令和2年12月1日

 11月30日(ジュネーブ現地時間同日)、我が国が世界貿易機関(WTO)紛争解決手続において申立てを行っていた紛争案件「韓国による日本製ステンレス棒鋼に対するアンチ・ダンピング(AD)課税延長措置」に関して、韓国のAD課税延長措置はWTO協定に非整合的であるとし、同措置の是正を勧告するパネル報告書が公表されました。

 我が国は、今回の報告書を受け、韓国がWTO協定に非整合的であると認定された措置を誠実かつ速やかに是正することを求めます。

[参考]
  1. 韓国は、平成16(2004)年7月から日本製ステンレス棒鋼に対するAD課税を開始し、2回の課税延長を経て、平成29(2017)年7月、3回目の課税延長調査(サンセット・レビュー)の結果、ダンピングによって韓国の国内産業の損害の再発をもたらす可能性があるとして課税延長を決定し、AD課税を延長した。
  2. 我が国はこの課税延長措置がWTO協定上の義務に照らし疑義ありとし、平成30(2018)年6月、WTO紛争解決手続に基づく協議を要請し、同年8月の協議を経て同年9月、WTOにパネル設置要請を行い、翌10月にパネルが設置された。
  3. パネル報告書は、WTOの紛争解決に係る規則及び手続に関する了解(DSU)の規定により、報告書の全加盟国送付(注:公表と同日)の後60日以内にWTO紛争解決機関において採択されることとされており、その段階で判断が確定する。ただし、紛争の当事国により上級委員会への申立てが行われた場合には、同委員会による審理の手続に付されることとなる。