(令和2年11月6日(金曜日)18時18分 於:本省会見室)

米国大統領選(政治空白の懸念)

【NHK 山本記者】米国の大統領選挙についてですけれども、未だ結果が判明していなくて、今後結果の確定が更に遅れる可能性というのも指摘されていますけれども、米国の政治に空白が生まれることによって、安全保障の分野などで懸念などないでしょうか。大臣のお考えをお願いします。

【茂木外務大臣】まず大統領選挙についてでありますけれども、まだ6州、アラスカ、ネバダ、アリゾナ、ペンシルベニア、ノースカロライナ、ジョージア、この6州で開票作業を継続中でありまして、事前の予想どおりの接戦となっているわけでありますが、この段階で、結果確定の時期を含めて、今後の影響について、予断をもって述べることは困難であると思っております。
 ただ、いずれにしても、まず日米同盟、これが日本外交の基軸であって、選挙結果に拘らず、この強固な日米同盟というのは変わらないと思っておりますし、またその強化に努め、米国と緊密に連携していきたいと思っております。
 その上で、政治的な空白という話でありますが、大統領選挙は11月3日に終わって、トランプ大統領が退陣したわけではありません。政権としては続いているわけでありまして、決して政治の空白が起こっていると、政府として機能しているのは間違いない、このように考えているところであります。

米国大統領選(邦人保護)

【産経新聞 石鍋記者】大統領選をめぐって、両候補の支持者同士の衝突ですとか、暴動といった混乱を指摘する声もありますけれども、そういった観点からの邦人保護も重要になってくると思いますが、外務省の対応を、検討していることなどがあればお願いいたします。

【茂木外務大臣】現段階において、大きな混乱とかトラブルというものが起こっているとは承知をいたしておりませんが、いずれにいたしましても、米国には多くの在留邦人、更には進出企業もあるわけでありまして、邦人そして進出企業の様々な形での安全確保、万全を期したいと思っておりますし、そういった意味でも、選挙をめぐります今後の動向はどうなっているかと、このことにも関心を持って注目していきたいと思っております。

日朝交渉と東京五輪

【朝日新聞 安倍記者】菅総理が来年の東京五輪が、日朝交渉のよい機会になるという認識を、昨日の参院予算委員会で示されていますけれども、従前から総理は条件を付けずに金(キム)委員長と向き合う決意を述べられてこられましたが、東京五輪をそうしたチャンスだというふうに捉えておられるということなんでしょうか。

【茂木外務大臣】たぶん、そういう言い方はされていなかったと思います。あの答弁の中で言っていたのは、それは、条件を付けずに金委員長と向かい合うと、あらゆるチャンスを探っていくと、そういう中で、質問の中で、仮定でもし来たらそれもチャンスに入るのかという話で、それに対してチャンスに入ると、こういう話をされたのだと、私(大臣)は現場で聞いておりましたけど。

RCEP

【日刊工業新聞 森下記者】RCEPについてお聞きしたいんですけれども、仮にインド抜きで合意に達した場合に、どの程度、経済効果があるかお考えかということをよろしくお願いします。

【茂木外務大臣】仮定の質問にはお答えしません。

中国海警法案

【朝日新聞 安倍記者】中国が海警局の船に対して、武器使用を認める草案を公表しています。尖閣諸島をめぐって、さらに緊張を増す可能性があると思いますけれども、今後、日本政府としてどういった対応をとられていくんでしょうか。

【茂木外務大臣】尖閣諸島周辺海域において、中国公船によります領海浸入、接続水域での航行が過去最高を更新して、中国公船によります日本漁船への接近事案、繰り返し発生している等、一方的な現状変更の試み、継続していることについては、誠に遺憾であると考えております。また、この問題につきましては、海上保安庁等とも連携しながらしっかり対応していきたいと思っております。
いずれにしても日本の領土、そして領海・領空を断固して守り抜く、こういう決意の下、冷静かつ毅然として対応していきたいと思っております。