2020年11月17日

11月16日(月曜日)、APEC閣僚会議がテレビ会議形式で開催され、当省から梶山経済産業大臣及び江島経済産業副大臣が参加しました。2040年に向けてAPEC地域が目指す方向性を定める新たなビジョン、新型コロナウイルス感染症への影響への対応、収束後の地域経済回復を見据えた国際協調について議論を行い、声明を採択しました。

概要

マレーシアのアズミン・アリ国際貿易・産業大臣の議長のもと、APEC閣僚会議がテレビ会議にて開催されました。経済産業省からは梶山経済産業大臣と江島経済産業副大臣が参加しました(外務省からは茂木外務大臣と鷲尾外務副大臣が参加)。

会議では、「貿易・投資の説明方法の改善」、「包摂性、デジタル経済、革新的な持続可能性」のテーマを中心に、新型コロナウイルス感染症への影響への対応、収束後の地域経済回復を見据えた国際協調とともに、2040年に向けてAPEC地域が目指す方向性を定める新たなビジョンについて議論を行い、議論の結果として、閣僚共同声明を採択しました。

※新たなビジョンとは、「ボゴール目標」の次期の目標(ビジョン)に該当。名称は未定。「ボゴール目標」はAPECが1994年に合意した「2020年までに自由で開かれた貿易投資を達成する」という目標。

今回採択された閣僚共同声明の主な内容は、以下のとおりです。

新型コロナウイルス

  • 新型コロナウイルス感染症が、アジア太平洋地域及び世界経済全体に深刻な影響を与えたことを認識する。必要不可欠な物品及びサービスの越境移動を促進し、また、ウイルスの拡散を防ぐ努力を阻害することなく人々の必要不可欠な越境移動を促進する方策を探求するため、協働することにコミットする。

新たなビジョン

  • ボゴール目標を土台とした、新たなAPECのビジョンに係る作業の完了を歓迎する。

貿易・投資

  • 自由で、開かれた、公正で、無差別で、透明性のある、予見可能な貿易・投資環境の重要性を認識する。
  • WTOの合意されたルールの重要性を確認する。WTOの機能改善のための改革を支持し、WTOの課題に建設的に関与する。多角的貿易体制の継続的支持に対するAPECビジネス諮問委員会(ABAC)からAPECへの要請に留意する。

デジタル経済・技術

  • 新型コロナウイルス感染症は経済成長維持のためのDX、デジタル経済、デジタル技術の役割を強調。データの流通を促進し、デジタル取引に対する消費者及びビジネスの信頼を強化することに関する協力の重要性を認識する。

経済・技術協力

  • 低炭素で気候変動に強靱なグリーン成長、地域の経済的繁栄及び健全な地球の間の相互依存を理解し、持続可能な開発を達成し気候変動、異常気象及び自然災害を含む全ての環境上の課題に対処する我々の努力を補完する経済政策を実現するために、経済・技術協力を強化する。
  • よりクリーンなエネルギーへの移行を推し進め、持続可能な経済成長を支え、力強く包摂的な経済回復を達成する、エネルギー安全保障、エネルギー強靱性及び多様な燃料と技術を使用する低廉で信頼できるエネルギーへのアクセスを提供することの必要不可欠な役割を認識する。
  • デジタル技術を向上させ、継ぎ目のない連結性を促進し、関連するAPECの作業に基づく質の高いインフラを開発し、貿易円滑化を促進し、サプライチェーンの強靱性を強化し、人の移動に関する協力を促進することを期待する。

関連資料

  • 梶山経済産業大臣
  • 江島経済産業副大臣

担当

通商政策局アジア太平洋地域協力推進室長 新倉
担当:武田、中西

電話:03-3501-1511(内線2971~74)
03-3501-1990(直通)
03-3580-8746(FAX)