令和2年11月13日
農林水産省

農林水産省は、株式会社エンルートから委託研究費の不正使用等に関する報告を受け、当省からの委託事業において研究費の不正使用等が行われていたことを確認しました。このため、同社に対し、当該研究費の返還を命じるとともに、本日付けで当省所管の委託研究事業等の指名停止措置を講じました。

1.事案の経緯

(1)令和2年3月19日、株式会社エンルートは、同社において委託研究費の不正使用等の疑いが発覚したとして、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構へ予備調査結果を報告し、このことについて同日、同機構から当省へ報告がありました。

(2)同月27日、当省は、株式会社エンルートに対し調査委員会を設置して本調査を行うよう指示し、10月7日、同社から最終報告書の提出がありました。

(3)最終報告書において、株式会社エンルートにおいて人件費の過大計上等の不正使用等が行われていたことが判明したことから、不正使用等された研究費の返還を命じるとともに、指名停止措置を講じました。

2.不正使用等の態様

以下の委託研究事業において、研究課題の担当機関である株式会社エンルートにおいて(ア)人件費等の過大請求、(イ)人件費等の証拠書類の作成手続違反、(ウ)コンソーシアム構成員へのドローン機体一式販売に係る過大請求、(エ)当該年度に使用しないソフトウェア等の購入、(オ)自社の開発経費に計上すべき雑役務費(自動離着陸機能の改修費用等)を委託事業に計上するなどが行われていました。

不正使用等が行われた委託研究事業
事 業 名:戦略的プロジェクト研究推進事業
研究課題:ドローンやセンシング技術を活用した果樹の病害虫防除管理効率化技術の開発
委 託 先:傾斜地ドローンコンソーシアム
(研究代表機関:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)
事業期間:平成30年度から令和2年度
株式会社エンルートの担当内容:傾斜地果樹園を航行するドローンの開発
株式会社エンルートへの委託研究費: 18,185,000円
内、不正使用額:  2,571,237円
内、不適正な経理処理額:  4,269,481円

3.措置の内容

(1)委託研究費の返還命令
株式会社エンルートに対し、不正使用等が行われた委託研究費の返還を命じるとともに、不正に使用された委託研究費については、利息金を課すこととしました。

(2)委託研究事業等の指名停止措置
株式会社エンルートに対し、令和2年11月13日(金曜日)から9か月の指名停止措置を講じました。

(3)不正の再発防止策に係る措置
株式会社エンルートに対して、今後、このような事態が生ずることがないよう、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」(実施基準)に基づき、内部監査の強化や研究者等へのコンプライアンス教育の徹底等を行うよう要請しました。なお、同社が講じる所要の再発防止策について、当該再発防止対策が確実に実行されているか調査・確認を行います。

4.関連情報

株式会社エンルートは、本件に係る調査報告書を以下のURLで公表しています。
https://enroute.co.jp/news/20201113/

(参考)
農林水産省における研究活動の不正行為への対応
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/misbehavior.htm

研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)
http://www.affrc.maff.go.jp/docs/pdf/141218_kanri_kansa_guidline.pdf

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