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令和2年12月18日(金曜日)
教育、文化

キーワード

ユネスコ無形文化遺産登録の決定について、新型コロナウイルスの影響を受けた学生等の退学・休学等の調査結果と経済的支援、大学入学共通テスト、特別支援学校の教育環境の整備、今後の教育改革について、少人数学級、教育再生実行会議

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年12月18日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和2年12月18日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和2年12月18日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、私から3件あります。まず1件目ですが、この度、「伝統建築匠の技」のユネスコ無形文化遺産への登録が正式決定されました。関係の皆様に心よりお祝いを申し上げたいと思います。この登録を契機として、各地での保護・伝承の取組がより一層促進されるよう、文部科学省としてもしっかりと取り組んでまいります。本件に続き、本年3月には「風流踊」をユネスコに提案したところです。今後も、ユネスコ無形文化遺産の登録に向けて着実に取り組んでまいります。
 次に、全国の大学等における、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた学生等の退学・休学等の調査結果及び追加を含む経済的支援についてお知らせをいたします。文部科学省においては、これまで新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困難な学生等が修学・進学を諦めることのないよう、関係省庁のメニューも含めた「学生の”学びの支援”緊急パッケージ」を取りまとめ、大学等にお示ししつつ、支援を行ってきたところです。前回調査は4月から8月までの修学の状況等を調査しましたが、今回、10月までの状況を調査した結果、大学の中途退学者数については、昨年度よりやや少ない状況となっています。また、休学者数についても、現時点においては大きな変化は見られない状況になっています。一方で、学生等の修学状況等については予断を許さない状況が続くと思われますので、引き続き注視していく必要があると考えています。加えて、今後、新たに支援が必要となる学生等にも対応するため、「学生の”学びの支援”緊急パッケージ」の改訂を行いました。今回の追加の支援策として、第3次補正予算(案)に計上している無利子奨学金の充実など、経済的理由により修学を断念することがないよう後押しすることに加え、就職内定の取消しや就職先が決まらず、やむを得ず来年度も在学する学生への緊急的支援なども盛り込んでいます。また、これら支援策をお示しする際、合わせて、大学等に対し、今般の影響で中途退学せざるを得なかった学生等が復学を希望する場合には、学修を継続できるよう柔軟に対応するなどのご配慮をお願いしたところです。なお、調査結果及びパッケージの詳細は、後ほど事務方よりプレスリリースしますのでそれを参照していただきたいと思います。
 最後に、来年1月16日から第1回の大学入学共通テストが始まります。既に受験生の皆さんのお手元には受験票が届いていることと思いますが、感染への不安や試験が予定通り実施されるのだろうかといった不安を抱えながらも勉強されている受験生もいるかもしれません。大学進学を目指し、共通テストを受験する予定の50万人以上の受験生の皆さんだけでなく、受験生を支えてきた保護者や指導されてきた高校の先生方などのこの日を迎えるまでの努力が無駄にならないよう、これまで申し上げてきた通りですね、試験は、予定通り実施したいと思います。そのためにも、文部科学省と大学入試センターが緊密な連携の下、11月に策定した感染予防対策に基づき、現在、各大学において、万全の体制で受験生を迎えることができるように準備をしています。また、感染状況に関わらず試験を実施するため、受験生が利用する宿泊施設や公共交通機関における感染症対策の徹底や、試験場やその周辺及び公共交通機関でも密集状態を作らないことなどについて、厚生労働省や国土交通省、経済産業省、観光庁とも連携しながら、関係各所に要請を行うなど、政府全体で受験生の皆さんのサポートをしていく予定です。受験生の皆さん自身も、健康管理には特に注意してほしいと思います。文部科学省としても、厚生労働省の協力を得て、「新型コロナウイルス感染防止のための注意事項」を整理し、本日、文部科学省及び大学入試センターのホームページにも掲載しますので、ぜひご活用ください。また、今回は、第1日程、第2日程それぞれの2週間後に追試験を準備をし、特に、第1日程の追試験である第2日程では、全都道府県に会場を確保していますので、仮に体調に不安を感じた場合にはですね、皆さん自身と周りの受験生を守るため、くれぐれも無理をしないようにお願いをしたいと思います。最後に、受験生の保護者をはじめ、高校の先生方や試験当日に試験監督者を務められる大学の先生方などにおかれても、先ほど紹介した「注意事項」も参考に、基本的な感染対策を徹底していただき、受験生の皆さんが安心して受験の準備ができるようにご配慮をお願いをしたいと思います。私からは以上です。

記者)
 特別支援学校についてのお尋ねです。特別支援学校では、現在、児童生徒数に教室数が追い付いておらず、会議室の転用などで凌いでいるという現状があります。これまで未策定だった設置基準の策定に向けた議論は進んでおりますけども、特別支援学校が現状抱えている課題については、大臣のご認識、今後の改善に向けた取組についてお願いします。

大臣)
 近年、各都道府県でも特別支援学校の新設等が進められていますが、特別支援教育を必要とする子供の増加により教室不足が生じるなど、特別支援学校の教育環境の整備が課題となっております。こうした状況を踏まえ、中央教育審議会特別部会や「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」の提言の素案において、「国は特別支援学校に備えるべき施設等を定めた設置基準を策定することが求められる」などと示されているところです。文部科学省においては、現在、こうした中教審などの議論を踏まえて設置基準の策定に向けた検討を進めるとともに、設置者である各自治体における教室不足解消計画の策定の要請、特別支援学校の整備に係る自治体への優先的な財政支援を行っており、今後も、引き続き、特別支援学校の教育環境の改善に向けて取り組んでまいりたいと思っております。

記者)
 昨日、合意されました少人数学級をめぐることで、財務省との大変厳しい交渉があったかと思うんですが、これが折り合った決め手は何だったのかということを伺いたいなというのが1点と、昨日の会見で、菅内閣の教育改革の第一歩だというご発言ありましたけれども、第二歩以降、どのように改革を進めていかれるのか、あわせてお聞かせください。

大臣)
 財政当局としては財政の健全化を心がけなくてはなりませんから、そういった意味では、そのアプローチの違いはあってですね、なかなか中身の議論が噛み合わないところもありましたけれども、最終的には、本来我々の提案とは若干違いますけれども、ああいう形でお認めをいただいたので、どうしてかと、合意に至ったのはどうしてかって言われると、じゃあ合意に至ったのかどうかという思いは私もありますけれども、しかし、一歩を踏み出すことができたという点では、お互いに理解の下、着地ができたんじゃないかと思います。双方アプローチの違いはあっても、誠実に、子供たちの教育の在り方について議論した結果ではないかなというふうに受け止めております。あの、今後はですね、教育は国の礎であって、教育再生は菅内閣においても最重要課題の一つである認識の下、文部科学省では、全ての人が自らの「可能性」と「チャンス」を最大化できるような社会の実現に向けて、現在取組をしております。この点、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現する上で、昨日報告申し上げた少人数学級の実現は、ICT活用の両輪、ICT活用との両輪をなすものであって、菅内閣の教育改革の第一歩だと思っております。今後も、「令和の日本型学校教育」について検討いただけている中央教育審議会や「ポストコロナ期における新たな学びの在り方」について検討いただいている教育再生実行会議での検討結果も踏まえながら、引き続き、菅内閣の一員として、全ての子供たちに質の高い教育を保障するための取組を加速をさせてまいりたいと思います。昨日も申し上げたように、これで終わりじゃなくて、新たな、新しい学校のスタートなので、ぜひ考えられる課題の解決に向けて、引き続き、果敢に挑戦をしていきたいと思っています。

記者)
 先ほど大臣が冒頭でお話しされました、大学の退学・休学の調査結果についてお伺いします。こちら、中途退学者、昨年よりやや少ない、そして、休学者数、大きな変化なしとありましたが、こちらの背景、コロナ禍でのこういった結果になった背景についてどのように分析されますか。

大臣)
 あくまで昨年の同時期との比較でありますので、コロナ禍であってもコロナを理由にですね、退学者が増えることを心配した前半の取組というものが学生の皆さんにもしっかり受け止めてもらえたのではないかなというふうに思っています。ただ、機会あるごとに申し上げていますけど、例えば、新入生などで一度もキャンパスに行ったこともない学生さんなどが、学生生活への失望をしてですね、これだったらもう1回やり直しをしたいということを考えている年度末に迎えますので、ここは状況をよく注視をしながらですね、引き続き、学生の皆さんに寄り添って対応していきたいと思っています。

記者)
 先ほど読売新聞からも昨日の少人数学習折り合った決め手ということで伺いましたけれども、誠実に子供の教育の在り方を議論した結果というのはその通りだと思うんですけど、ただ40年ずっと動かなかったことがですね、今年動いたということは、やっぱりそれなりの理由があったと思うんです。大臣は、非常に、少人数学級にかける思い、強かったかと思うんですけれども、大臣のどういう交渉姿勢が事態を動かしたのか。それから、どんな外部要因が今年ならではあったのか、その辺りをもう一度お聞かせいただければと思います。

大臣)
 少人数学級の実現に向けては、与党からの30人学級に関する決議ですとか、教育再生実行会議の有識者からのご意見、また、地方6団体や教育関係団体をはじめとする学校現場からの多数のご要望をいただき、少人数学級の実現は国民の総意であると感じ、まさに、このような皆様からの応援を原動力にしてですね、交渉に臨ませていただきました。何が良かったか悪かったかってのは分かりませんけれど、諦めることなく最後まで全力を尽くそうということを役人の皆さんと声を掛け合いながら頑張りましたので、そういう意味では、少し前進ができたのではないかと理解しております。

記者)
 今お話にあった教育再生実行会議ですけれども、教育再生担当大臣として伺いたいんですけれども、元々、教育再生実行会議は、内閣官房の組織という形で、内閣全体のですね、教育施策を考える組織なんだろうと思います。今回、財務省と文部科学省、それから総務省も絡んで交渉ということになったと思うんですけれども、こういうときこそ、教育再生実行会議がですね、前面に出て役割を果たせなかったんだろうかという思いが私はあります。菅内閣においても、この会議を存続するというふうに判断されたわけですけれども、例えば、再活性化であるとか見直しとかですね、何かお考えではないでしょうか。

大臣)
 まず、教育再生実行会議の皆様には、現場の状況をしっかりと理解した上で、今回の少人数の必要性については、9月7日の時点できちんと方向を示していただいたので、大きな後押しをしていただいたと思っております。記者さんのご指摘は、こういう難しい交渉が続く中で、もう一役、何か教育再生会議を果たす役割がなかったのかっていうことを多分おっしゃっているんだと思うのですけれど、私は、9月7日から、一事不再議、それ以上一歩も後に下がらないということでやっていましたので、そこで新たな発信をすることが、かえってですね、交渉を難しくしてしまうんじゃないかと思って、教育再生会議の先生方も、色んな立場でご心配いただいたのは事実ですけれども、例えば、そこでもう一度ですね、要望書の手交をするとかっていうとそこからのスタートになっちゃうんじゃないかと。これ、もう9月からも決まっていることだっていう、すなわち、安倍内閣の最後にきちんと方向を決めて、菅内閣はそれを継承するということで前に進めてきたんじゃないかということを交渉の中で言っていましたんで、そこはあまりクローズアップしないほうがいいかなと思ったのです。ただ、ご指摘があったように、私、最終的に予算の折衝は、文部科学大臣として財務大臣とやりましたけれども、ご指摘の通り、この方向は、文部科学省が勝手に絵を描いたわけでもなくて、教育再生実行会議という大きな枠の中で政府全体で方向を決めたんだから、そういう意味では、教育再生担当大臣として、これは実現をするということも機会あるごとに訴えてきたところでございまして。そういった意味では、私は、会議そのものは非常に冷静で、そして的確に方向性を示していただいたありがたい組織だと思っていますので。無理に改組するとか、目的を変えるっていうのではなくて、今までの大切な知見をさらに活かしてですね、菅内閣においても、いい教育提案をどんどんしていただければいいと思っています。35人学級で一歩前進したことはきっと教育再生実行会議のメンバーの皆さんもご理解いただいて、一定の評価があるかもしれませんが、誰1人満足してないっていうふうに、私、思っていますので。教育再生会議の中ではまた、この間課題となったですね、例えば、成果ですとか、そういったものも含めてしっかり議論していただいて、次なるステージに、また、皆さんの提言をいただければなと、そんなふうに思っています。
 失礼、9月7日じゃなくて9月8日だそうです。

記者)
 共通テストについてお伺いします。本日、注意事項を出されるということですが、若い人は、やはり無症状の方が多いということで、ご本人たちも多分気にされるとは思うんですが。例えば、不安な方はPCR検査を受けることを勧めるとか、何かそういう、文科省としてこういう対策をしてくださいっていうことっていうのは注意事項に盛り込んだり、大臣のお考えはどうなんでしょうか。

大臣)
 一番大切なことはですね、できる限り試験が、実施ができるというための、様々なシミュレーションしていまして、例えば、本人は全く症状がないけれど、濃厚接触者に指定をされて、例えば、9日目だなんていう子がですね、受けるか受けないかということで非常に悩んだりしたときに、別の部屋を用意するなどの色んなオプションは用意はしているのですけれど。今、ご指摘のように、例えば私がPCR検査の実施の必要性を申し上げると、これ、多分全員が受けるような事態になってしまうと思いますので、そういったことは、保健所当局ともよく調整をして、今日、実は、発表する様々な協力要請の中に、厚労省とのやりとりだけは調整中というふうになって発表することになっていますので、今後推移を見守りながらですね、今ご指摘の点についてはまた考えてみたいなと思っています。いずれにしても、自分としてはこのチャンスを逃しちゃいけないってことで、熱があるのにですね、それを偽って会場に来るようなことはやめてもらいたいなと思っていますし、そのために、それはもちろん、その試験は中身は若干違うかもしれませんけれども、3回のチャンスを用意してあるわけですから、そういう意味では、ぜひここは、こういう事態の中での受験だってことを受験生もみんなお互いに意識していただいて、ぜひ、大事をとりながら前に進んでもらいたいなと思っています。

(了)

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