(令和2年11月24日(火曜日)10時50分 於:本省会見室)

冒頭発言

王毅・中国国務委員の訪日

【茂木外務大臣】今日、先週発表しましたとおり、王毅(おう・き)中国国務委員外交部長が訪日をしまして、夕刻から日中の外相会談、そしてまた夕食会も行う予定であります。
 様々なことについて率直な意見交換したいと思っておりますが、まさに会談、今日行うわけでありますので、その結果についてはなかなか予断できないなと思っておりますが、ご質問等がありましたらお受けいたします。

日中外相会談

【上海東方テレビ 宋記者】本日の会談についてお伺いしたいんですが、具体的に、コロナウイルスについてどんな交流を行われる予定でしょうか。お願いします。
【茂木外務大臣】謝謝。先ほど申し上げたように、外相会談、今日の夕方からということで、内容については様々な幅広い内容について議論したいと思っておりますが、今の段階でこういうふうになりますと、この結論について申し上げることはできないのですが、二国間には様々な懸案というものがありまして、ハイレベルの会談を通じて懸案を一つひとつ解決していくことが、重要だと考えています。
 新型コロナ、これは国際的にも非常に重要な問題でありますから、これに関する協力を含めて、地域・国際情勢についても率直な意見交換を行いたいと思っております。

中国のTPP加入意欲

【日本経済新聞 加藤記者】先日のAPEC首脳会議で、中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席が、TPP参加について積極的に考えているとおっしゃいましたけども、来年日本が、TPPの議長国でもありますけれども、日本政府としての対応をお伺いできますか。
【茂木外務大臣】TPP11、これはまさにですね、米国がTPPを離脱する中で、残りの11か国で話合いを持って、特に日本が中心になって、まとめてきた協定でありまして、内容的に、ハイスタンダードでバランスのとれた21世紀型のルール、これを世界に広めていく、こんな意義を有しておりまして、こうした観点から、様々なエコノミーによります関心表明、これまでもそうでありますが、歓迎をしております。
 他方、TPP11、これは市場アクセスに限らず、ルール面においても高いレベルの内容となっておりまして、今般の中国も含めて、関心表明を行っているエコノミーがこうした高いレベルを満たす用意ができているかどうかについては、しっかりと見極める必要があると考えているところであります。
 我が国はご指摘のように、来年TPPの議長国でありまして、議長国として新規加入に関心を示すエコノミーの動向を注視しつつ、戦略的観点を踏まえながら、引き続きTPP11の確実な実施及びその拡大に取り組んでいきたい、そう考えております。

米国次期政権閣僚人事

【NHK 渡辺記者】バイデン大統領が正式にまだ確実に決まったと言えない段階ではありますけれども、外交を担う国務長官として、ブリンケン氏の名前が挙がっております。そうしたことを踏まえて、この人選について、大臣としてどう考えていらっしゃるのか、これまでの関係も踏まえてですね、日米関係、どのように築いていきたいと考えていらっしゃるのか、その点、この新しい人選を踏まえて、お考えを聞かせてください。
【茂木外務大臣】国務長官についてだけの質問ですか。それとも今回発表された全体に関しての質問ですか。
【NHK 渡辺記者】まず一義的に、カウンターパートである国務長官について、それからその後でですね、全般的に今の閣僚人事についてお願いします。
【茂木外務大臣】まず、国務長官になると発表されましたブリンケン氏につきましては、オバマ政権で国務副長官、そして、国家安全保障問題担当の次席補佐官等を歴任するなど、外交政策に関する識見が深く、これまでも日米同盟の強化に貢献をされてきた人だと思っております。正式に就任された暁には、現在の強固な日米関係の一層の発展に向けて、協力をしていきたいと思っておりますし、速やかに意思疎通を図っていきたいと、このように考えております。
 新政権の発足の前でありまして、また、今日といいますか、米国時間で言いますと23日になるわけですが、発表された閣僚ポスト、これについては、正式には米国連邦議会の上院の承認を必要とするものでありますが、今般、指名された何人かの方々を含めて、バイデン次期政権の周りには、それぞれの分野で経験豊かであって、政策に精通している方々が多いと承知をいたしておりまして、新体制及び政策方針がどうなるか、注目をしているところであります。

次期韓国駐日大使人事

【NHK 渡辺記者】別件になりますが、韓国側のメディアの、最初報じたところによりますと、次期駐日大使としてですね、韓日議員連盟の名誉会長を務めている姜昌一(カン・チャンイル)氏という方が、文政権の意向で、次期駐日大使になるという報道が出ております。国会議員の方々ともいろいろ交流のある方かと思いますけども、そうしたことも踏まえて、まだ正式決定の前ではあると思いますが、もし現時点でコメントできるものがありましたらその人選についてのコメントをお願いします。
【茂木外務大臣】事柄の性格上もそうでありますが、外国政府内の人事について、政府としてコメントすることは、現時点で控えたいと思います。