日時 令和2年12月25日(金曜日)10時51分~11時3分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 吉川元大臣を巡る報道について
  • 国家戦略特区諮問会議について
  • TPP11及び日米貿易協定発効による農産物輸入への影響等について
  • 野菜の価格について
  • 今年の漢字について

 

記者

  先ほど、吉川元農水大臣が鶏卵業者からの現金提供の疑いがあるということで、特捜部が関係先に家宅捜索に入りました。現農水大臣としての受け止めと、それから、農林水産大臣としての在任中のことですので、今後、農水省との関係性も焦点になってくると思いますが、今後の農水省としての対応をお願いします。

大臣

  まず、家宅捜索の件でありますが、そのような報道があったことは承知をいたしておりますが、詳細は承知をしておらず、捜査機関の活動内容に関わることでもありますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに考えております。

記者

  農水省としての今後の対応についてはいかがですか。

大臣

  吉川元農水大臣がですね、議員辞職をされて、そして家宅捜索があったという報道があった訳でありますが、そのような報道があったことは承知しておりますが、詳細は承知しておらず、政治家自らの御判断によるものでありますので、私からコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、政治家は常日頃から自らの行動について、説明責任を果たすべきものと考えております。

記者

  同じ件で、吉川大臣の件なんですけれども、農水省として改めて何か調べるですとか、そういった対応する予定はありますでしょうか。

大臣

  御指摘の事案についてですね、政策判断につきましては、いずれも妥当なものであったと考えており、報道等を基に現段階で調査を行うということは考えておりませんが、捜査活動に関する協力要請があれば適切に対応してまいりたいというふうに思いますし、また、農林水産行政について、国民に疑念が持たれることがないようにですね、状況に応じて対応してまいりたいと考えております。

記者

  先日の国家戦略特区諮問会議でですね、兵庫県の養父市で認められている一般企業の農地取得の特例措置について、これを延長するかどうかという議論の中で、最終的に総理が判断を預かるというような結論となったかと思います。これについて、その後大臣の方でどのように調整しておられるか、お聞かせください。

大臣

  先般21日にですね、国家戦略特区諮問会議が開催されまして、国家戦略特区の区域計画の認定ですとか、追加の規制改革事項等について議論がなされました。この中で、養父市におきましては、活用されている企業の農地取得特例について、総理よりですね、「私の下で一旦お預かりをさせていただいて対応する」旨の御発言があったところでありまして、これを踏まえて、今、まさに今後の対応につきまして、現在政府内で調整をしているところであります。

記者

  それに関連しまして、養父市でのですね、特例措置ですけども、来年8月末が期限となっているということで、農水省として、この延長についてはどうお考えなのか、また、全国展開についてはですね、どうお考えなのか、それぞれ教えてください。

大臣

  先般21日の諮問会議におきまして、私からですね、現在、特区の特例を活用している法人の他にも、本特例措置が活用される可能性があるという話も伺っており、その受け皿として、特例措置の期限を延長することが必要と考えていると申し上げたところであります。その後の対応につきましては、今、まさに政府内で調整しているところであります。

記者

  全国展開については農水省としてはどういうふうに思われてるんでしょうか。

大臣

  諮問会議の中では、今申し上げたとおり、私からは、特例措置の期限の延長をすることが必要であると申し上げたということです。

記者

  もう1点、最後に、諮問会議の民間議員の方々がですね、出した提言の中で、農水省が、これ規制改革推進会議でのヒアリングですけれども、そこでは、農業委員会の特例に関してですね、事実と異なる説明を行っていると、そういう指摘をされてたんですけれども、これについての受け止めをお願いします。

大臣

  まず、農業委員会の事務特例等についてですね、そのような指摘があったところでありますが、農水省から、11月30日の規制改革推進会議ワーキンググループにおきまして、平成26年から27年にかけて、3市において特例が適用されているということ、それから、平成28年の改正農業委員会法の施行後は特例適用は行われていないということを資料に記載をしてですね、説明をしております。また、養父市で活用されている企業の農地取得特例につきましては、これは6社が所有している農地は経営面積の約6.7%で、残りはリース方式であるということ。それから6社のうち1社は、平成31年3月から休業しており、その農地は農業利用されていないという事実を説明しているところであります。これにつきまして、農水省から、事実と異なる説明を行ったという指摘はですね、全く当たらないと考えております。

記者

  この年末年始で、TPPの発効から2年で、日米貿易協定の発効から1年になります。ここ1年は、米国産の牛肉の輸入が増えるなど、農産物の輸入に変化も出ていますけども、この両協定発効による農産物の輸入への影響をどのように見ているかということと、品目によっては、今後、さらに輸入の関税率が段階的に下がっていくということになるんですけども、この将来的な国内農業への影響をどのように見られているかということをお願いします。

大臣

  TPP11ですとか、日米貿易協定の発効後ですね、牛肉や豚肉、チーズなど、一部の国・地域からの輸入量が増加している品目はあるものの、他の地域からの輸入量の減少もありまして、概ね世界からの輸入量はですね、大きな変化はないものと把握をしております。さらに、国内価格につきましては、災害や天候不順、あるいは新型コロナウイルス等による影響はあるものの、協定発効によって大きく下落する品目が見られず、国内生産への影響があるとは考えておりませんが、引き続き、発効後の動向を注視してまいりたいと考えております。段階的な関税削減による影響につきましては、生産コストの低減・品質向上や、経営安定対策などの国内対策によりまして、引き続き、生産や農家所得が確保されるものと見込んでおります。引き続き、万全の措置を講ずることで、生産基盤を強化して、国内生産量の維持・拡大を図ってまいりたいと考えております。

記者

  野菜の価格についてお尋ねしたいんですが、農水省が毎週出されている小売価格動向調査とかでもですね、レタスがほぼ平年の半値になってるとかですね、全体として葉物野菜を中心に安値で推移しているかと思うんですけれども、足元の価格動向の受け止めとですね、あとは生産者に与える影響とかですね、あとは当面、目先の価格の見通しなどお聞かせいただけますでしょうか。

大臣

  御指摘のとおり、野菜につきましては、新型コロナウイルスの影響によりまして、飲食店等の業務用の需要が減少している中でですね、今年は、秋はですね、気候が非常に良好だったものですから、台風の被害もないということもあって、全国的に野菜の生育が良好でですね、卸売市場への出荷量も増加をして、白菜やキャベツ等々、葉物野菜を中心に、11月頃から価格の大幅な下落が続いているというところであります。このため、需要に対して供給過剰となった一部品目、これは大根と白菜でありますが、この産地につきましては、緊急需給調整事業を活用しまして、出荷の後送り等によってですね、出荷量の抑制に今、努めているところであります。この事業の効果に加えまして、12月中旬頃からは、寒波によってですね、気温が低下をして、野菜の生育が穏やかになっていること、また、例年どおり年末年始に備えた需要の増加が見られたということから、野菜の価格は平年に比べてかなり安いものの、大幅な安値からは回復傾向にある状況であります。今後、年始にかけてですね、穏やかな価格の回復が続く見通しでありますが、白菜やキャベツ、レタスなどについてはですね、消費者の皆様にとっては、まだまだお買い得でありますので、この機を逃さずにですね、鍋等でたっぷり野菜を食べていただくなど、積極的に野菜を食卓に添えていただきますよう、お願いを申し上げたいと思っております。

記者

  これまでの質問とは少し方向性が変わってしまうんですけども、大臣、今年就任されて以降、高病原性鳥インフルエンザの感染拡大であったり、米の需給の問題、輸出拡大の実行戦略等々、いろいろな出来事があったかと思いますが、今年を振り返ってみての大臣の御感想を漢字一字で表現すると、どういう年だったでしょうか。

大臣

  漢字一字ですか。私としては漢字の「一」と申し上げておるんですが、やはり、農林水産大臣に就任をさせていただいてですね、やはりこの一次産業である農林水産業等の課題について全身全霊で当たってまいりたいという思いで、さらには、やはり「一」というのは原点ということでありますので、原点に戻ってですね、取り組んでまいりたいと、こういう思いで、漢字の「一」ということを挙げさせていただいております。

報道官

  他によろしいでしょうか。では、以上で終了します。ありがとうございました。

大臣

  今年一年、大変お世話になりました。ありがとうございました。

以上