厚生労働省は、このたび、令和元年度の「石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況」の確定値を取りまとめましたので、公表します(速報値は今年6月24日に公表済み)。

 石綿による疾病※1で、療養や休業を必要とする労働者や死亡した労働者のご遺族は、疾病発症が仕事によるものと認められた場合、「労働者災害補償保険法」に基づく給付の対象となります。
 令和元年度分の「労災保険給付」の請求件数は1,204件(石綿肺を除く)、支給決定件数は1,093件(同)で、請求件数・支給決定件数ともに、昨年度と比べると、やや増加しました。

 また、石綿による疾病で死亡した労働者のご遺族で、時効(5年)によって労災保険の遺族補償給付を受ける権利が消滅した人については、「石綿による健康被害の救済に関する法律」に基づき、疾病発症が仕事によるものと認められた場合、「特別遺族給付金」が支給される仕組みとなっています。
 令和元年度分の「特別遺族給付金」の請求件数は43件(前年度比5件増、13.2%増)で、支給決定件数は23件(前年度比8件減、25.8%減)でした。

 なお、令和元年度までに労災保険給付などに関する支給決定を受けた労働者の死亡年別の統計資料(資料1~5)も取りまとめましたので、併せて公表します。資料4と5は船員保険関係のものです。
 

1 労災保険給付の請求・支給決定状況 【別添表1、表1-2、表2、表5、図1、図3-1】
 (1)肺がん、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚※2

    請求件数   1,204件 (前年度比 35件増、3.0%増)
    支給決定件数    1,093件 (    同    96件増、9.6%増)

 (2)石綿肺 ((1)の件数には含まれない)※3、4

    支給決定件数   52件 (    同    8件減、13.3%減)

2 特別遺族給付金の請求・支給決定状況※5 【別添表3、表4、表5、図2、図3-2】

    請求件数   43件 (前年度比 5件増、13.2%増)
    支給決定件数   23件 (    同  8件減、25.8%減)

    
※1 肺がん、中皮腫、石綿肺、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚。
※2 速報値と比較して、請求件数の合計は2件減少。支給決定件数の合計は3件増加。
※3「石綿肺」は、じん肺の一種であり、じん肺として労災認定された事案のうち、石綿肺と判断したものを抽出
  し、別途集計している。
※4 速報値と比較して、支給決定件数の合計は変動なし。
※5 速報値と比較して、特別遺族給付金の請求件数は1件増加。支給決定件数の合計は1件増加。

別添 表1~5、図1~3-2、資料1~5(PDF:2,796KB)