令和2年12月4日

 12月3日から4日まで、第27回欧州安全保障協力機構(OSCE)外相理事会がテレビ会議形式(アルバニアが議長国)で開催され、日本からは宇都隆史外務副大臣がビデオ・メッセージを発出したところ、結果概要は以下のとおりです。

1 会合概要

(1)第27回OSCE外相理事会は、加盟57か国及び「協力のためのパートナー」11か国(日本は「協力のためのアジア・パートナー国」)の代表らが参加しました。
(2)会合の冒頭において、ラマ・アルバニア首相兼欧州・外務大臣から、OSCE地域での緊張と不信感の深まりを指摘しつつ、現在は、増大する危機の中から脱却するための重要な局面にある旨述べました。新型コロナウイルス、ウクライナ、ナゴルノ・カラバフ等の情勢に触れつつ、アルバニアは激動の時代においてOSCEの舵取りをしなければならなかったが、次期議長国であるスウェーデン、その次の議長国であるポーランドの新たな指導部の下で、OSCEが力を取り戻し、前進することを期待する旨述べました。
(3)また、新型コロナウイルスへの対応、ウクライナの領土保全の重要性につき発言する国がありました。

2 宇都副大臣のビデオ・メッセージ

(1)宇都副大臣は、近年、国境を越える脅威が増大する中、安全保障環境についての認識を欧州とアジアで共有する必要があり、OSCEの信頼醸成機能が重要な役割を果たす旨述べました。
(2)また、宇都副大臣は、東シナ海、南シナ海、北朝鮮を含む東アジアの厳しい安全保障環境等を説明するとともに、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた日本の取組について紹介しました。
(3)さらに、宇都副大臣は、OSCE選挙監視要員派遣やOSCE国境管理スタッフカレッジへの財政支援といったOSCEに対する日本の貢献を説明した上で、本年はアジア・パートナーにとって25周年の節目であり、日本はOSCEにとり最初のアジア・パートナーとして引き続き積極的に協力する旨述べました。

[参考]欧州安全保障協力機構(OSCE:the Organization for Security and Co-operation in Europe)
 OSCEは、北米(米・カナダ)から、欧州、中央アジアの57か国が加盟する欧州の安全保障機構。幅広い安保問題の政治的対話を行う場の提供と、個人・社会の生活改善のための共同の行動により、紛争予防、危機管理、紛争後の再建を通じて、加盟国間の相違を橋渡しし、信頼醸成を行う。政治・軍事、経済、環境、人権を含む包括的アプローチにより、各種課題(軍備管理、テロ対策、良い統治、エネルギー安保、人身売買対策、民主化、報道の自由、少数民族保護)に取り組む。