令和2年11月12日

 11月11日(現地時間同日)、コンゴ共和国の首都ブラザビルにおいて、我が方、軽部洋駐コンゴ共和国日本国特命全権大使と先方シプリアン・シルベストル・マミナ外務・協力・在外コンゴ人省次官(H.E. Mr. Cyprien Sylvestre MAMINA, Secretary General of Ministry of Foreign Affairs, Cooperation and Congolese Abroad)との間で、総額4.5億円となる2件の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。対象案件の概要は次のとおりです。

  1. 無償資金協力「経済社会開発計画」(供与額1.5億円)
     コンゴ共和国では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、保健・医療体制の強化が喫緊の課題となっています。本計画は、コンゴ共和国に対し、小型救急車、可搬型超音波画像診断装置等の保健・医療関連機材を供与することを通じて、同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。
     新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、まさに人間の安全保障に直結した世界全体にとっての深刻な危機として国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ、保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は、在留邦人の健康・安全に直結するのみならず、我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり、我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。
     我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。更に、この支援が、一人ひとりの健康を含む人間の安全保障を推進するとともに、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を含むSDGs達成のための基盤づくりに役立つことを期待しています。
    我が国は、2019年8月に開催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、UHC拡大とアフリカ健康構想の推進を表明しており、この協力は同表明を具現化するものです。
  2. 無償資金協力「食糧援助」(供与額3億円)
     コンゴ共和国の食糧自給率は30%と低く、2019年の世界飢餓指数(Global Hunger Index)で5段階中番目に深刻な「Serious」のカテゴリーに位置づけられており、食料不足の解消に向けた取組の促進が優先課題となっています。
     この協力は、コンゴ共和国における食料安全保障の改善及び開発課題の解決を図ることを目的として、同国の食料及び栄養が不足している人々に対し、我が国政府米による食糧援助を実施するものです。
     我が国は、TICAD7において、「強靱かつ持続可能な社会の構築への貢献」を表明しており、この協力は同表明を具体化するものです。
[参考]コンゴ共和国基礎データ
コンゴ共和国の面積は約34.2万平方キロメートル(日本の約0.9倍)、人口は約538万人(2019年、世界銀行)、人口一人当たりの国民総所得(GNI)は1,750米ドル(2019年、世界銀行)。