• 議事録(PDF形式はこちらから)

日時

2020年11月20日(金)10:00~11:11

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)山本委員長、生駒委員、大石委員、木村委員、清水委員
    (テレビ会議)受田委員、片山委員長代理、新川委員
  • 【説明者】
    消費者庁吉田参事官(調査・物価等担当)
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者基本計画の検証・評価・監視(消費者志向経営)
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

  • 議事次第(PDF形式:174KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料1】 第4回消費者志向経営の推進に関する有識者検討会
    表紙から16ページまで(PDF形式:866KB))PDFを別ウィンドウで開きます
    17ページから42ページまで(PDF形式:700KB)PDFを別ウィンドウで開きます

《1.開会》

○山本委員長 皆様、本日はお忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、消費者委員会第331回本会議を開催いたします。

本日は、生駒委員、大石委員、木村委員、清水委員がこの場に御出席、受田委員、片山委員長代理、新川委員がテレビ会議システムにて御出席です。

柄澤委員、丸山委員が御欠席です。

まず、会議に先立ちまして、本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、3密を回避しながら、消費者委員会会議室及びテレビ会議システムにより会議を進行いたします。

また、感染拡大防止の観点から、引き続き一般傍聴者は入れず、報道関係者のみ傍聴していただいて、開催いたします。

議事録につきましては、後日、消費者委員会のホームページに掲載いたしますが、議事録が掲載されるまでは、本日の会議の様子を11月24日火曜日15時頃より、ホームページで動画配信いたします。

それでは、会議の進め方及び配付資料の確認につきまして、事務局よりお願いいたします。

○太田参事官 事務局でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

資料につきましては、議事次第に資料1とございますけれども、そちらに記載のとおりでございます。もしお手元の資料に不足などがございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願い申し上げます。

以上でございます。


《2.消費者基本計画の検証・評価・監視(消費者志向経営)》

○山本委員長 本日の議題は、消費者基本計画の検証・評価・監視に関連して、消費者志向経営の取組についてです。

消費者庁は事業者団体、消費者団体と連携し、事業者が消費者を重視した事業活動、すなわち消費者志向経営の推進に取り組んでおられます。

消費者志向経営は、事業者が持続可能で望ましい社会の構築に向けて、自らの社会的責任を自覚して事業活動を行うことを柱の一つとして位置付けており、国際的に取り組まれている持続可能な開発目標SDGsとも関連深いものです。

消費者庁では、消費者志向経営の推進活動については、旧消費者基本計画工程表に基づき、平成28年度から5年間の進捗状況を踏まえ、その後の推進の在り方について、令和3年度に見直しを行うこととされております。このため、消費者庁では、本年5月から消費者志向経営の推進に関する有識者検討会を開催し、本年8月に中間報告があったと承知しております。そこで本日は、消費者庁から、令和3年度の見直しに向けた取組状況を御報告いただきます。

本日は、御説明者といたしまして、消費者庁参事官室吉田参事官(調査・物価等担当)にお越しをいただいております。

お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

それでは、20分程度で説明をお願いいたします。

○消費者庁吉田参事官(調査・物価等担当) 山本委員長ありがとうございます。消費者庁(調査・物価担当)参事官の吉田と申します。本日はよろしくお願いいたします。

今、委員長から御紹介がありましたけれども、消費者志向経営の取組につきまして平成28年から始めておりまして、令和3年に見直すということになっておりまして、その見直しに向けまして、この5月からこの有識者委員会を開催しまして、有識者の皆様に御検討をいただいていたというところでございまして、本日、資料1としましてお配りさせていただいていますのが、8月にこの有識者検討会で取りまとめました中間報告書の資料になります。本日はこの資料に沿って、消費者基本計画をこの3月に取りまとめて以降の活動と今後の見直しの方向性について、御説明さしあげたいと思います。

それでは、資料の3ページ目、まず、有識者検討会の概要と書かれているページから御説明させていただきます。こちらは経緯でございますけれども、今申し上げましたように、もともと第3期の消費者基本計画、平成27年に取りまとめた工程表に基づきまして、平成28年からこの消費者志向経営の取組を進めておりまして、その際、令和3年度に5年間ほどやってみたところで見直しを行うということになっておりました。それで有識者検討会を始めたところでございます。

下に検討事項とございますけれども、まず、令和2年度の検討事項、今年は毎年やっています優良事例表彰の客観的な評価軸の形ということで、まず方向性をその形で取りまとめまして、今年、この優良事例表彰というのをやってみようと、後ほどこれについては詳しく説明しますけれども、この優良事例表彰をやってみて、その成果を踏まえまして、また令和3年度にこの有識者検討会で検討を続けまして、結論を得ていくというようなことで進めてまいるということになっております。

4枚目、有識者検討会のメンバーでございますけれども、有識者検討会の委員の先生方はそちらにおられますように、一橋大学の名和先生をはじめ7名の方に入っていただきまして、右側に事務局、オブザーバーとございまして、ここのオブザーバーに推進組織メンバーとございます。これはこれまで消費者志向経営の取組を推進する上で、消費者庁、行政だけでなく、消費者団体、あるいは事業者団体と併せて推進組織というものを作って進めておりまして、この検討会にもオブザーバーという形ですけれども、消費者団体、事業者団体にこういう形で入っていただいているというところでございます。

続いて、次の5ページ目でございますけれども、これはここまでの検討の経緯で、今年の5月22日に第1回目、第4回目を8月に行いまして、この8月までで一応中間報告ということで取りまとめたという検討の経緯でございます。

続きまして、6ページ目でございますけれども、こちらは第3期、平成27年度の消費者基本計画に基づいて、これまでやってきた消費者志向経営の概念でございます。

従来の取組としましては、ここにありますように目標としまして、まず消費者を重視した事業活動を更に行われることによって、相乗効果によって消費者と事業者による健全な市場の実現を期待するということを目標に、ここの定義にありますようなこと。あるいは活動として6本の柱の取組とございます。経営のトップマネジメント。コーポレートガバナンスの確保。従業員の積極的な活動。消費者関連部門だけでなく、事業関連部門や品質保証部門、全社的に取り組む。消費者への情報提供、双方向の情報交換。消費者や社会の要望を踏まえた改善・開発というような、こういう6本の柱の取組をこれまでやってきたということです。

考え方としましては、やはり消費者の権利の擁護というようなことが根底にあったものかと考えております。こういったことでやってきまして、5年後に見直しを行うということになっていたというものでございます。

続きまして、7ページ目でございますけれども、これまでの活動の柱の一つが、事業者の皆様に自分たちの消費者志向経営の取組について自主宣言をいただいて、それを世に広めて周知するということを行ってまいりましたけれども、これは今回の消費者基本計画の工程表のKPIもなってございます。現在のKPIの状況でございますけれども、ここにございますリスト、これが今年の9月末現在で161社ということになっております。こちらを工程表の目標として増やしていくようなことで取り組んでいるところでございます。

続きまして、8ページ目が、消費者志向経営を見直すということで、現在どのような課題があるかということを、昨年、私どもで事業者に、それを把握するためのアンケートを行った結果でございます。ここの右側にございますように、事業者から出てきました課題、あるいは期待することとしましては、一つが参加事業者の拡大、あるいは認知度の向上。2番目としまして、消費者志向経営の参加のインセンティブが必要ということ。3番目としましては、事務負担の軽減もしてほしいというようなことが課題として、アンケートの結果、出てきたところでございます。

あと、この資料にはございませんけれども、消費者志向経営の宣言をいただいた企業、あるいは宣言をいただいてない企業からそれぞれ理由をこのアンケートで伺っておりますけれども、簡単にだけ御紹介します。

宣言した事業者では、その理由として挙げられているのが多いのが、企業経営にとってこれは当たり前のことであるというような回答。それから、やはり従業員が消費者視点に立つことができる、そのきっかけになるというような回答。それから、企業の成長力向上、あるいは企業の社会的責任を果たすために必要というような回答が多かったところでございます。

一方で、宣言を行っていない企業において、どういう理由が多かったかと言うと、一つは資料作成に人とか時間とかをちょっと割けないというようなこと。あと、社内調整がなかなか困難であるというような回答があったところでございます。

以上、アンケートの結果でございます。

9ページ目から先しばらくは、この中間報告取りまとめに当たっての現状認識のような説明の部分ですので、ちょっと本日の説明とは関係ないかと思いますので、若干飛んでいただいて、15ページ目だけ一言だけ申し上げますと、社会の動向があって見直すということでございますけれども、特に今回見直しに大きな影響のある話としまして、SDGsが承認されたことが象徴ですけれども、持続的な社会の構築に向けた意識というものが社会的に極めて近年高まってきているということがあり、消費者行政の分野においても、持続的な社会にどう貢献していくかということが課題となっているかと思いますので、消費者志向経営の見直しに当たっても、この観点が極めて重要であったということで、ちょっとこれだけ御紹介させていただきました。

ちょっと飛んでいただいて、17枚目に行っていただきたいのですけれども、令和2年度、優良事例表彰における消費者志向経営の概念というスライドでございます。これが先ほど申し上げた有識者検討会で、今後目指す方向性として、今年の優良事例表彰をまずこれでやってみようということで、概念をおまとめいただいたものでございます。

そこにありますように、目標としましては、持続可能な社会に貢献するということを消費者志向経営の目標ということで、定義としましてはそこにありますように、消費者と共創・協働して社会価値を向上させる経営ということで定義しております。

かつ具体的な活動としましては、下の3つにある「みんなの声を聴き、かついかすこと」「未来・次世代のために取り組むこと」「法令の遵守/コーポレートガバナンスの強化をすること」というような柱を立てて、その活動を進めていくということにしたところでございます。

18ページ目は従来の消費者志向経営との違いでございますが、従来の消費者志向経営、左下にまとまった形になっていますけれども、消費者との関係で言うと、やはり消費者保護に若干寄っている。あるいは事業者の視点で言いますと、リスクの低減というような考えが強かったかと思うのですけれども、今後、右上に矢印が伸びて、持続可能社会への貢献というように伸びていく中で、消費者との関係は、消費者と協働していくという色をより強めていく。また、事業の関係で言いますと、リスクを低減するためというよりも、事業の機会を創出するためというようなことで進めていく。そういう方向性でやってきたというのが、これまでとの違いということになろうかと思います。

続きまして、19ページ目でございますけれども、今申し上げた3つの活動に基づいて、今年の優良事例表彰について行っていくということで、優良事例表彰については最後に簡単に触れますけれども、毎年一遍、大臣、あるいは長官から大体大臣賞1社、長官賞3社ということで、4企業ぐらいを毎年優良事例で表彰しているというものでございます。その中で今年やっていくのは、この新しい方向性でやっていこうということでございまして、19ページ目はこの考え方でやっていくということです。

次に、20ページ目でございますけれども、この3つの活動というのを実際にここにございます8つぐらいの評価の軸ということで具体化しまして、これを基に今回御応募いただいて、その優劣を審査するというようなことでやっていくというものでございます。

この具体的な8つの軸については、いわばこの消費者志向経営、こういうことをやっていっていただきたいということをある程度、方向性を具現化したものということかと考えております。

今年、これで優良事例表彰をやってみまして、実際にどういう応募が来て、どういう議論が可能かということをやってみまして、来年度、見直し検討にその成果を生かしていく。

また、事業者におかれても、この軸をどれだけ満たしていくかというのを応募に当たって考えることになりますので、事業者の意識の強化、意識づけということにもなろうかとは思います。

次のページに、評価の軸の概念図ということで作っておりますけれども、簡単にだけ説明しますと、一番下の緑色のところは法令の遵守・コーポレートガバナンスというのは全体を支える基盤ということで、一番下に支えるものとしてあります。消費者と事業者は双方向コミュニケーションで結ばれるということです。

また、事業者の側にコミットメント・現場力とありますけれども、事業者では、トップがコミットメントする、あるいは現場の人が現場力を発揮するというようなこと。

あるいは消費者に消費者認識とございますけれども、消費者のことを、どんどん変化していきますけれども、ちゃんとこれを理解し把握する、それで巻き込んでいくということが必要。

それから、真ん中辺に独自性・革新性、あるいは外部と連携して進めていくということで、事業者の上の辺りにオレンジで事業の継続性とございますけれども、これは余ったお金でやるというのではなくて、本業として本来のビジネスの中でこれをやっていくということ。

それから、消費者の上のところに消費者の行動変容とありますけれども、ちゃんとそれで提供するものを消費者に買ってもらって使ってもらって、ちゃんと消費者を巻き込んでやっていくということで、社会価値を創出していくということ。この社会価値というのが、つまりこの持続可能な社会に貢献する何かの価値を生み出していく。そういうことが消費者志向経営の今後の在り方ということでどうかということで、やっていこうということでございます。

次の22ページ目以降は、先ほど申し上げた優良事例表彰の審査に関する具体的な資料になりますので、大分飛んで恐縮なのですけれども、35ページ目まで一気に行っていただければと思うのです。

35ページ目は、優良事例表彰の今年行います概要でございます。従来の表彰を左上に書いてございますけれども、先ほど申し上げましたが、大体毎年年末ぐらいに大臣賞1社、長官賞3社選びまして、翌年に表彰式を行うというようなことで、これまでやってきたのですけれども、今年度は優良事例表彰をきっかけに参加する企業を増やしたい、これをきっかけに裾野を広げたいということで、大臣賞1社は一緒なのですけれども、長官賞に特別枠というカテゴリーを設けています。

これは先ほど申し上げた自主宣言をいただいている企業だけ応募資格があったのですけれども、今年はこの特別枠ということで、今の時点ではまだ自主宣言を行っていなくても、今後自主宣言をいただくというお約束いただいた上で、これに応募できるというようなことにしております。

そういったことで、これまでなかなか難しかった中小企業ですとか、あるいはあまり参入してこなかった業種の企業にもどんどん広げていきたいというようなことで、今年は事業者の説明会をコロナの中なのでオンラインということになりましたけれども、かなり積極的にやらせていただきまして、数はなかなか具体的なことを申し上げにくいのですけれども、従来よりもかなり手広くオンラインで説明させていただいています。これは工程表のKPIにもなっているかと思います。

数は申し上げられないということなのですけれども、同じく工程表のKPIにもなっております応募企業数も例年の3倍以上ぐらいはいただいておりまして、ただ、今はまだ優良事例の審査中でございまして、今年度の事例の表彰は今審査しておりまして、年末ぐらいに決定しまして、来年に表彰ということで、審査の過程で恐縮なのですけれども、何社来ております、どうなっていますということの説明は差し控えさせていただければということで、具体の数はこの場では差し控えさせていただきます。

今回、そういうわけで従来より3倍応募いただくような形で、大分関心の掘り起こしはできたのではないかというように私どもも考えておりまして、特にこの特別枠で、今まで自主宣言もいただいてなかった企業に御参加いただいたということは、今後、実際にいただくというお約束をいただいたということでもありますので、最初に申し上げた自主宣言社数を増加させるという目標、KPIについても、ここはある程度見込みが確保できたのではないかと考えております。

次のページがスケジュールでございますけれども、先ほど申し上げたように、現在11月時点では、選考の正に真最中でございまして、内容についてのお話は差し替えさせていただきます。もともとこの中間報告が8月末にはまとまりまして、そこから準備をして、今応募を選考している段階で、年明け2月か3月ぐらいにこの表彰をさせていただくというようなことで進めたいと考えています。

この先の資料は各論に関する話ですので、資料に関する説明は以上でございます。ちょっと時間を超えているのは恐縮ですけれども、少しだけ補足させていただきます。

御関心事項としていただいておりますことかと思うのですけれども、取組の可視化についてどのように取り組んでいるかということですけれども、先ほど申し上げた自主宣言を推進組織と一緒にこのウェブサイトで公表しているということ。それから、優良事例表彰についても、アーカイブ動画をウェブサイトで見られるようになっているということで、こういう形で消費者の皆にも公表し、周知しているということでございまして、この活動の周知というのが、特に社会への周知、あるいは消費者への周知で、この認識を向上するというのが極めて重要であると私どもは認識しています。

ですので、自主宣言、あるいは優良事例の表彰といったことのウェブでの紹介、あるいは優良事例表彰は昨年で申し上げますと、日経フォーラムと共同ということで、大々的に取り上げていただくようなことでプレーアップさせていただいたのと、あと、これ以外にも機会を捉えて、例えば経産省のメールマガジンみたいなものも活用して、連携して周知をさせていただいているというようなこともやっておりますし、また、今後もちょっと機会を捉えて周知をしていきたいと考えています。

あと、今、社会に認めていただくということの重要性で、もう1点だけ補足させていただきますと、当然、消費者がこれを認知して判断の基準になっていくというのは、一つ目標ですけれども、もう一つの目標としまして、社会的に事業者のメリットにこれがなっていくということが必要だと思っていまして。そのためには社会でこの活動が認知され、これがなければ、例えばESG投資みたいなものかと思うのですけれども、ESG投資のように、こういうことやっている企業に資金の獲得の面で多少有利なことがあったり、あるいはそういう企業が優遇されるような、社会に認められるような、そういうような価値観が普及していけば良いかなということで考えているところでございます。

ちょっと時間をオーバーしてしまいましたけれども、私からの説明は以上でございます。ありがとうございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、御質問・御意見のある方はお願いいたします。

それでは、生駒委員、お願いします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

私も日本エシカル推進協議会という活動の副会長をやっているものですから、一昨日も気候非常事態ネットワークを設立いたしまして、世の中がコロナ禍を経て、SDGsですとか、サステナビリティ、エシカルというものが本当に時代のど真ん中に来て、それを達成しないと私たちの地球がもたないという切実な状況がある中で、企業に対して、こうした働きかけされるというのはすばらしいことだと思います。企業にSDGsを反映した経営を促す、事業者の意識づけという意味ではすばらしい活動だと思います。御説明を聞いてそう思いました。

ただ、ちょっと一つ二つ御質問と希望があるのですけれども、よろしいでしょうか。

一方で、エシカルに私ももう十数年関わってきていて、こういう評価システムの中で起こり得ることが、エシカルウォッシュですとか、グリーンウォッシュという御自分たちの都合の悪いガバナンスを隠すために、表面上良いことを言ってしまうということが、過去に幾例かございます。

そのために、ちょっとお聞きしたいことなのですけれども、自主宣言ということで応募が来るわけですよね。そこから落とされる企業というのが何割ぐらいあるのかということ。それから、更に表彰される場合にも、やはり選定の基準というものをどのように設けていらっしゃるのか。

これは企業を奨励していく意味ですばらしいシステムだと思いつつ、一方で、欧米ですと、例えばランキングをつけていくとか、毎年そのランキングを登るために企業がもっともっと努力するとか、割と欧米的なやり方かもしれなくて、日本の企業にあまり体質的に合わないのかもしれませんけれども、例えば今後そういう御予定が、ランキングなどもやってみようと思われているのかどうか、そういったところをちょっと、自主宣言ということによる我々外から見ると、やや都合の良いことだけが書かれていないかということがございます。もちろん有識者会議で先生方がいらっしゃるので、その辺は全部精査されていると思いますが、その選定基準についてお聞きしたいということが一つ。

それから、先ほど最後におっしゃった、これを例えば一般の消費者がどのように受けとめて、その企業を判断するときの基準にするかどうか、一つデザインの領域ですと、グッドデザインという仕組みがあるのですけれども、それは企業がグッドデザインを取ることで、例えば店頭でGマークを提示することで、お客様から信頼を得るというのがあります。これは私の勝手な考えですが、グッドガバナンス、GGマークではないですけれども、例えばこの消費者志向経営のロゴマークも作ってらっしゃいますけれども、そういうような形で、一般の方にも広く、この企業のものを買うということは、良いことなのだなということが知らしめられるような、そういったことを今後はアクションとして起こされるということを希望いたします。

以上です。

○山本委員長 木村委員、先ほどお手を挙げていましたか。それではお願いします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

私からは7ページになると思うのですけれども、自主宣言リストということで、アップデートされて161社というお話を伺ったのですけれども、以前、説明を伺ったときに、かなり地域の偏りがあったように記憶しているのですけれども、今回、地域の偏りというのはどんな感じなのかというところです。コロナ禍ということで、ネットなどでかなり応募とかをされているということを今お話を聞いていて、地域の偏りなどはいかがなのかということを質問させていただきたいと思います。

あともう一つは、先ほど生駒委員もおっしゃいましたけれども、宣言をしたメリットとかインセンティブのためにマークがあるのですけれども、やはり消費者側から見て、なかなかそれがまだ分からないというところをもう少し、どのような工夫をされていくのかというところをお聞かせいただきたいと思います。

以上です。

○山本委員長 それでは、お願いします。

○消費者庁吉田参事官(調査・物価等担当) ありがとうございます。消費者庁でございます。

生駒委員から御質問がございました、まず自主宣言、表彰の基準でございますけれども、自主宣言は27年度、前回の基本計画から最初に始めた取組ということで、実はこれはかなり間口を広く行っておりまして、自主宣言は基本的には、まずそれぞれの事業者でやっていただく。それを私どもで宣言するなとは言わないのですけれども、この推進組織でホームページに掲載するというところでございますが、推進組織に御提出いただいたものにつきまして、一応その内容が消費者志向経営になっているかという最低限の話はチェックいたします。

あと、事業者が消費者関連の法規で最近処分を受けていないかとか、そもそも反社会的な企業ではないかみたいなのが典型ですけれども、ちょっとどうかと思われる事業者でないかというようなことはチェックさせていただいております。逆に言いますと、そのぐらいの足切り的な基準だけで今のところやっておりまして、まずは広く御参加いただくということを念頭に、自主宣言いただいたものは、相当やっておりますところと、まずはやってみるというレベルのところと内容は様々ございますけれども、内容面でのランクづけとかはせずに、今のところは足切りに引っかからなければ掲載させていただくということで、最初の取組ということでそういう形でやっているところでございます。

一方の表彰でございますけれども、表彰は一定数御応募いただいている中で、昨年度で申し上げれば、大臣賞1社、長官賞3社ということで、極めて逆に狭い門でございますので、事業者が見せかけだけ、応募の紙だけきれいになっているかということではなく、詳細は差し控えますけれども、それなりにこちらとしては拝見させていただいた上で調査させていただいております。

今後の予定ということは、正直に申し上げて今のところまだ白紙と申しますか、まだ160社という段階では間口を広げて、まずは目標でも倍増ということを掲げてございますけれども、まずは間口を広げる段階かと思いますので、将来的にはおっしゃるようなことはあろうかと思いますけれども、現時点では、まだランキングとかそういうことまでは考えていないというところでございます。

それと、生駒先生からも木村委員からもロゴマークのようなことで消費者が判別しやすくするのはどうかということでいただいております。ロゴマークは確かに自主宣言事業者にお使いいただけるようにはしてあるのですけれども、ただ、今申し上げたように、今のところ、まだ自主宣言事業者と私どもで認定してホームページに載せる基準というのは極めて緩くございまして、これを消費者庁認定みたいに何でもかんでも使われるのは、現時点ではちょっとどうかというところが正直ございますので、商品とかに掲示するというのは、今のところはまだ差し控えていただいているという段階でございまして、こちらも将来、私どもの自主宣言の基準というものがまた変われば、将来的な課題としては、そういうことはあろうかと考えています。

あと、木村先生から地域の偏りについて御質問いただいておりまして、いつか分からないのですけれども、前に説明したのは、恐らく四国に偏っているということがあったのかと思います。これは消費者庁の組織としまして、東京の本体の他に徳島に出先機関があるということで、徳島で特に中小企業を中心に、消費者志向経営の事業者を募っている活動をむしろ積極的にやって、四国、徳島・愛媛辺りを中心に事業者に参加いただいていることが多くなっているということで、この構図自体は、正直変わっていないと思います。今後、徳島で参加いただけているという実績がだんだんできてきますので、これをいかに全国で同じようにどう進めていくかというのを今後の課題として考えたいと思っています。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

オンラインで参加されている受田委員と新川委員から御発言の希望がありますので、受田委員、お願いします。

○受田委員 今、木村委員からの御質問にあった点、ちょっと重複するのですけれども、1点と、もう1点、別の件で質問させていただきたいと思います。

自主宣言リストにおいて160社、地域的な偏りがあるという話と、今、話題になっていた四国から私参加しているのですけれども、大体四国は日本全体で見ると常に3パーセントという数字で基準を置いているのですが、160社で3パーセントであれば、大体5社か6社ぐらいが入っておれば平均的だと。それに対して、中小の企業も含め、また大企業も含めて、四国から多くこの宣言をしていただいているということに相当驚きを持って私も拝見しております。

今お答えがあったように、徳島のオフィスの貢献が大きいということは容易に想像がつくのですけれども、このように徳島のオフィスが四国の中小に働きかけをされたということの一番のポイント、どういう努力をされてここまで宣言を上げていただくように働きかけをされたか、これは今後の啓発を含めて重要なポイントだと思いますので、もうちょっと工夫の具体を教えていただきたいのが1点。

もう一つが、先ほどお示しをいただいた資料の21ページにポンチ絵がありまして、その中に赤枠でSDGsと地方創生という言葉が出ています。すなわち、これは全体の中でSDGsやや地方創生に対する文脈は、どれぐらい反映されているかというのは評価の軸において重要であると理解しました。その上で、37ページなのですけれども、ここに例えば特別枠テーマで議論されたふさわしいテーマというのが書いてあるのですけれども、地域活性とかという言葉で幾つか具体的な項目があるのですけれども、とてもこれを地方創生という視点で評価するテーマとしては不十分ではないかと私自身は感じています。地方創生という文脈での評価は、具体的にはどのように検討されているのかという点をお教えいただければと思います。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、新川委員、お願いします。

○新川委員 新川です。本日はありがとうございました。

3点ほどお伺いしたいことがありました。

一つは、今回、ESG投資のようなことが基準の一つになりそうだということで御議論をいただいておりましたけれども、そこに端的に表されるように、こういう表彰制度を通じて、表彰を受けたところがより良い事業活動環境というのを手に入れられるということが、こういう自主宣言にせよ、この表彰制度の意義として大きいのではないかと思っております。

その点で、こういう表彰を受けられたところが、その後どうなったのかといったような表彰制度や、あるいは自主宣言の効果のようなところについてのフォローがどうなっているのかということについて、少し御説明していただきたいというのが1点目です。

2点目は、このコロナということもあって、今の経済について、各方面でいろいろな議論がありますけれども、取り分け世界的にはグリーンリカバリーということが大きなテーマになっています。これまでの事業形態ではなくて、新しいポストコロナ、ウィズコロナの時代の事業の仕方に変えていこうということで言われているわけでありますけれども、このグリーンリカバリーの考え方のようなものというのは、これからの消費者志向経営や、あるいは表彰の制度やその評価の中で、どのように位置付けられたり、あるいは今後検討されていくのかというのがちょっと気になりましたので、2つ目の質問であります。

3つ目の質問は、先ほどの受田委員のお話の中にもありましたけれども、徳島での、取り分け大中小を含めた多様な企業の御参加という成果が上がっておりました。私自身も徳島オフィスの成果の評価に関わったのですけれども、そのときに大きいなと思ったのは、徳島県知事、あるいは県行政も一緒になってこういう事業者の方々の取組というのを進めていくということをされていたというのが印象的でした。国と地方とが連携を押し進めていくこの辺りの観点については、今後どのように考えていったら良いのか。これからの消費者志向経営というのを進めていく上で鍵になるかなと思いながら考えていたのですが、この辺りの考えも是非お伺いできるとありがたいところです。

以上3点です。

○山本委員長 それでは、お願いします。

○消費者庁吉田参事官(調査・物価等担当) ありがとうございます。消費者庁でございます。

順番に、まず受田先生からいただきました徳島のオフィスで、四国で自主宣言をいただいた活動をどうやったかの一番のポイントは何かということでございますけれども、一番のポイントということですと、なかなか正直難しいかなと思うのですけれども、基本的には普通のことと申しますか、例えばセミナーなり説明会なりを頻繁に開いて、そこでまめに説明する。それから、現場に正にオフィスがあることの利点として、御関心のある企業のところに直接足を運んで御説明を申し上げるというようなことを地道に積み重ねていっての成果ということ。

あと1点、新川先生もおっしゃっておられました3点目とも重なりますけれども、徳島のオフィスは実は徳島県庁の中にございまして、極めて徳島県の行政との距離が近い、知事からも物すごくバックアップいただいているということでございまして、県の行政と極めて近い立場で強く連携してやらせていただいているということも、また大きかろうと思います。事業者へのアプローチをするに当たっても、県の行政の方と相談しながら進められるということで、様々な機会もいただけるかと思いますので、そういったことで、現場に正にオフィスがあって、直接足を運んでまた現場の行政と連携しながら進めているということが、この成果につながってきているのかなと考えております。

正にこの四国での成果を他にどう全国展開していくのか、新川先生の3点目の御質問のことになりますけれども、この一つの鍵としましては、やはり地方の行政とちゃんと連携して、強く御協力をいただきながら進めていくような体制をいかに作っていくかということが今後鍵になろうかと思いますので、こちらは鍵であるということは重々承知しているのですけれども、具体的にどう進めていくかというのは今後課題として検討していきたいと考えています。

それから、受田先生から2番目にいただきました御質問で、地方創生についてどういう議論を有識者検討会はしているかということですけれども、先ほどちょっと御紹介があったスライドの37枚目のところというのは、これは何を書いている資料かと申しますと、先ほどちょっと申し上げた今年の優良事例表彰で行います長官賞の特別枠、自主宣言をいただいてなかった企業が応募いただくときの枠では、応募をいただく際にテーマを設けて応募いただくということに実は今年はしております。

その際に、どういうテーマがふさわしいかということを議論した内容が37ページでございますけれども、ここでつまり地域活性化について幾つか項目が挙がっておりますけれども、これはこれまで自主宣言されていなかった事業者、特に中小企業の事業者も含めて御応募いただけるテーマとして、例えばどんなことがあろうかという、いわば例示的なものと捉えていただければと思います。

私どもの消費者志向経営で扱う地方創生の中身がこれだけということでは決してなくて、地方創生という社会価値について実現していくために、どういうことができるかというのが、この消費者志向経営でございまして、その実現すべき地方創生というのは、一般論としては政府で地方創生ということで取り組んでいる内容ということになろうかと思いますけれども、地方創生がいかにあるべきかというそのものについては、恐縮ですけれども、こちらの検討会でもちょっと御検討していないということで、それを実現するために経営の在り方としてどうかというのが私どもの検討課題ということで、先ほど申し上げた概念図のような形でやっていくのがどうかという議論をしているということになります。

それから、新川先生にいただいた御質問のまず1つ目で、優良事例表彰をした企業について、その後の効果ということでございますけれども、正直まだ今年3年目で、過去2年の受賞ということで、何か目に見える成果があるという世界ではないのです。

ただ、過去2年で都合7社受賞している中で、特に注目する話としましては、昨年大臣賞を受賞したのが徳島の広沢自動車という中小企業の自動車学校でございまして、他は全部大企業で効果は簡単に目に見えないのですけれども、こちらの事業者は、正に取組について消費者志向経営ということで表彰に値するものだということも加えて、自社の取組について様々広報・周知いただいておりまして、更にこれをきっかけに熱心に取り組んでいただいているということで、私どもとしても表彰した成果を企業の活動に生かしていただき、そのPRに生かしていただいているということで、一定の成果として使っていただけるのではないかというようには思っています。

あと、新川先生の2つ目の御質問で、グリーンリカバリーの考え方、コロナ禍から戻るときに、このタイミングでどう考えるかということですけれども、ちょっとこれは有識者検討会の議論そのものというよりは、私個人、担当者としての考え方で申し上げると、正にこのコロナ禍において、消費者で言えばエシカル志向も強まりますし、企業においてもそういう発想の転換がある時期だと考えておりますので、これを奇貨として消費者志向経営に弾みをつけるということに生かしていけるのではないかとは考えています。ここに直接位置付けるというものではないかもしれないのですけれども、これは私どもにとって奇貨にできることなのではないかというように考えています。

新川先生の3番目の国と地方の連携についてというのは、先ほど申し上げましたので省略いたします。

私からの回答は以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、オンラインで参加をされている片山委員長代理から御発言の希望がありますので、お願いします。

○片山委員長代理 御説明ありがとうございました。

私から大きく2つのことについて教えていただきたいと思います。

1点は、双方向コミュニケーションについて、資料にいろいろ挙げていただいていますので、その具体的なところを少しお教えいただきたいと思います。

先ほど御説明にありましたけれども、この消費者志向経営を推進していく上では、消費者がそういう企業をどう評価して商品選択に生かせるかというところが大切で、そのためにも消費者及び社会に認知されるということが重要だと思っています。それが消費者志向経営をしている企業のモチベーションにもつながっていくのだろうと思います。その意味でも、消費者志向経営をやっている企業の表彰事例をウェブで公表するというだけではなくて、いろいろ広報もしておられると思いますが、更に広報ということだけではなくて、実際にそうした企業の取組の意義を消費者との間で双方向のコミュニケーションを通して十分理解をしていく、消費者が理解をしていくということも大事ではないかと思っています。

20ページのところに双方向コミュニケーションの説明を書いていただいていて、消費者と共感する関係を構築していること、正にそうだと思うのですが、ここの共感というのは、要するに消費者がその消費者志向を目指している企業と協働して、日常の消費行動のどこをどう変えれば良いか、あるいは企業活動の何をどう変えれば、正に持続可能な社会にお互いに貢献できるのかという、そこのところをしっかり共感する関係が出来上がるということが一番望ましい関係だと思っています。

例えば食品ロスの削減に向けた消費者と事業者の協働というのはすごく分かりやすい事例だと思いますけれども、そういう具体的な取組事例というのを表彰を受けた企業だけではなくて、いろいろな観点から、こういうのが社会価値の向上につながる消費者と事業者の協働の事例ですという形で、より広く情報提供をしていただくことはお考えいただけるでしょうかというのが一つ。現在、そういうことについてはどの程度までなされているでしょうかということをお聞きしたいと思います。

もう一つは、今申し上げたような消費者と事業者が共同していろいろな社会の仕組みだとか、市場ルールを変えたりするというときには、一企業ではなかなか取り組めない。事業者団体全体として消費者志向を目指す取組というのがあっても良いのではないかなと、私などは考えているのですが、それぞれの企業の消費者志向を推進するための事業者団体の取組という以上に、事業者団体そのものが消費者とのコミュニケーションを通じて、消費者志向に直接的に貢献していくという発想は、これまであったのでしょうか。あるいはそういう発想はなかなか難しいのでしょうか。その辺をお聞かせいただければと思います。

長くなってすみませんが、よろしくお願いします。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、清水委員からお願いします。

○清水委員 ありがとうございます。清水です。感想です。

私たち相談員は研修を受けながら相談しているのですが、先日10月21日から22日、徳島県の鳴門に行ってきました。国民生活センターの研修は神奈川県の淵野辺に行くケースが多いのですが、今回、名古屋市消費生活センターから運よく鳴門庁舎で開催の研修に行ってきました。

研修では、自主宣言をされた阿波銀行と徳島合同証券株式会社からの講座を聴いて感動しました。消費者庁が徳島に行き、県と国の連携、事業者との連携ができた本当に良い例を見てきました。特に阿波銀行は従業員の家族にも消費者トラブルの意識が高まったということをおっしゃっていましたし、冊子を利用して消費者教育もされていました。よく私たち相談員が72の法則という金利計算を、若い人にお伝えするのですが、きちんとそういった金利を計算するような内容を盛り込んだ冊子を作っていて、お客様にコミュニケーションしているという点を紹介されていました。

また、徳島合同証券会社の社長は、SDGsが会社を救ったのだと、経営が厳しい中、この視点で経営を見直して生き返って、プラスに営業利益が上がったことも紹介されました。何よりもこのお二方が楽しそうにされていたのです。こういう取組は、トップダウンでやらされ感があるだとか、今回の報告でも書類が大変というような意見がありますが、本当に明るく発言されていました。徳島がこんなにも盛り上がっているのに、徳島の消費者の方はどのように思ってみえるかということは分からなかったのですが、これから広がっていけば良いなと思いました。

私も中部に帰ってきて、先日、東海地区の信用金庫東海地区のコンプライアンスの部長の方35人ぐらいの前で見守り支援をお願いする講座を全相協中部支部長として行いました。そのときにこの2社の成功事例を紹介しました。一番興味を持ったところは地域活性化で、地元でやれたら良いですねということを話したら、私の話が終わった後に、2,3社の信用金庫の担当者から、連携が大切とか、アプリを使って地域通貨を地元でやっているけれども、消費者を巻き込みたいと言われました。このように地道に地元で広げなくてはいけないなと思いました。これからだと思いますので、いろいろお互い連携してやっていきたいと思います。

感想です。ありがとうございます。

○山本委員長 では、大石委員、お願いします。

○大石委員 大石です。御説明ありがとうございました。

私は、この取組は当初から結構関心も持っておりましてNACSとしても関与しておりますので、変化しつつ、良い方向に進んでいると思っております。一つ気になりますのが、今、清水委員からもお話がありましたけれども、業種でいくと、どうしても金融に、これはあいうえお順になっているとそうは見えないのですけれども、銀行、保険、金融の事業所が結構多く、それ以外の業種の割合が少なくなっています。本当に消費者に身近な流通ですとか、そのような業種があまり入っていないというところが前から気になっておりまして、その辺りをどうやって今後開拓していくのかというところが一つ気になっております。

あと、この消費者志向経営の表彰制度を企業の方に御紹介すると、企業として当たり前に行っている内容であるとおっしゃるのです。例えばエコプロ大賞ですとか、省エネ大賞ですとか、それは取組状況を数値で表して、これだけ頑張っていますよということを企業が出せるのだけれども、消費者志向経営の場合には、それを数値化できない。一生懸命自分たちもやっているのだけれど、それをどのような形にして応募すれば良いか、とても難しいというようなことを言われました。ですので、その辺り、やはり応募をもっと増やしていくためには、企業の方が応募したいと思うような、分かりやすいと言いますか、具体的な応募の仕方というのを是非出していただけると良いのかなと思っております、これは感想です。

あと、先ほどからESGの話が出ておりましたが、今回、2050年に「カーボンニュートラル」と総理も宣言されましたが、これは企業と消費者、それから、行政が全員で協働していかないと絶対達成できないと思うのです。この優良事例の場合、企業が直接やられたことで応募されるのですけれども、例えば企業とNGOとのと協働で行ったこととか、企業と行政ですとか、企業と消費者団体という協働で行った事例の応募なども、今後考えられるのかどうかということを、是非お聞かせいただければと思います。

以上です。

○山本委員長 それではお願いいたします。

○消費者庁吉田参事官(調査・物価等担当) ありがとうございます。消費者庁でございます。

まず、片山委員長代理から2点いただきました。消費者との双方向コミュニケーション、消費者にどう直接コミュニケーションを伝えるかということでございますけれども、まず消費者庁が直接場を取り持ってということで申し上げると、正直直接引き合わせるような場を設けることは、申し訳ありませんけれども、ございませんで、消費者様に向けて私どもが説明するということはありますけれども、今のところ、そこまでは手が回っていないというのが実際のところでございます。

ただ、もちろんこれは消費者志向経営、双方向コミュニケーションをする主体は企業でございまして、企業では当然様々、特に最近デジタル技術が発達しておりまして、手段は様々ございますので、そこをいかに消費者の声をちゃんと聞いて、あるいは消費者からの情報発信をいかにちゃんとキャッチして、双方向コミュニケーションを成立させていくか。

更に次の論点にも関係してきますけれども、いかに共感してもらって、協働する関係に持っていくかということが消費者志向経営の極めて重大な肝でございますので、これは先ほど申し上げた優良事例表彰の軸として、正に双方向コミュニケーションとして挙げているのはそういう意味でございまして、ここは私どもとしても大事なので、ここはしっかりその表彰などでも見ますと、これは消費者志向経営の極めて重要な軸の一つであるということで打ち出しております。

広報だけでなく実際の取組をどう紹介するかということで、今のところ優良事例表彰の紹介、事例の表彰にとどまっているのは、正直そういうところでございますけれども、来年度以降、具体的に方向性が定まって、様々な事例について私どもでも紹介するような取組なども検討したいとは考えております。これは具体的な形になりましたら、また来年御報告できればと思っています。

協働を共感していくことともう一つ、事業者団体として取組をどう考えるかということで、実際にいただいている中でも、ちょっとどこだったかは忘れましたけれども1か所、事業者団体として自主宣言を受けて掲載させていただいているところがございます。

これまでの活動で申し上げますと、消費者の声をちゃんと酌んで、それを消費者担当部門だけでなく全社的に広げて、全社として取り組むというような活動、それをバックアップしていくような業界の活動について取り上げていったというところで、消費者志向経営は今後企業として、ちゃんとビジネスとして成り立つ形で消費者を巻き込んで、この持続可能社会に貢献していこうということで定義付けを今考えておりますので、この方向になったときに、事業者団体がビジネスそのものをするわけではないので、事業者団体の取組をどう位置付けるかというのは、正直今の議論ではまだ熟していないところでございます。

来年、そこは新しい方向性の議論が進む中で、事業者団体の位置付け方というのも議論を進めていくということで、今の時点ではそこは何とも申し上げられないということで御理解いただければと思います。

あと、先ほど7ページの自主宣言リストの中の事業者団体で、右側のな行の日本証券業協会、下から2列目右から2番目と、あと一番下の列の一番左、一般社団法人日本即席食品工業協会、この2社が自主宣言を私どもで紹介させていただいている事業者団体になります。

続きまして、清水先生からコメントということでいただきましたけれども、徳島の阿波銀行、徳島合同証券株式会社、楽しそうにやっておられて、地場でやっておられる取組を名古屋で御紹介いただくと極めて良い反応であったということで、正にそういうことで地道に広めていくということが重要だというのは、私どもも同感でございまして、そういう地道に広げるチャネルをどんどん増やしていきたいとは考えております。ありがとうございます。

あと、大石先生から御質問いただいたことで、業種についてですけれども、金融が多いというのは事実でございまして、これまでやはり金融機関、保険会社とかが消費者向けでやっているということで早速自主宣言をいただいているという経緯でございますけれども、今年の優良事例表彰のところで申し上げましたが、ちょっと裾野を広げるという観点で、様々な事業者に今回はかなりアプローチしております。

今回、金融企業中心ということでもなく、かなり広い業種の方から特別枠ということでも御応募いただいておりまして、これは今後1年ぐらいの間に自主宣言ということをお願いしておりますので、今後自主宣言の幅も広がっていき、宣言していただける事業者が出れば、その業界の他の事業者にも影響があるかと思いますので、今回の優良事例表彰をきっかけに広がっていくのではないかと期待しているところでございます。

それから、消費者志向経営は当たり前で、数値化できなくなかなか応募しにくいということでございますけれども、私どもは今回それで、こういうものが消費者志向経営として、私どもとして評価するというものをかなり見える化したつもりでございます。

先ほど8つぐらい考え方の軸ということで申し上げましたけれども、更にそれをどう見ていくかというのを、ちょっと今日は説明を省略しましたけれども、応募に際して埋めていただく応募のフォーマットに設問ということで、こういうことについてはどうやっていますかということをかなり細かく具体化しておりまして、それを見ていただくと、どういうことが求められているのかという私どものメッセージを感じていただけるのではないかと思っておりまして、もちろん今回1回やってみて、企業の反応も確認した上で、また来年度以降、更に応募しやすく、どういうことが求められているのか、どういうことをすれば良いのかというのを分かりやすく打ち出していきたいと思っています。

あと、企業と消費者の協働、特にNGOとかの協働とかの応募についてどうかということですけれども、今でも優良事例の中では外部と連携してという要素はございますので、今でも企業の活動としての応募の対象にはなっているかと思います。ただ、もちろんそれにとどまらないような部分、今拾えていない部分がもしあるようでしたら、そこはまた来年以降、目配せしていきたいとは思っています。

以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

本日は御説明をいただき、また、質問に対し御回答いただきまして、どうもありがとうございます。

本日、18ページで御説明をいただきましたように、消費者志向経営ということで、今後消費者と共創・協働して社会価値を向上させる経営ということを基準に考えていくと。それから、3ページの冒頭のところに、金融との紐付けや、あるいは公益通報者保護の認証制度との連携等も考えていくということを示しておられまして、この点は非常に重要であると思います。

今回、いろいろ御意見をいただきまして、まずやはり間口をもっと広げ、もっと参加する企業を増やしていくことが課題であるということ。これは御説明の中でも問題意識として示していただきましたし、また、この場で各委員からいろいろな御意見があったところです。

それとの関係で、基準を明確にしていくとか、あるいは更にロゴマークのようなものを付けることによって普及を更に進められないかという御意見がございました。この点は間口を広げることとの関係で、確かに難しいところもあろうかと思います。あまり基準を厳しくしてしまうと間口が広がらなくなる、緩やかな基準ですとロゴマークを付けることもできないということだったのですが、他方で、間口を広げるためにそういう取組をすることも有益であると思いますので、その点は更に検討していただきたいと思います。

あと、いろいろな主体との連携ということで、特に地方公共団体との連携と言いますか、地方公共団体のバックアップが非常に重要であり、それから、先ほど地方創生という言葉もございましたけれども、企業による地方への貢献を評価していくことも重要であるという御指摘があったところでして、これも今後、この取組を広げていくためのポイントではないかと思います。

さらに、事業者団体そのものを評価するとか、それは既に例があるということですけれども、それから、いろいろな協働の取組そのものを評価していくことが考えられないかという御指摘もございました。この点も重要な指摘であると思いますので、今後更に取り組んでいただきたいと思います。

消費者委員会といたしましては、本日のヒアリング結果も含めまして、引き続き関係行政機関の対応や取組状況を精査し、必要に応じて調査・審議を行ってまいりたいと思います。基本的な問題意識、あるいは取組の方向性はおおむねここで出た意見と、消費者庁で今取り組んでおられることと一致しているのではないかと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

それでは、お忙しいところ、本日は審議に御協力いただきまして、どうもありがとうございました。

○消費者庁吉田参事官(調査・物価等担当) ありがとうございました。


《3.閉会》

○山本委員長 本日の議題は以上となります。

最後に、事務局より今後の予定について、説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日も御熱心に御審議いただきまして、ありがとうございました。

次回の本会議につきましては、来週11月26日木曜日を予定しております。

なお、委員におかれましては、この会議の閉会後に打合せを行いますので、よろしくお願いいたします。

以上でございます。

○山本委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)