令和2年11月16日

 11月15日(現地時間同日)、アフガニスタン・イスラム共和国の首都カブールにおいて、我が方、髙橋良明在アフガニスタン日本国臨時代理大使と先方ポール・クルシャンク国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)アフガニスタン事務所長(Mr. Paul CRUICKSHANK, Director and Representative, UNOPS Afghanistan)との間で、19億9,500万円を供与限度額とする無償資金協力「カブール国際空港航空交通管制サービス施設及び管制塔整備計画」に関する書簡の交換が行われました。

  1. カブール国際空港はアフガニスタン最大の空港であり、内陸国である同国の国内外の交通・物流の拠点となっていますが、同空港の管制インフラは国際民間航空機関(ICAO)が定める安全基準を十分に満たしておらず、航空の安全が懸念されています。また、1980年代に整備された既存の管制塔には新たなレーダー機材を設置するスペースがなく、加えて管制塔の高さも国際基準を満たしていないことから、新たな航空管制の整備が十分にできない状況にあります。
  2. この協力は、カブール国際空港の航空交通管制サービスセンター及び管制塔の整備を行うことにより、航空機の安全な離発着、上空通過の実現を図り、ひいてはアフガニスタンの円滑な人の移動・物流による経済活動活性化に寄与するものです。この協力により、アフガニスタン政府が新たに設置予定のレーダー機材を同空港に設置することが可能となり、アフガニスタンの上空通過機数が年10万回に増加、同空港における離着陸回数が7%増加することが期待されます。また、航路安全性が強化され、アフガニスタン上空通過機数の増加による通過料の増収により、同国の外貨獲得にも繋がることが期待されます。
[参考]アフガニスタン・イスラム共和国基礎データ
アフガニスタン・イスラム共和国の面積は約65.2万平方キロメートル(日本の1.7倍)、人口は約3,717万人(2018年、世界銀行)、1人当たりの国民総所得(GNI)は550米ドル(2019年、世界銀行)。