令和2年12月1日

 11月30日(現地時間同日)、アンティグア・バーブーダの首都セントジョンズにおいて、我が方、平山達夫駐アンティグア・バーブーダ特命全権大使(トリニダード・トバゴにて兼轄)と、先方ガストン・ブラウン・アンティグア・バーブーダ首相(The Honourable Gaston Browne, Prime Minister of Antigua and Barbuda)との間で、2億円を供与額とするアンティグア・バーブーダの水産業及び観光業発展のための無償資金協力(経済社会開発計画)に関する書簡の交換が行われました。

  1. アンティグア・バーブーダは小島嶼開発途上国(SIDS)であり、本年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国境封鎖により、同国の経済が大きく依存する観光業(GDP比約60%)も甚大な被害を受けました。同国経済の立て直しを図るにあたり、近年、カリブ地域一帯で深刻な問題となっているサルガッサム海藻の大量来遊による悪影響が懸念されています。海藻が海岸を埋め尽くすことによる景観の悪化や悪臭のみならず、硫化水素の発生、海中の酸素濃度の減少など海洋生態系に対しても大きな脅威となっており、同国の観光業や水産業にとって深刻な課題となっています。
  2. この協力は、我が国で製造された海藻除去機材を供与することにより、同国の観光業及び水産業の持続的な発展を図り、もって同国の経済社会開発に寄与するものです。カリブ地域におけるブルーエコノミーを主導する同国において、海洋資源の持続可能な利用を通じた経済成長の実現に寄与することが期待されます。
  3. 我が国は、2014年に安倍前内閣総理大臣が日・カリコム首脳会合で表明した「日本の対カリコム政策」の第一の柱として「小島嶼国特有の脆弱性克服を含む持続的な発展に向けた協力」を着実に実施しています。その一環であるこの協力により、同国の経済社会開発を支援することのみならず、供与される日本製の機材・製品等に対する認知度の向上を図り、継続的な需要を創出し、日本企業の海外展開に貢献することも期待されます。
[参考]アンティグア・バーブーダ基礎データ
 アンティグア・バーブーダは、面積約440平方キロメートル(種子島とほぼ同じ)。人口約9.6万人(2018年、世界銀行)。1人当たり国民総所得(GNI)は15,890米ドル(2018年、世界銀行)。