令和2年10月30日
農林水産省

~スマート農業実証プロジェクトによる水田作の実証成果を2020年10月30日(金)に公表~

農林水産省は、スマート農業実証プロジェクトによる水田作における3類型(大規模、中山間、輸出)の事例の実証成果を中間報告として公表します。
併せて、同プロジェクトに参画する農業者(畑作・園芸等)7名のリアルボイス(動画)第2弾を公開しました。

1.水田作の実証成果について

スマート農業実証プロジェクトは、ロボット、AI、IoTなど先端技術を生産現場に導入・実証し、経営効果を明らかにし情報発信することで、スマート農業の社会実装を加速化することを目的とした事業です。
現在、全国148地区(令和元年度69地区、令和2年度55地区、令和2年度補正24地区を採択)において実証を行っており、今般の公表は、令和元年度採択の水田作における3類型(大規模、中山間、輸出)の事例の1年間の実証成果を中間報告として公表するものです。
例えば、大規模水田作においては、ロボットトラクタ、自動水管理システム、農薬散布ドローン等のスマート農業技術の導入により、1.5割程度の労働時間が短縮されました。また、類型に関わらず導入可能な、農薬散布ドローンや自動水管理システムの有効性が判明しました。
こうした結果、人件費の減少効果がみられる一方で、スマート農機を限られた実証面積に追加投資したことにより機械費が増大することとなっています。
今後は、地域の実情に即して、効果的なスマート農業の導入につながるよう、
スマート農機の能力に見合った適正な活用面積の見極めや、初期投資の影響を緩和するためのシェアリング等の可能性
商流全体を視野に入れた物流コストの低減や高付加価値化の取組
等について検証していきます。
詳細については、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.affrc.maff.go.jp/docs/smart_agri_pro/smart_agri_pro.htm

2.農業者7名のリアルボイス(動画)について

令和元年度スマート農業実証プロジェクト水田作の実証に取り組む8名の農業者のリアルボイスに引き続き、畑作・園芸等の農業者の成果やプロジェクトにかける想いなどを動画にとりまとめました。
農業者の主な声としては、
ロボットトラクタによるじゃがいも収穫作業において、4人で作業していたものが3人で対応可能となり労働時間を25%削減(畑作)
赤色LED電球を用いた開花抑制によって、植え付けたキクの需要期の出荷率が5割から9割に改善(花き)
露地栽培では天候により作業タイミングが左右される課題があるが、圃場に入る必要がないドローンによる追肥によって、雨の直後でも計画通り作業ができ、葉を傷つけるリスクや病気蔓延リスクが低減(露地野菜)
近年、日本食ブーム等により茶の輸出量が増大傾向にある。海外向け原料の生産にスマート農業技術を導入し、海外に活路を見出していきたい(茶)
がありました。各動画は、以下のウェブサイトに掲載しています。
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/smart_agri_pro/jissho_seika/r1_seika_1.htm

【農業者7名の概要】

1岡田農場  北海道更別村  畑作
2TMRセンターアクシス&漆原牧場  北海道中標津町 畜産
3園芸メガ共同利用組合  秋田県男鹿市  花き
4株式会社エア・ウォーター農園  長野県安曇野市  施設園芸
5井澗農園  和歌山県上富田町  果樹
6株式会社ジェイエイフーズみやざき  宮崎県西都市  露地野菜
7鹿児島堀口製茶有限会社  鹿児島県志布志市

(注)動画制作に協力いただいた上記農業者の方へ取材を検討されているメディアの方は、下記担当までお問い合わせください。

3.農業者の皆さんへのアンケートのお願い

上記の動画を視聴いただいた農業者の方を対象として、スマート農業に関する現状や課題について、アンケートを実施いたします。
スマート農業の社会実装を加速化させるための検討の参考とさせていただきますので、以下URLよりアンケートにご協力宜しくお願いいたします。

https://www.contactus.maff.go.jp/affrc/form/smart/smart_agri_survey201030.html

添付資料

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究推進課

担当者:朝日、吉田、松尾
代表:03-3502-8111(内線5893)
ダイヤルイン:03-3502-7438