしわ寄せがいかないように配慮しながら進めていかなければならないので、それもやります。
 しかし一方で、それ以上の感染者の拡大によって患者が増えた場合には、今般、緊急事態宣言を発出しましたので、臨時の医療施設という対応もできます。
 それから以前から申し上げておりますが、これは緊急事態宣言を発出せずとも、医療機関の敷地内に臨時の施設を作っていただいて、そこに患者を入れていただくということもあります。
 それから、今ある既存病院の中でも空いているベッドがあります。そういうところで、例えば、比較的軽い患者の方々に入っていただいて、医療人員に関してはその病院の医療人員で対応できるように、いま我々としては医療機関にお願いをさせていただき、その分診療報酬をしっかり確保できるようにしておりますので、そういう形の中で対応いただく。いろいろなやり方があると思います。
 いずれにしましても、これは感染の拡大がどういう状況かによって対応が変わってくると思いますので、そこはそれぞれの自治体と都道府県と我々も相談をさせていただきながら、適切に新型コロナウイルス感染症患者の方々に対応できるような体制というものを作っていきたいと思います。
記者:
重ねて恐縮ですが、今、臨時の医療施設の整備について触れられましたが、現状で1都3県に臨時の医療施設を国として整備を求めていかれるというお考えはございますでしょうか。
大臣:
これは国が求めるというよりかは、自治体がそれぞれどういう現状認識をされて、必要性を考えられるかでありますので、自治体と相談して必要ということであれば、国も協力できるところは協力させていただきたいというふうに思っております。
記者:
雇用調整助成金についてですが、期間の再延長についての可否とその期間の考え方についてお聞かせ願います。
大臣:
以前から申し上げておりますが、2月まで延長しましたので、2月以降に関しては、2月以降といってもそれまでに決定しなければいけませんから、2月に入ったら雇用の現状を分析しながら、しかも、全国での対応と今回の1都3県の対応とでは若干また変わってきておりますので、そこのバランスをどう考えるのかということも含めて、判断してまいりたいと思います。
 ただ、緊急事態宣言を発出しておりますので、決して雇用情勢がこれからよくなってくるわけではない。今回の緊急事態宣言の措置が1都3県に限定しているとはいえ、緊急事態宣言自体は全国に出ているわけでありまして、全国の自治体で本部をお作りいただいている最中かとも思います。
 首都圏の経済がある程度厳しくなれば、全国に一定程度波及することも我々は想定しなければなりません。そういうことも総合的に踏まえながら、仕事の状況を勘案して、最終的にどうするか決めていくという話になろうと思います。
記者:
緊急事態宣言の関連でお伺いします。昨年春の宣言の際には保育園や介護施設などの休止や縮小をお願いしておりました。今回、保育園については閉園しないという方針が出されていますが、介護施設がやむなくサービス縮小するということになるとしたらどのような場合でしょうか。また、宣言で考えられる影響を具体的にご説明願います。
大臣:
春は緊急事態宣言が出る前から、多くの小・中・高が、要請などもあり休校ということになりました。それに合わせて保育園をどうするのかという話の中で、保育所に対しても、必要な部分はありますから、小・中・高のように「一斉に閉園してください」というお願いはしておりませんでしたけども、「できる限りの範囲で開いてください」というようなお願いになったわけであります。
 今般は、小・中・高も通常の学校運営という形になりますので、そういう意味では保育所も同じような対応ということになります。
 ただ、感染防止はしっかりやっていただかなければなりませんので、これは三次補正でも感染対策のための50万円を補助させていただくことにしましたが、こういうものも活用していただき、しっかり感染防止していただきながら、保育所を開所いただきたいということであります。
 それから介護施設に関しては、先ほども申し上げましたが、やはり介護が必要な方が必要な介護サービスを受けられないということになると、より要介護度が上がってしまう。緊急事態宣言が終わった後に大変な状況が生まれてしまうわけですので、同じように、介護事業者には介護サービスを提供していただくということになります。
 どういう場合というご質問に関しては、感染者が出れば、感染者が出た状況の下での対応ということになりますから、サービスを停止するということも当然あり得るわけです。
 一方で、入所施設などの場合は、色々な対応の下で、感染防止をしていただきながら、そのまま介護サービスを続けるということになるんだろうと思います。
 申し上げたいのは、通常どおり運営をしていただく中で感染者が出ないような対応をしていただき、もし感染者が出た場合には、感染者が出たときの対応という形にしていただくということになってくると思います。これは保育所も同じです。
記者:
先ほど臨時の医療施設について必要に応じて対応していくという話でしたが、病床は作れても、そこで働く医療スタッフの確保が問題になると思いますが、以前に派遣の人件費を2倍にするなどの対応をされていると思いますが、このパッケージ以外に医療スタッフの確保について何か取組があれば教えてください。
大臣:
以前から申し上げておりますが、例えば、看護師の皆様方に関しては、これは保健師もそうですが、看護協会や各自治体等からもご協力をいただきながら派遣するような対応の枠組みを作っております。
 併せて、派遣をしていただく医療機関への補助金は倍にしていますから、多分、今までコロナの対応をされていなかった方にも対応していただくことにもなるので、手当という形で医療機関から給付されるというようなことも想定されるわけであります。
 一方で、急に医療スタッフが増えるわけではありません。もちろん、全国から看護師や医師等が集まってくるということは一定程度あるかもしれません。
 しかし、急激な感染拡大が起こった場合にどうかということを考えると、現在の人員で対応せざるを得ないという状況もあるかと思います。
 先ほど申し上げた、医療機関内での臨時の施設、これは緊急事態宣言が発出されなくても対応できますが、この場合には、そこにおられる医療機関の人員で対応いただく。それから中等症の軽い方々には人員配置を手厚くしないというオペレーションもあります。
 もちろん何かあった時にはすぐに対応していただかなければいけないわけですが、そういうこともそれぞれの病院で工夫をしていただくことになると思います。
 併せて、看護師の皆様の業務の中で、看護師以外の方でも行える業務というのがあるわけです。例えば、看護補助の方々でありますとか、他の医療職の方々で対応できる、例えば日々の医療的なケアではない部分も看護の業務の中には入っています。そういう部分のマンパワーを増やしていく中で対応していただくということもあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、色々なやり方を考えていかないと、世界を見ますと、やはり欧米のように感染が爆発するとその中で対応せざるを得なくなるわけです。
 日本はまだそこまでいっておりませんので、今はそこまでの対応の必要性は低いのかもしれませんが、ここ2,3日の感染状況を見ていますと東京の伸び方が非常に心配ですので、いろいろなことを想定した上で、自治体とも相談しながら、協力していきたいと思っております。
記者:
昨年末より民間のPCR検査の検査場などが都内でもたくさんできまして、たくさん利用されている方もいらっしゃると思います。
 個人の陽性であるか陰性であるかの不安ですとか、企業やそれぞれのグループの陽性者が出た他の接触者の方の確認など、そういうニーズに応えていると思いますが、それが公的な医療機関や保健所への届出の義務がない場合、それがなされていない場合もあると伺っています。こういう民間のPCR検査の現状について大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
基本的に厚生労働省からも通知等を出させていただいているんですが、「民間PCR検査に関しては医療機関と提携してください」というお願いをさせていただいております。医療機関と提携していますと、例えば、陽性になった場合に提携医療機関に相談をしていただければ、そこで診断ができます。ところが医療機関と提携していませんと診断ができません。
 検査にどこまで精度があるかということは精度管理の問題もございますので、問題があるような検査機関もあるかもわかりませんが、陽性と出た事実があったとしても、それを診断の中において、新型コロナウイルス感染症に罹患したという判断ができないんです。
 医師が診断をして、新型コロナウイルス感染症に罹患したということになれば、これはそのまま保健所に届出をする義務が医師にはあり、それが報告されてくるわけです。
 医療機関としっかり提携されていない検査会社、検査機関等で検査していただいた場合には、陽性と出ても、それがカウントされないという場合がでてまいりますから、我々としてもそれは避けたいということで、通知を出してお願いをさせていただいております。
 それと同時に、年末にオープンデータ化をしようと、厚生労働省の中に「うちはこういうような基準で検査しています」、「医療機関とちゃんと提携しています」、「精度管理はこういうことをやっています」というような情報を開示できるような仕組みをつくりました。
 こういうところに情報を載せていただいて、国民の皆様に「ここならば大丈夫だね」、「ある程度のことはやっているんだね」ということを確認いただけるような仕組みを作っています。
 ただ、PCR検査機関に一定の基準の下で国に届出をしなければ営業できないというような法律は、今のところ、残念ながらないわけです。それがないものですから、国民の皆様には混乱があるのかもしれませんが、そういうこともどうしていくべきなのかということに関しても我々としては検討していかなければいけないとは思っております。
 現状においては、厚生労働省の中でしっかりと情報を開示していただく仕組みを作っており、そこにちゃんと参加をいただいているところについては誓約書もとっておりますので、一定程度、信用があるだろうということで、国民の皆様にご利用していただきやすい環境を作らせていただきつつあるということでご理解いただければありがたいと思います。

(了)