日時 令和2年12月1日(火曜日)9時32分~9時43分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略について
  • 種苗法改正案について
  • 大蘇ダムの漏水について
  • 高病原性鳥インフルエンザについて
  • Go To Eatキャンペーンについて
  • 改正漁業法の施行について

 

記者

  昨日、政府のですね、輸出戦略関係閣僚会議で決定されました2030年5兆円に向けて、まず25年に2兆円というところに具体的にどのように到達されていくのか、輸出産地づくりという点からの方策についてお考えをお聞かせください。

大臣

  昨日ですね、関係閣僚会議が開催されまして、御指摘のとおり2025年に2兆円、2030年に5兆円という目標達成に向けて、当面必要となる戦略をですね、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略として、取りまとめたところであります。この戦略では、国内の余剰を輸出するという発想を転換をして、生産、加工、流通、販売に係る全ての事業者がですね、海外市場で求められるスペックの産品を生産・販売する、いわゆるマーケットインで輸出に取り組む体制を整備するためのものであります。一つにはですね、日本の強みを最大限に活かす品目別の具体的な目標を設定すること、それから、マーケットインの発想で輸出にチャレンジする農林水産業者を後押しすること、それから省庁の垣根を越えて、政府一体として輸出の障害を克服すること、この3つの考え方に基づいて具体的な施策を取りまとめたところであります。今後、この戦略に基づいてですね、関係省庁と連携をして、政府一体となって、輸出拡大に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。

記者

  2点伺います。今のその輸出戦略の関係で、様々な項目が盛り込まれていますが、大臣としては特にどういったところに力を入れていきたいとお考えでしょうか、というところがまず1点と、2点目は種苗法改正案についてです。改正案は衆院を通過し、本日の参院農林水産委員会で採決を予定していますが、これまでの審議を振り返って、生産者であったり関係者の不安は払拭され、改正案への理解は進んだと大臣はお考えでしょうか。2点よろしくお願いいたします。

大臣

  輸出の戦略につきましては、やはりマーケットインでですね、輸出に取り組んでいくということが大事だと思います。その各段階にですね、時期について、この年内に取りまとめるもの、年度内にとりまとめるもの、あるいは夏までにと、各段階で計画を立てておりますので、それを一つ一つ実行してまいりたいと思います。
  それから、種苗法についてでありますが、これまでもですね、説明は重ねてきておりまして、昨年3月に検討会を立ち上げまして、幅広い分野の有識者に御参加をいただいて、計6回にわたって検討を重ねました。また、この検討会では、全農、全中に加えまして、農業者2名の方を委員として参加をいただいて、忌憚なく御意見いただいたほかにですね、有機農業者、大規模農業者、あるいは種苗の増殖農家、農業現場の実情等々もですね、ヒアリングを行ったところであります。今回のですね、改正案、現場の意見をしっかり踏まえた上で提出したものでありますが、さらにその閣議決定後にも、法案の説明資料ですとか、Q&Aの資料を公開をして、また、先の通常国会の閉会後もですね、要請のあった自治体あるいは農協、報道関係者等々に対しては、全ての要請に応じてですね、各種説明会も10回以上行い、雑誌への寄稿も行ってまいりました。また、今次国会においても、衆議院で2日間、また参議院で本日の審議を含めますと2日間、本改正についての農林水産省の考えを御説明したところであります。農水省としては、現場の御懸念を払拭するためにですね、引き続き、この改正の趣旨や制度の利用についてですね、運用について、丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。

記者

  熊本県の大蘇ダムについておたずねします。水漏れで供用が遅れていて、今年4月から供用開始となった大蘇ダムについてなんですけれども、国が想定したダムの浸透量が想定よりも7倍以上ということが先日判明しました。地元では不満の声も上がっていて、首長が完工式を欠席する事態にもつながっていますけれども、大臣としての受け止めと今後の対応、また、把握している事実関係等があれば教えてください。

大臣

  大蘇ダムは、農業用水の安定供給を実現するために、国営大野川上流土地改良事業によりまして造成されたダムでありまして、平成17年度の試験湛水の際に浸透量が大きいことが確認をされたため、平成25年より浸透量を抑制する工事を実施をいたしました。そして、令和元年度に再度、試験湛水を行った結果、浸透量が安定していることが確認されたため、本年4月に同ダムの供用を開始したものであります。しかしながら、供用開始後ですね、本年8月からダムの水位低下が確認をされて、現在、九州農政局におきまして、浸透抑制対策工の点検・監視や、浸透量の把握を行っております。引き続き、これらの点検・監視を丁寧に行うとともにですね、浸透量や地下水等のデータ分析等を行って、大分・熊本両県や関係市町村と情報を共有しながら、対応策を検討してまいりたいと考えております。

記者

  鳥インフルエンザのことについてお伺いします。今朝ですね、宮崎県の日向市で今シーズン11例目となる高病原性鳥インフルエンザが確認されましたけれども、現在の対応状況と、あと、宮崎県、非常に養鶏が盛んな地域ですけど、香川のように続発するような可能性があるのかどうか、その辺りの御見解を教えていただければと思います。

大臣

  昨日ですね、宮崎県日向市の養鶏場の家きんで死亡数の増加が見られたとの通報がありまして、宮崎県による検査及び国による検査の結果、高病原性インフルエンザの疑似患畜と確定をしたところであります。これまで、今シーズンではですね、香川で8例、福岡県、兵庫県でそれぞれ1例が発生をして、今回の宮崎県での発生で今シーズン国内11例目となります。宮崎県での発生を受けまして、本日午前4時から農水省鳥インフルエンザ防疫対策本部を持ち回りで開催をして、今後の対応等について確認したところでありますが、宮崎県におきましては、疑似患畜と確定・公表後、速やかに殺処分等の防疫措置を開始をされたと聞いております。国としても、宮崎県との連携を密に取ってですね、必要な人的・物的支援をしっかりと実施してまいりたいと考えております。

記者

  Go To Eatキャンペーンで、店側が不正にポイントを、自分の店を予約して客を装ったような不正取得のケースがあるというふうに伺っていますが、それに対しての現在の状況と、農水省としての対応を教えてください。

大臣

  Go To Eatキャンペーンではですね、飲食の実態がない、飲食店による自己取引ですとか価格取引は不正行為としておりまして、事業者はこれに対する防止策を講じることとしておりますが、その上で、不正が発覚した場合には、当該飲食店の登録を取り消すなど、必要な対応を講じるとともにですね、悪質な場合には国が飲食店名を公表することといたしております。報道のありました事案につきましては、その事実関係は農林水産省では確認できておりませんが、これまで事業者からは、飲食店による架空請求が行われる未遂事例の報告が、食事券で3件、オンラインで2件ありまして、現在警察に相談しているところであります。現時点ではまだ疑いの段階でありまして、今後は警察とも相談しながら調査を進めて、不正であることが確認されればですね、先ほど申し上げたような方針で厳正に対処してまいりたいと考えております。

記者

  食事券の方の未遂に関してはどのような内容なんでしょうか。

大臣

  先ほど申し上げた、事業者においての事案ごとに対応を検討しているところでありまして、不正であることが確定するまでは、その件数ですとか金額、状況などの詳細な内容を明らかにすることは控えさせていただいております。

記者

  今日で改正漁業法が施行されるということだと思うんですけれども、御所感と、資源保全ですとか、漁業者の説明はどのように進めていくかをお聞かせください。

大臣

  本日、70年ぶりに改正されました、改正漁業法が施行される訳でありますが、本日の施行によりまして、その改革が実行の段階に入る訳であります。水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させるという目的を実現するための取組を本格化させてまいりたいと思いますが、実行に当たりましては、漁業者をはじめとする関係者の皆様の理解、御協力を得ることが必要であります。これまで皆様に改正漁業法の内容を丁寧に説明してまいりましたけれども、今後も皆様に御理解、御協力いただけるようにですね、説明に努めるとともに、水産業が魅力ある産業となるようにですね、一つ一つ改革を前進させてまいりたいと考えております。

報道官

  他によろしいでしょうか。では、以上で終了します。ありがとうございました。

以上