(令和2年11月17日(火曜日)11時00分 於:本省会見室)

新型コロナウイルス(水際対策)

【テレビ東京 加藤記者】水際対策についてお伺いいたします。夏以降、少しずつ水際対策の措置、緩和されてきていますが、現在国内では再び第3波といわれるような感染状況になっております。今後、海外の往来について、現状これからの規制強化などの必要性についてはどのようにお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】日本の状況が第3波というかどうかは別にして、感染が拡大している、注意が必要な状況であると。また、海外におきましても、欧州をはじめ、感染が再拡大している国、こういったものがあるわけであります。
 これまでも、感染の拡大防止と両立する形で、人の往来の再開をどう図っていくか、こういう観点から、「ビジネストラック」、更には「レジデンストラック」、そして、在留資格を持つ外国人の入国等々を進めてきたわけでありますが、例えば空港における検査結果等々を見ても、入国される方のですね、感染率というのは極めて高い、こういう状況にはないと考えております、少なくとも。
 今後どういった形で、今の措置、様々な国と協議を続けている国もありますので、そういった協議については引き続き行っていき、冒頭申し上げた感染の拡大の防止と両立する形での人の往来の再開というのは、引き続き検討を進めていきたいと思っています。

東京オリンピック・パラリンピック(バッハIOC会長の訪日)

【テレビ朝日 佐藤記者】昨日、IOCのバッハ会長と菅総理が会談しまして、菅総理は観客を入れてのオリンピックの開催に意欲を示され、バッハ会長も同様の認識を示されました。外務大臣として、今回の東京オリンピック、どのような形での開催を望まれるか、今のお気持ちをお聞かせください。

【茂木外務大臣】昨日、総理とバッハ会長、来年の東京大会開催、必ず実現をすると。そして、安全・安心な大会に向けて、引き続き協力していくことで一致をした、そう考えております。
 外務省としても、新型コロナの感染拡大の防止と両立する形で、国際的な円滑な国際的往来を実現するために、必要な感染防止措置の周知であったりとか、査証の円滑な発給、これを政府全体の取組として貢献をしていきたいと思っております。
 どれくらいの数のアスリート、また大会関係者、更には、その観客の方がいらっしゃることになるのか分かりませんけれど、そういった方々が円滑に入国する、そしてまた、東京オリンピック・パラリンピック大会は、人類がコロナに打ち勝った証として開かれる素晴らしい大会として楽しんでいただけるように、取り組んでいきたいと思っています。

国際水路機関(IHO)総会

【読売新聞 福田記者】IHOについて伺います。IHOは、新たに作成するデジタル版海図についてですね、日本海などの呼称ではなく、各海域に数字を割り振る方針を決めました。韓国側の反応としてはですね、一定の主張が認められたと評価するような反応もあるんですけども、大臣のですね、受け止めと評価についてお願いします。

【茂木外務大臣】紙の方は日本海が残ると。デジタルの方は、基本的には全て数字といいますか、そういう表記に、別にこれは日本海だけではなくて、そういう形でありますから、きちんと我が国の主張が通っているものだと思っております。

APEC及びG20の首脳会議

【日本経済新聞 加藤記者】大臣、昨日、APECの閣僚会議に出席されまして、今週、首脳会議も予定されています。併せてG20も、オンラインの大きな国際会議が続きますけれども、菅政権として、どういったメッセージを発していくお考えなのかお伺いします。

【茂木外務大臣】APEC、更には、G20リヤド・サミットと開催をされると、それぞれ重要な会議だと思っておりまして、APECの首脳会議におきまして、日本としてはポスト・コロナのアジア太平洋地域の経済成長に向けて、デジタル化、そしてイノベーション、自由貿易の推進、そして連結性の強化などの重要性について、しっかりと発信できればと思っております。
 またG20のリヤド・サミット、日本は昨年、G20の議長国を務めたわけでありまして、今、世界的に拡大しているこの新型コロナ対応、そして、世界経済の回復を含めて、ポスト・コロナの国際秩序作りについて、G20が主導していくと、こういうメッセージを明確に打ち出すべきだと考えております。
 この観点から、日本は「トロイカ」の1人として、ワクチン等の普及に向けた取組、国際的な人の移動の再開、グリーン社会の実現といった重要論点について、議論を主導していきたいと思っております。