令和2年12月2日

 12月2日(現地時間12月1日)、グレナダの首都セントジョージズにおいて、我が方、平山達夫駐グレナダ日本国特命全権大使(トリニダード・トバゴにて兼轄)と、先方オリバー・ジョセフ・グレナダ外務・国際ビジネス・カリコム担当大臣(The Honourable Oliver Joseph, Minister for Foreign Affairs, International Business and CARICOM Affairs of Grenada)との間で、2億円を供与額とするグレナダの水産業及び観光業発展のための無償資金協力(経済社会開発計画)に関する書簡の交換が行われました。

  1. グレナダは小島嶼開発途上国(SIDS)で、経済は観光業及び農水産業に依存しており、小島嶼国であるが故の自然災害や気候変動などの外的要因に影響されやすい脆弱性への対応が大きな課題となっています。現在同国政府は、「国家農業計画(2015-30)」を策定し、経済成長、雇用創出、水産業の振興を含む経済の多角化に取り組んでいますが、近年カリブ諸国に大量漂着しているサルガッサム海藻が海岸付近に堆積、腐敗することにより、同国の水産業・観光業は大きな被害を受けています。加えて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、同国経済に甚大な影響をもたらしています。
  2. この協力は、グレナダ政府に対し、我が国で製造された海藻除去機材を供与するものです。この協力により、同国の水産業及び観光業の持続的な発展を図り、もって同国の経済社会開発に寄与するとともに、ポストコロナを見据えた水産業・観光業の早期再建に貢献することが期待されます。
  3. また、我が国は、2014年に安倍前内閣総理大臣が日・カリコム首脳会合で表明した「日本の対カリコム政策」の第一の柱として「小島嶼国特有の脆弱性克服を含む持続的な発展に向けた協力」を着実に実施しています。その一環であるこの協力により、同国の経済社会開発を支援することのみならず、供与される日本製の機材・製品等に対する認知度の向上を図り、継続的な需要を創出し、日本企業の海外展開に貢献することも期待されます。
[参考]グレナダ基礎データ
グレナダは、面積約340平方キロメートル(五島列島の福江島とほぼ同じ)。人口約11.2万人(2019年、世界銀行)。1人当たり国民総所得(GNI)は9,980米ドル(2019年、世界銀行)。