令和2年11月9日

 11月6日(現地時間同日)、カンボジア王国の首都プノンペンにおいて、我が方、三上正裕駐カンボジア日本国特命全権大使と先方プラック・ソコン・カンボジア王国副首相兼外務国際協力大臣(H.E. Mr. PRAK Sokhonn, Deputy Prime Minister, Minister of Foreign Affairs and International Cooperation of the Kingdom of Cambodia)との間で、同国における新型コロナウイルス危機対応のための緊急支援を目的とした250億円を限度とする円借款及び要人警護時のテロ対策能力強化のための支援を目的とした供与額3億円の無償資金協力に関する交換公文の署名が行われました。

  1. 対象案件の概要
  • (1)新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援借款(円借款)
     【供与限度額250億円】

    • (ア)カンボジアにおいては、新型コロナウイルスの感染拡大や防止のために行われている移動制限、国際線の運航停止等により、経済状況が悪化しており、社会・経済の回復が課題となっています。本円借款は、カンボジア王国に対し、財政支援を通じて、同国における感染拡大の抑制とともに、同国の社会・経済の回復と安定及び持続的発展に寄与することが期待されます。
    • (イ)供与条件(新型コロナ危機対応緊急支援円借款)
      • (a)金利:0.01%
      • (b)償還期間:15年(4年の据置期間を含む。)
      • (c)調達条件:アンタイド
    • (ウ)新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大及びこれに伴う経済社会活動の停滞は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ本円借款を通じて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けるアジア・大洋州などの途上国における経済活動の維持・活性化に貢献することは、日本を含む世界経済を下支えする観点からも重要です。
    • (エ)我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化及び国際社会・経済の回復と安定及び持続的発展に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく途上国を支援していきます。
  • (2)要人警護時のテロ対策能力強化のための支援(無償資金協力「経済社会開発計画」)
     【供与額3億円】
     カンボジアは2022年のASEAN議長国であり、多くの要人往来も見込まれる中、同国政府の要人警護時のテロ対策能力の強化を図ることが喫緊の課題となっています。 本計画では、要人警護時に必要なテロ対策用の車両等を供与することにより、要人往来時の警護能力の向上を図り、社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
[参考]カンボジア王国基礎データ
 カンボジア王国は、面積約18万平方キロメートル(日本の約0.48倍)を有し、人口約1,630万人(2018年、IMF推定値)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)は1,480ドル(2019年、世界銀行)。