(令和2年12月25日(金) 19:00 ~ 19:20 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日午前中に皆さま方に一部ご報告しましたが、感染拡大に伴う入院患者の増加に対応するための医療提供体制パッケージについて、今まで報告されているものも含めて、ご報告させていただきます。
 今まで、新型コロナ患者の皆さま方への対応とそれ以外に必要な一般医療もしっかり守るということで、それぞれ都道府県で病床確保計画をお作りいただき、それを実施いただいております。医療関係者の方々には大変なお力添えをいただいて、ご負担がかかっているということでありまして、改めて心から感謝を申し上げます。
 新型コロナウイルスが今日も全国で新規感染者数が最多という数字が出てきております。新型コロナウイルス感染症に罹った方々で、入院患者も増えてきております。また、重症者の方も増えてきているということです。
 これ以上、今コロナ患者を受け入れている皆さま方へのご負担が過剰になってまいりますと、他の医療もその医療機関で受けていただいていますので、大変なご負担になってくると。
 そこで、まずは午前中ご報告いたしました2,693億円という、これは予備費でありますが、これを利用しての対策。それからこれは以前からご報告しておりますが、看護師、医師等の派遣に関して、派遣をする側に対して支援をしっかりとしていくということ等、更には既存の施設等で最大限その病床を活用いただくということをしていかないと、増えているコロナ患者に対してやはりなかなか対応していただけないということで、そういうものをパッケージとして今回発表させていただくということです。
 まずは、午前中ご報告したもので、新型コロナウイルスが急増している地域等に対して、病床が急迫している地域、これは都道府県知事がご判断いただく形になりますが、そういうエリアに対して知事がご判断をされれば、重症病床一床につき1,500万円を国から支援する。
 そしてそれ以外の病床に関して、中等症の患者を受け入れていただいた病床に対しては450万円の支援ということを先ほど申し上げました。

 2つ目は、回復者の方々、新型コロナウイルスからは一応回復はされていますが、まだご自宅には戻れないという方々が転院をされます。転院をされる場合、診療報酬で入院診療加算の評価、これは250点でしたがこれを750点という形に引き上げました。
 更には、コロナ患者の受入医療機関ですとか、受入医療機関に対して職員を派遣いただいた場合、当然派遣をいただいたらその医療機関の人員配置は手薄くなるわけですが、そこに関して柔軟な職員の配置でやっていただいても良いとして、コロナ患者を受け入れていただいている医療機関にしっかりと人を送れるようにするという対応をします。
 また、コロナ患者を受け入れていただいているところも、本来であれば人員配置があるわけですが、例えば中等症で比較的軽い重症のリスクの低い方々のところの病棟に関しては、診療報酬基準の配置よりも緩めていただいても良いこととし、これは適切に各医療機関が、重症化リスクがないならば重症化リスクのある方々の方に配置をする、もしくは、重症者病床をお持ちであれば重症者病床の方に配置いただけるという形で、よりリスクの高い方々の方に配置していただけるということもお願いさせていただきたいと思っております。
 それから、ICU等の多床室形式のユニット部分をゾーニングして個室単位化をする、大体ICUはカーテンを引いて何人かという形になっておりますが、コロナの場合はそういう対応が難しいということで、それを個室化する中でいくつかに分けていただく、こういうこともぜひともやっていただきたいということで、これに関してもしっかりとお願いしていきたいと思います。
 それから、医療機関の敷地内、例えば駐車場等にプレハブ等をお作りいただいて、そこで中等症の患者の方々を受け入れていただく。この場合、臨時的な増床という形で、緊急事態宣言を出さなくてもそういう形ができますので、その中において人員配置は今ある医療機関、それぞれの病院のマンパワーでそこも重症化リスク等がなければ配置を緩めていただきながら診ていただく。
 そういう意味では、今あるマンパワーでより多くの方々に対応いただくという一つの工夫ですが、こういうことも一つ是非ともご理解いただいてご利用いただければと思います。

 3つ目ですが、院内感染発生時に早期の収拾を実現するための手法でありますが、国の財政支援と外部からの人的支援について、改めて整理をいたしまして、院内感染の早期収拾の支援策を盛り込みました。 

 4つ目ですが、看護師や医療従事者等の派遣は今までも支援してきました。これも引き続きしっかりと対応すると同時に、看護師が今やっている業務というものは、本来の医療行為のみならず、いろいろな身の回りの患者の方々の対応もいただいておりますし、場合によっては消毒ですとか、リネンのいろいろな交換、こういうものもやっていただいておりますので、こういう業務に対して、例えば、看護補助者等医療関係者、こういう方々にも対応いただく、また、民間事業者の方々にもやれる部分はしっかりと、もちろんそのためにはコロナの感染者の方々に近づかれるわけですから、一定の注意事項等を学んでいただいた上になると思いますが、そうした対応をいただいて、看護師の方々に本来の医療の業務をしっかりやっていただくということも検討して対応いただきたいということです。
 病棟業務の後方支援という形で多様な方々にいろいろなお手伝いをいただこうと、これもパッケージに入れさせていただきました。そして、看護師等の皆さま方の保育、その環境整備、育児の環境の確保、これもしっかりとやらなければならないということです。このような人材確保策等もあげております。
 最後に、高齢者施設等での感染予防及び感染発生時の早期収拾のための方策を盛り込みました。これは例えば今までも言ってきておりますが、しっかり検査していただいて感染予防するとか、感染者が出る時にすぐに対応する、そういうようなマニュアルも含め、そういう対応等について改めてこの中に盛り込み、周知徹底させていただきたいと思います。

 以上が対策に向けてのパッケージということですので、今日お示しさせていただいた新たなもの、新たな取組、そして既存の取組を一つの形でお示しし、これを周知させていただいて、今ある医療資源というものを最大限活かしながら、また、新たに先ほど申し上げた1,500万、450万という支援の対応の中において、新たに民間病院等も含めて、大阪は新たに民間病院にコロナ患者の受入をお願いされているようですが、新たな病院も是非ともコロナ患者の方々をお受け入れいただきますように、厚生労働省としても心からお願い申し上げ、そのために今回のパッケージをお示しさせていただいたということですので、ご理解いただきたいと思います。 

 最後に年末を迎えるに当たって2点私からこのパッケージ以外に周知させていただきます。
 1つは、初めてコロナ禍で年末年始を迎えます。生活に困窮されている方々も、いろいろな形で年末年始、どこにどういったら良いか、非常に迷う方もいらっしゃると思います。そこで、厚生労働省の特設ページを開設いたしまして、ここで生活困窮者の方々へのいろいろ制度があるわけですが、自治体また支援団体の様々な対応について取りまとめの上、ホームページ上にそういうところをリンクして飛ぶようにさせていただいております。
 そういうところをご利用いただく中において、改めて、生活保護という制度もございます。本当に困窮された場合には生活保護、これは国民が受けられる権利でございますので、そういう場合には各自治体の福祉部局に行っていただいて、迷わず生活保護の申請をしていただければと思います。
 そして、もう一つは、休業手当等が支払われない方々に対しての休業支援金に関して、改めて、日々雇用でありますとかシフト制、登録型派遣の方々にも一定の場合には対応するということについて10月にリーフレットを作りました。
 9月末までに休業を強いられた方々に関しては、申請日を1月末までに延長しております。今まで12月末まででありましたが、1月末までということですので、改めて、心当たりのある方々はご申請いただければありがたいと思います。
 なお、事業所の方々も是非ともご協力いただいて、自分のところの会社でそういう方々がおられれば、周知をいただければありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

質疑

記者:
現在の医療提供体制の課題をどのように捉えて、今回このような対策を打つことにしたのか、地域性も含めてお願いします。また、最終フェーズを超えてくる可能性のある都道府県は何県くらい、例えばどこと想定している県があればお願いします。
大臣:
まず最終フェーズを超えてくるかどうかは、これからの感染状況次第でございますので、それに関して今私がここで申し上げるということにはならないということです。最終フェーズというのは、ステージ3とかステージ4の話ですか。
記者:
確保している病床というものがあると思いますが、それを超えてくるから知事が申請すると思います。
大臣:
もちろん超えてくる、超えてこないというフェーズのみならず、現状確保している中においても、確保できると言いながらすぐには難しいという部分もあると思いますから、そういうところも含めて早く、よく即応病床というような言い方を東京はされていますかね、そこから確保病床の数字が元々あるので、そこに早くフェーズが上がるように、そういう意味を込めて今回の先ほど申し上げた1,500万円、450万円という話をさせていただいているわけであります。
 フェーズを超えそうなところというのを申し上げて良いのかわかりませんが、15都道府県あるというような認識です。これはこれからの感染状況によっては収まっていくこともあると思います。
 いずれにいたしましても、今回のことに関しては、やはり知事さんが自分のところの地域をどう認識しているかということが、まず第一だと思います。その上で、今どういう課題があるかということから申し上げれば、当然、確保病床というものをしっかりと確保していただかなければいけない地域がまずあります。この最大確保病床をまず確保していただく。
 これを超える場合も当然想定しないわけにはいきませんので、そういうような場合には当然今までお約束をしていただいていないところが新たに手を挙げていただかなければならない、もしくはその準備に入っていただくことも想定しなければなりませんので、そういうエリアに関しては、今回の施策を使っていただいて、民間病院や公的病院もあるかと思いますが、更に病床を増やしていただく等の対応をいただきたいということ。
 そのときに、やはり本当にお力をお貸しいただくためには、マンパワー、つまり医師、看護師の方々も含め医療職の皆さま方のご理解、ご協力をいただかなければなりません。
 そういう意味で、大変なご負担がかかる中において、せめて医療機関にとって新型コロナウイルス感染症の患者の方々を受け入れても十分に医療、病院の運営ができるというようなことをご安心いただかなければなりませんので、今般のような措置を我々としては採るということです。
 ですので、それぞれの地域がどれくらい確保するかというのは、それぞれの感染状況等を予想していただいて、各知事さんが判断いただくという話になってくると思います。
記者:
今回の病床確保のお金はワンショットだと思いますが、コロナについては今後更に第四波、第五波と来る可能性があると思います。更に次の波が来たときに、追加の同様のお金を払うことは想定されているのでしょうか。最低1,500万円という額はどのような考え方で決められたのでしょうか。
大臣:
まず今年度ということでございますから、この1,500万円、1月、2月、3月を想定した上で計算をさせていただいて、それで今回このような形でお示しさせていただきました。今年度という話でありますから、3月まで、1月、2月、3月を前提に考えています。
 それ以降に関しては、当然、感染拡大状況、病床の逼迫状況等を勘案しながら、どうしていくかということはその後考えていかなければならないと思っています。
記者:
年末年始の診療の検査体制についてお伺いします。この年末年始は体制が薄くなると指摘されていますが、今現在この年末年始の検査だとか診療の体制は十分に確保されているかどうか、そのあたり大臣の認識いかがでしょうか。
大臣:
それぞれ都道府県で、年末年始しっかりと広報できる窓口をお作りいただいております。47都道府県それぞれ窓口をお作りいただく予定もしくはお作りいただいている中において、当然そこがそれぞれ診療・検査医療機関等をそこからお知らせいただかなければならないわけで、それもほぼ多くの都道府県がすでに準備をしていただいております。
 いくつかまだ準備中といいますか検討中といいますか、完全にはまだ発表していないところがありますので、そういうところに関してはこれから8自治体が調整中でございますので、47都道府県中39が既にお示しをいただいているということでありますので、この8つに関しては調整中いただいているということであります。
 その相談窓口においてしっかりとお知らせをいただいて、もし発熱等あれば最寄りの医療機関に行っていただくという形を我々としてはお願いしているということであります。
記者:
医療機関への緊急支援の対象医療機関ですが、その医療機関が確保病床の病床使用率が25%以上であること、これはいわゆる分科会で言えばステージ3のところの地域だと思うのですが、これとステージ判断を知事が示さないということが最近ずっとありましたけれども、これとステージ判断というのはバーターというか。
大臣:
そういう話でなくて、一つの基準でお示しをしております。ですから、これは一つの基準で、概形的に見てこういう状況ならば、それは当然該当するという話でありますから、急激に伸びてきているところもあると思います。
 早く確保しなければならないという状況があれば都道府県知事さんの判断で、このステージに達していない場合でも、手を挙げていただくということは有り得ると思っております。
記者:
ということはステージ判断をしなければ届けられないという意味ではないんですね。
大臣:
という意味ではありません。これは概形的にこういうものにあたっている都道府県に関しては既にこれは対象ですよというような話でありまして、もちろん知事さんに言っていただかなければそれは対象にはなりませんけれども、それイコール、どのステージですというつもりはありません。
 あくまでもこれは、病床の逼迫度合いを見るための一つの基準だとご理解いただければありがたいと思います。これに達していなくても急激に伸びていれば知事さんのご判断ということは有り得ると思います。

(了)