• 議事録(PDF形式はこちらから)

日時

2020年10月1日(木)10:10~12:33

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 井上内閣府特命担当大臣、三ッ林内閣府副大臣、吉川内閣府大臣政務官
    (吉川内閣府大臣政務官の「吉」は、正しくは「土の下に口」)
  • 【委員】
    (会議室)山本委員長、片山委員長代理、生駒委員、大石委員、柄澤委員、木村委員、清水委員、新川委員
    (テレビ会議)受田委員、丸山委員
  • 【説明者】
    消費者庁内藤消費者政策課長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 御挨拶(井上内閣府特命担当大臣、三ッ林内閣府副大臣、吉川内閣府大臣政務官)
  3. 消費者のデジタル化への対応について(検討会及びAIワーキンググループの報告書等について)
  4. 閉会

※吉川内閣府大臣政務官の「吉」は、正しくは「土の下に口」

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

  • 議事次第(PDF形式:168KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料1-1】 消費者のデジタル化への対応に関する検討会報告書の概要書 全体印刷版(PDF形式:1942KB)PDFを別ウィンドウで開きます

    【資料1-1】 消費者のデジタル化への対応に関する検討会報告書の概要書 分割版
    表紙から8ページ(PDF形式:1280KB)PDFを別ウィンドウで開きます
    9から16ページ(PDF形式:1325KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料1-2】 消費者のデジタル化への対応に関する検討会報告書(PDF形式:1070KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料1-3】 デジタルプラットフォームを介した取引の利用者向けガイドブック(PDF形式:1067KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料2-1】 消費者のデジタル化への対応に関する検討会AIワーキンググループ報告書(PDF形式:453KB)PDFを別ウィンドウで開きます
  • 【資料2-2】AI利活用ハンドブック~AIをかしこく使いこなすために~(全体版)
    ※資料は消費者庁ウェブサイト(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/review_meeting_004/ai_handbook.html)の
    全体版 全ページ(見開き)[PDF:7.4MB](https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/review_meeting_004/assets/ai_handbook_200728_0002.pdf)を御参照ください。
  • 【参考資料】 委員間打合せ概要メモ(PDF形式:170KB)PDFを別ウィンドウで開きます

《1.開会》

○山本委員長 皆様、本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから、消費者委員会第328回本会議を開催いたします。

本日は、生駒委員、大石委員、片山委員長代理、柄澤委員、木村委員、清水委員、新川委員が、この場に御出席で、受田委員、丸山委員がテレビ会議にて御出席です。


《2.御挨拶(井上内閣府特命担当大臣、三ッ林内閣府副大臣、吉川内閣府大臣政務官)》

○山本委員長 本日は、井上内閣府特命担当大臣、三ッ林内閣府副大臣、吉川内閣府大臣政務官に御出席をいただいております。

初めに、井上大臣より御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○井上大臣 このたび、消費者及び食品安全担当の大臣を拝命いたしました井上信治でございます。

山本委員長をはじめ、委員の先生方、どうぞよろしくお願いをいたします。

消費者庁、消費者委員会は、2009年9月に設立をされ、現在12年目を迎えました。

この間、消費者行政は着実に成果を上げてまいりましたが、デジタル化や決済手段の多様化など、消費者を取り巻く環境が刻々と変化をする中で、消費者行政をめぐる課題も大きく変化しつつあります。

こうした変化に的確に対応しながら、消費者目線に立った行政機能の強化を図るためには、消費者委員会が消費者形成全般に関する監視機能や調査審議機能を十分発揮することが重要です。

本日の議題は、消費者のデジタル化への対応と伺っておりますが、デジタル化の推進は、菅内閣にとって最重要課題の1つでもあります。

消費者行政の分野においても、消費生活相談のオンライン化やデジタル・プラットフォームを介した取引における安全・安心の確保など、デジタル化に関係する多くの課題が存在をしております。

消費者委員会におかれては、こうした新たな政策課題への対応についても、消費者庁等の取組を後押しするべく、積極的に御議論いただくようお願いいたします。

私としても、多くの課題を解決するため、皆様方からの提言をしっかり生かしてまいります。

山本委員長をはじめ、委員の皆様には引き続き御支援、御協力を賜りますよう、お願いを申し上げます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

○山本委員長 ありがとうございます。それでは続きまして、三ッ林副大臣より御挨拶をいただきたいと思います。

よろしくお願いします。

○三ッ林副大臣 このたび、消費者問題を担当することになりました三ッ林裕巳でございます。

井上大臣をお支えし、消費者行政が直面する諸課題にしっかり取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

消費者問題に関しては、デジタル化の進展に伴う新たな消費者問題への対応、引き続き横行する悪質商法への対応、エシカル消費の普及啓発等によるよりよい社会の構築に資する賢い消費行動の拡大など多くの課題があると認識しております。

委員の皆様におかれましては、消費者問題に関する豊富な御見識をもとに御議論いただき、これらの課題解決に向けた忌たんのない御意見を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

ありがとうございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、続きまして、吉川政務官より御挨拶をいただきたいと思います。

よろしくお願いします。

○吉川政務官 お疲れさまでございます。このたび、内閣府大臣政務官といたしまして、消費者問題を担当させていただきます。吉川赳でございます。

三ッ林副大臣とともに井上大臣をしっかりとお支えしてまいりたいと思います。

委員の皆様方の識見を発揮していただいて、是非、よりよい消費者行政を構築していただきますことをお願い申し上げまして、挨拶とさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

○山本委員長 ありがとうございました。

消費者委員会といたしましては、政務三役の皆様のお力添えをいただきながら、今後もより充実した調査審議を進めてまいりたいと思います。

よろしくお願いいたします。

井上大臣、三ッ林副大臣、吉川政務官は公務によりまして、ここで御退席をされます。

(井上大臣、三ッ林副大臣、吉川政務官退室)

○山本委員長 それでは、まず、会議に先立ちまして、いつものアナウンスですけれども、本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、3密を回避しながら、消費者委員会会議室及びテレビ会議システムにより、会議を進行いたします。また、感染拡大防止の観点から、引き続き一般傍聴者は入れず、報道関係者のみ傍聴していただいて開催をいたします。

議事録につきましては、後日消費者委員会のホームページに掲載いたしますが、議事録が掲載されるまでは、本日の会議の様子を、明日、10月2日金曜日15時よりホームページで動画配信いたします。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局よりお願いいたします。

○太田参事官 事務局の太田でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

資料についてでございますが、議事次第の下に配付資料を記載しておりますとおりでございます。お手元の資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出くださいますよう、お願いいたします。

以上でございます。

《3.消費者のデジタル化への対応について(検討会及びAIワーキンググループの報告書等について)》

○山本委員長 ありがとうございます。

本日の議題ですが「消費者のデジタル化への対応について」です。

新しいデジタル機器・サービスの普及等に伴い、消費生活のデジタル化が加速しています。これを背景に消費者庁では、消費者がサービス等を賢く利用することができるよう、デジタル化に対する消費者の向き合い方などについて、消費者教育や普及啓発等の観点から検討を行い、消費者のデジタル化への対応に関する検討会及び同検討会の下部組織であるAIワーキンググループ、それぞれの報告書などを取りまとめられました。

本日は、これらの報告書の内容についてヒアリングし、消費者のデジタル化への対応について審議を行いたいと思います。

本日は、取りまとめを担当された課の消費者庁内藤消費者政策課長にお越しいただいております。

内藤課長におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、どうもありがとうございます。

それでは、30分程度で説明をお願いいたします。

○消費者庁内藤消費者政策課長 政策課長の内藤でございます。よろしくお願いいたします。

もう既に議題がほとんど終わった感のある空気感がないわけではございませんけれども、今しばらくお付き合いをいただければと思っております。

7月に公表されました検討会の報告書の内容について、御説明を申し上げたく思います。

資料が数点ございますが、資料1-1を、お手元に御用意いただければと思います。

表紙をおめくりいただきますと、報告書の構成になってございます。メンバーリスト等につきましては、後ほど本体資料を御確認いただければと思いますけれども、報告書自体の構成は4章立てになってございます。内容については順に、この後御説明をさせていただこうと思います。

まず、右下にページを打っていると思いますが、2ページをお開きいただければと思います。

「デジタル化がもたらす消費生活の変化」ということでございます。

先ほど委員長からもお話がございましたけれども、デジタル機器の普及によりまして消費者の生活に大きな変化が出てきております。

個別のサービスについては、後ほどまた御説明させていただこうと思いますけれども、今般のコロナ禍におきまして、更にデジタル化が加速しているのではないかと思ってございますけれども、2ページ目の右下に示したとおりではございますけれども、デジタルならではの様々なトラブルに見舞われている。そうした消費者のぜい弱性が明らかになってきているのではないかと思っておりまして、従来の若者への対策、高齢者への対策といったようなことだけではなく、全ての消費者に対して、このぜい弱性の部分を、対策を講じる必要があるのではないかということでございます。

ちなみに、もう一枚おめくりいただきますと、個々のデジタルサービスにつきまして、現在どのような課題あるいはトラブルがあるのかといったようなことを示した一覧表をつけております。

細かい御説明は省略させていただきますけれども、SNSと一口に言いましても、それぞれの特徴に応じまして起きているトラブルの種類も異なってきているということも見えてきたということでございます。

次のページをお開きいただければと思います。

こうしたことを踏まえまして、第2章になるわけですけれども、デジタル化に対応して消費者は知識をどのように身につければ良いのかといったようなことを論じているところでございます。

4ページのところは、まず、学校における取組を少しポンチ絵で紹介させていただいておりますけれども、いわゆるデジタル消費者教育については、ライフステージに応じて体系的に進めるということが、当然前提にはなってございますけれども、例えば小中学生につきましては、いわゆる情報教育の取組といったようなところにも期待をしつつ、特に高校生あるいは大学生といったような世代につきましては、再来年になりますけれども成年年齢引下げを踏まえまして実践的な消費者教育というものが必要になってくると、重要であると考えてございます。

右下に少し触れてございますけれども、そのための補助教材の提供の必要性について検討会では提言がなされているところでございます。

次のページをお開きください。5ページでございます。

こちらにつきましては、もう少し上の世代、社会あるいは地域における取組を示してございます。社会人、高齢者に対して、デジタル消費者教育というものも不可欠でございます。効果的な教材の共有というのはもちろんのことですけれども、特に、その関係者あるいは場というのが、うまく構築されるように、その機会を確保すべきとしております。

細かい具体的な取組につきましては、報告書本体には書いてございますけれども、今後、消費者教育推進会議の検討の場を移しまして、議論を継続すべきということになってございます。その意味での細かい中身の詰めというのはそちらで行われるということでございます。

6ページ目でございます。

検討会におきましては、消費者教育とは別に、消費者向けの普及啓発といったようなことについて検討をしてございまして、上の枠囲いのところにございますけれども、消費者はデジタル化によりまして、入手手段が多様化をしております。SNSなどは典型的だと思いますけれども、そうしたことに対応しまして、当然行政側はもう普及啓発の取組を工夫あるいは強化することが必要ということでございまして、デジタル技術を活用して訴求効果の高い手法を採用して、戦略的に展開すべきとしてございます。

ポンチ絵の中に具体的な取組を幾つか書いてございますけれども、例えば左上にありますようにPRプラットフォームの活用と、PRプラットフォームは、ちょっと聞きなれない言葉だと思いますけれども、いわゆる従来のプレス向けに加えまして、ウェブメディアに対して直接リリースを配信するといったようなサービスでございます。こうした手法を活用するというようなこと。

それから、右上にございますけれどもSNS、ブログあるいは動画サイトといったように、発信メディアも多様化させる必要があるのではないかということでございます。

併せまして、真ん中に少し触れてございますけれども、オンラインを想定した教材の開発が必要と指摘されてございまして、いわゆる紙媒体だけではない動画のコンテンツですとか、いわゆるスマホアプリと言われている類のもの、こうしたようなものの必要性も指摘をされているところでございます。

次のページからデジタル時代ならではの個別のサービスにつきまして、どういう課題があり、何に取り組むべきかということを御紹介しております。

まず、7ページをお開きいただければと思います。

最初は、プラットフォームの関係でございます。

デジタル・プラットフォームにつきましては、様々なトラブルが発生してございます。報告書には触れてございませんけれども、互換性のバッテリーが発火して火事になった、あるいは、プラットフォーム上で、いわゆる偽ブランド品が売られていたといったような問題が報道等もされているところでございます。

一方で、左上のグラフをちょっと御覧いただければと思うのですけれども、例えば緑の枠で囲ったところを御紹介させていただきますと、消費者がプラットフォームサービスを利用されるときに、どれぐらい注意されているかというのを緑のところで御覧いただきたいと思うのですが、例えば利用規約でございますけれども、いわゆる主要なサービスについても、1割程度しか確認をしていないこと。それから個人情報あるいは利用履歴の取扱いといったことについても、1割前後しか確認をしていないということが実態としてデータが上がってきてございます。

これは、なぜかということでございますけれども、左下にちょっとイメージ図をつけてございますけれども、簡単に言いますと、また上に返っていただいて恐縮なのですが、枠囲いの1つ目のマルでございます。

消費者は、プラットフォーム企業のブランドあるいは対応というものを信用して取引に入っているのではないかと捉えております。

アマゾンからペットボトルを買いましたという人が結構多いと思うのですけれども、実際に売っているのはアマゾンではなくて、アマゾンに出店しているお店であります。そういう意味でその辺、アマゾンから買っているから安心だと捉えられているのではないかということでございまして、お店側からすると、その分、信用力といったようなものがリアルの店舗に比べてかさ上げされている可能性があるといったようなことでございます。

そうしたようなことを踏まえまして、次のページを御覧いただければと思いますけれども、枠囲いの中でございますけれども、プラットフォームでの取引は非常に便利なわけでございますけれども、ただ一方で、実際に発生し得るトラブルというのをしっかり理解していただいた上で、トラブルに遭わないように利用していただくことが必要であろうということでございまして、本日は資料の1-3につけてございますけれども、内容は恐縮ですけれども、説明は省略させていただきますけれども、プラットフォームを介した取引の利用者向けガイドブックというものをまとめて、報告書に先立って、これは公表をさせていただきました。

ただ、今、御覧いただきますと、小難しいものになっておりまして、これは改めて、もう少しライトユーザー向けにパンフレットを作って、公表する予定ではございますけれども、できればこれぐらい知っておいていただきたいという問題意識の下に、ガイドブックを作成してございます。

その他、留意事項ということで、8ページの真ん中のところに、こうしたことを確認してくださいということを消費者に呼び掛けてございます。

加えましてプラスの下、一番下のところでございますけれども、プラットフォーム企業による取組というのも重要でございます。

これは、この検討会とは別の検討会で議論がされてございます。これは、改めて別の機会に御説明する機会をいただいていると聞いてございますので、そちらについては省略させていただきます。

9ページ目がSNSの関係でございます。

こちらは現状を書いてございます。枠囲いのところで、SNS関係の相談件数が、この5年で2.5倍に増加したと書いてございますけれども、この図からは非常に見づらいのですけれども、特に中高年のトラブルが増えてございます。

年代を平均しますと2.5倍ですけれども、例えば50代ですと3.2倍、それから60代においては4.1倍になっております。70代は3.5倍というようなことで、中高年の消費者へのSNSの普及とともに、トラブルが増加しているというような状況でございまして、ポイントは、実はそのSNSそのものに問題があるわけではございませんで、SNSをきっかけとしたトラブルが問題であるということでございます。

左下以降、いろいろと書いてございますけれども、いわゆるSNSの広告がきっかけとなってトラブルに巻き込まれる、あるいは、真ん中にありますようなSNSで知り合った人からの誘いがきっかけでトラブルになるといったようなケースが、SNS関連のトラブルとしては非常に多いということでございます。

それから昨今の話題としましては、枠囲いの3つ目の黒マルでございますけれども、コロナ禍において、いわゆる根拠のない情報、デマのようなものが、SNSを通じて拡散したというような指摘がございました。春先にトイレットペーパーが店頭からなくなったようなものが、ある意味、消費者問題として取り上げられていたかと思います。

今回は資料をつけてございませんけれども、デマが広がる背景には、悪意のものだけとは限らないというのも1つ分かってまいりました。これは、デマですよ、信じないでくださいといったようなSNSが拡散されるですとか、あるいはそういうデマによって、この店でトイレットペーパーがなくなってしまったという写真入りの投稿が拡散するといったようなことで、結果としてトイレットペーパーが店頭から消え失せてしまうというようなことが実際に起きているわけでございまして、そういう意味で、悪意のものとは限らないという辺りが非常に根の深い問題だなというような認識がございます。

今後の取組方針が、次の10ページ目に少し触れてございます。

いろいろ書いてございますけれども、どちらかというと個別の事象に一つ一つ対応するというよりも、もう少し根本のところで、しっかりと事業者団体と連携をしまして、取組を進めるべきというような指摘をいただいてございまして、事業者団体そのものが、この春先にまだできたばっかりでございますので、私どもとしては事業者団体と連携しながら、どういうふうに取り組んでいくのかというのを、今、検討を進めているところでございます。

11ページをお開きください。こちらはゲームでございます。

かなり私も世代的には難しくなってくる感じではございますけれども、トラブル自体は、枠囲いの一番上にございますように、低年齢化をしてございます。

左下にトラブルの世代別の内訳をつけてございます。10年前の20歳未満の青いところを御覧いただければと思いますが、割合としては2割以下でございました。それが一番下56.9パーセントと書いてございますとおり、半分以上が、現在は未成年が関わるトラブルと、ゲームの場合はなってきてございまして、枠囲いの一番上に書いてございますように、いわゆる高額課金と言われている相談が増えてございます。

高額課金と申しますのは、例えば親御さん、保護者のスマートフォンあるいはクレジットカードを勝手に使いまして、有料のゲームをするということでございまして、普通の方の感覚だと5,000円ぐらいでしょうと思われるかもしれませんが、これが人によっては数十万から数百万というような事例が実際に出ておりまして、加えまして、繰り返しこういう問題を起こすというようなことがございまして、一番下にございますような、いわゆるゲーム依存といったようなところにも関わってくるのかなと考えているところでございます。

対応につきましては、12ページをお開きいただければと思います。

枠囲いのところにポイントをまとめてございますけれども、まず、業界における自主的な取組を進めるということが重要だと思います。ゲームにつきましては、ペアレンタルコントロールという、親御さんがプレイ時間などを制限できる機能をゲーム業界では推奨しているわけですけれども、この資料にはちょっとつけてございませんが、実際にペアレンタルコントロールを使用している親御さんは2割しかございません。4割の方はペアレンタルコントロールを知っていても使っていないといった状況にございまして、本人だけではなく、御家族においても、トラブル防止のための取組というのが重要ではないかと考えております。

それから、ゲーム障害の問題を踏まえと書いてございますが、恐縮です、これもちょっとつけておらないのですけれども、ゲーム障害については新常識、新しい常識がございます。頭ごなしの禁止は逆効果でありまして、私も親世代ですので、思わずゲームを割りたくなる今日この頃ですけれども、そういったのは完全に逆効果でありまして、実際の最先端の病院の取組でも、ゲームを取り上げるというようなことは一切せずに、御本人に、コントロールをさせるように促す、そうした取組が進んでいるようなことでございますので、そうした状況といいますか、知見なども踏まえながら、消費生活相談の現場で適切な対応を促す。

ギャンブル依存症も同様でございますけれども、いわゆる多重債務なり高額課金の相談が寄せられたときには、従来は法律事務所などを、いわゆる借金の整理という形で窓口を御紹介することが多かったわけですけれども、特にこういう少し依存の傾向、障害の傾向がある場合には、現在、ギャンブルについては、民間団体ですとか、地元の医療機関を紹介していただくように相談員にお願いをしております。ゲーム依存につきましても同じような形で、適切なところを紹介できるようなマニュアルを整備するといったことを含め、ゲーム業界あるいは民間団体、そういったところと連携しながら普及啓発等の対応をしていくべきという指摘がされているところでございます。

続きまして、13ページでございます。

キャッシュレス決済でございまして、ポイントは枠囲いの1つ目の黒マルでございます。キャッシュレス決済の発展普及に伴いまして、その手段の多様化、それから決済の重層化というものが見られます。多様化は比較的分かりやすいと思います。

左下に書いてございますけれども、一覧表をつけてございますが、従来キャッシュレスといえばクレジットカードが一般的でございました。少し経ってから、いわゆるデビットカードみたいなものが出てまいりまして、最近では電子マネー、ギフト券、恐縮ですが、ちょっと字が薄いのですが、それからサーバー型電子マネーと書いております。いわゆるプリペイドギフトと言われているようなもの、書いてございませんが、携帯電話の料金にまとめて収納、支払うようなキャリア決済といったような仕組みもございます。

特に若人、若い世代では、いわゆるコンビニで売っているギフトカード、プリペイドギフトと言われているものが非常に使われている。最も未成年者が使っているのがコンビニで売られている5,000円とかのカード、あれでございますけれども、支払いの重層化のイメージとしましては、例えば、若人がキャリア決済で、コンビニで、例えばiTunesギフトといったようなカードを購入いたします。

それを使いまして、スマホのゲーム内で、ゲームコインを購入しまして、そのゲームコインで、ゲームのアイテムを購入するということで、分かる人に分かるのですけれども、ゲームをやったことがない人にはさっぱり分からないと思うのですが、今ので言いますと、決済手段を3回使っている。一度に3回使ってほしいものを購入するというのが、ここで言う重層化というものでございます。

ちなみに、ゲームコインを買うだの、アイテムを購入するだの、いろいろ申し上げましたけれども、この辺りは実はちゃんとした制度がある一方で、キャリア決済につきましては、いわゆる確固たる制度というものがございません。そういう意味での制度の整備、未整備というのが決済手段によって分かれているということ。当然、クレジットカードなどに比べますと、被害に遭ったときの救済というものも限られてまいります。

加えまして、右側の図も少し御紹介したいと思います。

これは、決済代行業者という存在が大きくなってきているというものでございまして、決済代行業者を、簡単に商店街のクレジットカードの例で申し上げますと、商店街の一軒一軒のお店はなかなか信用力が高くないということで、クレジットカード会社と契約するのがつらい、端末が置けないというようなことが、以前ございました。

そうした場合に、商店街の理事会がまとめてクレジットカード会社と契約をしまして、端末を各お店に置くといったような場合の、商店街がここで言う決済代行業者のイメージでございますけれども、昨今は、ネットショップでは、クレジットカード以外に電子マネー、QRコードですとか、あるいはキャリア決済といった様々な手段を提供しないとなかなか買ってもらえないというような状況になっております。CMで、そのたぐいのもよく流れているのは御覧になっておられるかと思いますけれども、そうした場合に、一つ一つのサービス会社と契約するのが大変だということで、一括して決済手段を提供しているところと契約すると。その一括してサービス提供してくれるのが、この決済代行業者というものになってくるわけですけれども、右下に少しグラフをつけてございますように、大手の通販サイト以外のところが、相当程度決済代行業者を利用しているにもかかわらず、少なくとも消費者行政の現場では、その実態を把握できておりません。

結果として、枠囲いの一番下にございますけれども、黒マルの3つ目でございますが、そうした手段の多様化、重層化、それから決済代行業者の登場といった複雑な状況の中で、いざトラブルが発生したときに、相談現場での対応が非常に難しくなってきているという現状が起きている、問題が発生しているということでございます。

そのための対応としては、14ページに少しつけてございますけれども、消費者の皆さんの対応としましては、いわゆるお金の管理をしっかりしてくださいといったような基本的なことは、是非、お願いしたいと思っておりますけれども、それに加えまして行政側で、先ほど申し上げましたような実態をしっかりと把握した上で、それを踏まえた啓発資料の作成、情報提供をすることが必要であるということが提言されているということでございます。

最後15ページ以降で、「AIその他の新しいデジタル技術への対応」ということで書いてございます。

こちらにつきましては、親会とは別にワーキンググループを設けて議論をしてございました。

恐縮ですけれども、資料2-1をお手元に御用意いただければと思います。

こちらは恐縮です、ちょっと概要資料がございませんので、かいつまんで報告書の内容を御説明させていただきたいと思いますけれども、AIをめぐる動向としましては、いろいろと、ちょうど目次を御覧いただきますと、政策動向ということで、3ページ以降に、各政府機関の取組を書いてございますけれども、実際に私どもで、利用動向についてアンケート調査を行った簡単なグラフが5ページにございます。資料2-1の5ページの上のほうを御覧いただければと思いますけれども、ちょっと見づらくて恐縮なのですが、一番右側、縦軸が利用経験あり11.6パーセントというところでございますが、こちらを御覧いただきますと、皆さん、今後も利用したいと答えておられるのですけれども、一方で、真ん中、利用経験なしのほうを御覧いただきますと、今後も利用しないと言っているような人が半数近くいらっしゃるというようなことで、このまま何もしないと、恐らくAIを利用する人と利用しない人が二極化していくであろうというのが、アンケート結果から示されてございます。

これに対する方策についても、そのまま5ページに少しつけてございますけれども、対応としましては、まず、1つ目としまして、技術に余り詳しくない人でも理解できるような説明が求められているのであろうということでございます。

それから、6ページ目も、すみません、ちょっと見づらくて恐縮なのですけれども、消費者がどういうことを求めているのかというところでございますけれども、いわゆるデータの取扱いなり、セキュリティの問題、こうしたところについて、消費者は事業者に対策を求めているということが分かってまいりました。

そうした意味で、今、申し上げた2点について、しっかりと消費者に説明をして懸念を払拭する必要があるであろうということでございます。

実際にAIについてどういう利便性、リスクがあるのかといったこと、これも詳しくは御説明いたしませんけれども、7ページに、様々な利用シーンにおいてメリットとリスクというものをつけてございますけれども、こうしたメリット、デメリットを、うまく説明を消費者に対してしてあげる必要があるであろうということでございまして、今日は、どんどん行って申し訳ありません。

10ページ目のところにございますように、3ポツのところでございますけれども、想定されるリスク、留意点を整理した上で、しっかりと消費者に周知をしていく必要があるであろうといったことでございます。

この辺りの問題意識を踏まえて作成したのが、資料2-2にあります利活用のハンドブックでございます。こちらも簡単に御紹介をさせていただきたいと思いますけれども、こちら2-2が全体版でございまして、これと別にパンフ版も作ってございますけれども、御覧いただきますと、上の帯が緑になっているところと青くなっているところがございまして、最初のほうが基本編という形になってございます。

まず、AIにつきまして分かりやすく解説をしている部分というのが、緑の基本編でございます。

ちなみにその後ろのほう、今日はちょっと御紹介を余りしませんけれども、上のほうが、青帯になっているところというのが、これが応用編でございまして、利用シーン別、スマートスピーカーですとか、あるいはスマート家電といったようなものを使う、利用するにあたって気をつけていただきたいことということを、利用シーン別に青帯のところで示しているということでございます。

基本編だけ簡単に改めて御説明しますと、1、2ページで、身の回りのどういうところにAIが使われているのかをまず示してございまして、その次に、AIについての漠然とした不安を、まず、払拭していただきたい、利用者の二極化を防ぐために、まず、AIの利便性から説明をしております。

私どもが作る資料としては、割と珍しいメリットから入っている形にしてございまして、まず、メリットを説明した上で、AIとはどういうものなのか、仕組みですとか、AIの制約、何ができて何ができないのかといったようなことを分かりやすく解説を加えてございます。

例えば、左下にページが入っているかと思いますけども、7ページの下の部分などを御覧いただきますと、AIというのはこういうことができませんということで、意外と知られていないのはマル2でございます。言葉の意味を理解することといったようなことは知られておりません。東大受験するためのAIなどができている、と一時期報道されましたけれども、決して問題文を理解してやっているわけではないということは、意外と知られていないのではないかと思っておりまして、そうしたことについて、ここで改めて解説するとともに、賢く使っていただくためのチェックポイントを整理しているといったようなことでございます。

そのチェックポイントの中身を詳しく説明、解説したものが青枠、この後ろのところになってくるわけでございますけれども、ちょっと時間がオーバーしてございますので恐縮です、今後は、こうしたハンドブックを消費者の方に配付しまして、いろいろな場で周知をしまして、加えて消費生活相談員、現場の消費者をサポートする人たちにも研修を実施するなどして知識の普及を図っていきたいと考えているところでございます。

長くなりましたが、私からの説明は以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は、お願いをいたします。いかがでしょうか。

それでは、清水委員、お願いします。

○清水委員 ありがとうございます。清水です。御説明ありがとうございました。

早速ですが、資料1-1のキャッシュレス決済、13ページから14ページのところでの質問でございます。

相談の現場では、ここ特に4年間、キャリア決済と後払いシステムの野放しの状態で、その関連に伴う被害が急増しております。是非ともコロナ禍で、急増している相談もありますので、この機会に一気にキャリア決済、後払いシステムについては、クレジットカードのような割賦販売法の加盟店管理ぐらいのものを、是非、形にしていただきたいと思っております。

そこで、14ページ、消費者向けの情報提供というところの行政の役割のところにあるのですが、まず実態を調査するということで、どんなスピード感でもって実態調査をやられ、消費者向けの情報提供はもちろんなのですが、法規制まで必要かと思いますが、具体的に決まっているところをお聞かせいただけたら有り難いです。

よろしくお願いします。

○消費者庁内藤消費者政策課長 ありがとうございます。

まず、キャッシュレス決済の冒頭の前段の部分のクレジットカードでございます。これチャージバックという制度でありますけれども、詳しくない先生方が、もし、いらっしゃれば念のためですけれども、これは制度上、チャージバックは保証されているわけではございません。あくまで、事業者のボランタリーな、いわゆる格好よくいうと御好意でお金を返していただいている制度であるということは、1つちょっと申し上げておきたいと思います。

それから、後段の実態調査の部分ですけれども、とにかく、御指摘のように急がなければいけないということで、近々に調査は開始する予定でございます。ちょっとスケジュール感があれなのですが、もう準備は進めておりますので、今年度中に調査結果まで出して、それを踏まえて、今後の普及啓発資料ですとか、教材とかに反映をしていく予定にしてございます。

ひとまず、以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございます。そのほかにいかがでしょう。

○清水委員 今の教材の部分ですけれども、例えば教員向けとか消費生活相談員向けに、消費者庁が全国で共通のツールとして使用できる「社会の扉」の冊子とパワーポイントを作っていただきました。2年前に消費者教育推進会議の委員をしていましたが、その時にスピード感でいろいろな教育のツールの作成をお願いしましたが、2年経っても増えていません。学校の現場では、すぐ使えるツール、動画等を求めています。今後、消費者推進会議に委ねるということなのでしょうか。

○消費者庁内藤消費者政策課長 ありがとうございます。

非常にタイミング的に微妙なので答えづらいのですけれども、いわゆる消費者教育とは少し切り離した形で、先ほど、消費者教育と啓発を少し分けて報告書で提言していると書いてございましたけれども、どうしても教育という形でやりますと、体系的にやらざるを得ないというところが出てまいりますので、推進会議の議論とは、ある意味ちょっと離れた形で、啓発用の教材については作りたいと思っておりまして、この夏に私たちの第2本部として徳島に戦略本部ができております。そちらの新しいプロジェクトとして、デジタル時代にふさわしい教材、これまでの啓発の資料というのは、基本的に紙媒体がメインでありました。いわゆる動画とかアプリというのは、ほぼほぼない、数点しかないような状況でございますので、そういう動画、アプリといったようなものを、できれば来年度中に開発できるように、今、プロジェクトを立ち上げる準備を正にしているところでございます。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、木村委員、お願いします。

○木村委員 木村です。御説明ありがとうございます。

デジタル・プラットフォームということで、いろいろな問題が起こってくるところで、いろいろガイドブックなどを作成していただいて、啓発に今後取り組んでいくということで、先ほどの御説明ですと、ライトユーザー向けにはパンフの作成ということと、今の御回答にもありましたが、動画などでということなのですが、やはりこういった情報は、確かに相談員の方ですとか、学校教育をされる方にも必要なのですけれども、一番必要なのは、実際の消費者にどのように提供していくかということだと思います。

こういう紙媒体とか動画とかをどのように一般の消費者の方に提供していくかということを、もし、今、分かっている範囲でお答えいただければと思います。

例えば、私がちょっと思いついたのは、パンフレットは紙媒体ですから、一々PDFで見るのもとても大変なので、ネットでQ&Aみたいなものがあったらいいなと思いました。

それとか、先ほどの御説明にありましたけれども、利用約款などを見るのが、大変、皆さん割合が低いというお話ございました。

確かに何の契約にしても、何を通じても、日本語がわっと文字が小さく書いてあると見る気がしないというのは、とても分かります。そういったところをどう克服していくのかと、その辺のところをちょっとお聞かせいただければと思います。

○消費者庁内藤消費者政策課長 ありがとうございます。

まず、プラットフォームも含めてだと思いますけれども、どのように情報提供していくのかというところからお答えさせていただきたいと思います。

紙媒体では、限度があるだろうという指摘は検討会の中でもございまして、そういう意味でも、消費者教育とは別の普及啓発というチャプターを作ったわけでございますけれども、先ほど申し上げたPRプラットフォームサービスというようなところは、いわゆる大手メディアが取り上げないようなニュースを流すネットメディアを選択して、そこにリリースを流すというようなことが可能になっております。そうしたものの活用などは想定をしてございまして、今年度中にそのPRプラットフォームサービスの試行はもう始めることにしております。その効果測定をした上で本格的に活用するかどうかは、結論を出す予定にしてございます。

それから、まだ具体的な取組としては進んでおりませんけれども、SNSと連携をした情報発信ですとか、それから現在のデジタル広告の仕組みで、いわゆる運用型と言われている閲覧者の属性を踏まえて、その属性に合わせた広告を出すというようなことが可能になっております。今後、動画コンテンツを配信するに当たっては、そういったような仕組みを活用してコンテンツを促すというようなことなどを考えているということでございます。

特にそのSNSとの連携というのは非常に大事だと思っておりまして、私ども当然、消費者庁のウェブサイトというものを持っているわけですけれども、ちょっと極端な言い方をすると、消費者庁のウェブサイトを見るような人は消費者被害に遭わないわけでして、そういうのを見ないような人にどうやって情報を届けるのかということについて、ちょっとデジタルの最近の技術なり、サービスを活用してやっていきたいと思っております。

それから、Q&Aの話はございました。先ほどちょっと申し上げた教材開発の中でスマホアプリの話は申し上げましたけれども、そういうスマホアプリの中で、実はQ&Aというのでしょうか、あなたは、お小遣いたくさんほしいですかみたいなことを、イエス、ノーでずっと答えていって、だまされやすい度をチェックしてみるといったようなスマホで、ゲーム感覚で必要な知識を得ることができるアプリの開発みたいなことも、来年度のプロジェクトとしては想定をしているところでございます。

利用約款は非常に悩ましくて、検討会では、実はブラジルの消費者団体の事例を紹介させていただきました。これは消費者団体の方が、いわゆる利用規約をアプリというかスマホでスキャンをしまして、そうしますと、その膨大な利用規約の中から消費者が注意しなければいけないことをAIで教えてくれるという、すみません、スペイン語か何語か分からなかったので私よく分からなかったのですが、そういう非常に便利な機能がございまして、そういうのを開発している団体も、消費者団体とかでは存在しているという話も検討会で出させていただいておりまして、行政の手がなかなか回らない部分については、そういう民間の取組といったようなことも重要ではないかということで、その意味でのデジタル化に対応した消費者の団体の組成の必要性みたいなところについても、報告書の中では提言がされているということでございます。ちょっと後段は余り答えになっておりませんでしたけれども、以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございます。

その他にいかがでしょうか。

それでは、生駒委員、大石委員の順によろしいですか、お願いします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

非常に対策が着々と練られていると聞きまして、心強く思っていますが、AIに関する啓発、教育は急務だと思います。日々刻々、状況が変わっていってしまう。ですので、こういったプログラムもどんどんアップデートしていく必要があると思います。1つ、資料1-1のページにプラットフォーム企業が載っていましたが、リアルな世界ですと、これは百貨店に当たるのですね。百貨店は実際には信用商売で、そこで取り扱っている商品に不具合が出ると、百貨店が責任を負うような、そういう歴史が長くリアルな世界ではありまして、それがデジタルに移ると、デジタルのプラットフォーム企業が、実は姿が見えない。そして直接事業者から送られてくる。

私も先日、お水を頼んだらマットレスが届きました。すごくびっくりしたのですけれども、マットレスの表示にお水と書いてあるのですね。ですので、そういう手違いというのは時々、私も初めてだったのですけれども、その場合は、このプラットフォーム企業に電話をしたら、適切にお水を運んでいただいて、それと引き換えに、間違って届いたものを渡してよかったということで解決はしたのです。大分その辺りは解決していくスピードが速くなっていると思うのですが、消費者庁から具体的にこうしたプラットフォーム企業への働きかけというものをどのようになさっているのか、現状をお聞きしたいということが1つです。

あと学校教育の中で、今、お聞きしたようなAIに関する教育は授業化されているのでしょうか、授業の中に取り込まれているのか、あるいは課外授業的に行われているのか、非常に重要な点だと思います。我々の世代と違って、子供達は、100パーセントデジタルの意識の中で生まれ、育っていきます。ですので、我々以上にデジタル世界を信用していたり、依存してしまう傾向は強いと思います。ですので、そういった教育面のことをお聞きしたい。

あと、取り残される社会人としては、高齢者と主婦層のような方々ですね。企業に属している方はまだ情報が入るのですけれども、ずっと家にいる方々は、ほとんどテレビや、そういったところからしか情報が得られない。社会人に対する啓発活動はどうされているのかという問題があります。その点で、先ほどのアプリを開発されるというプロジェクトはすばらしく、有意義だと思います。

と申しますのは、3つ目はフィッシングが今すごいことになっていまして、さすがに我々も3億円差し上げますと言われて、誰も信じませんけれども、そういった情報が、大手銀行から来るのですね、公式の情報ですと書かれていたり、いろいろな大手の企業の名前を使って、フィッシングが、ここ1か月急増して、これは一体何が起こっているのかなと私も疑問に思っているのですが、消費者庁としてフィッシング詐欺、そういったものに対して何か対策を取られていますかと。

結局信じてしまう消費者の心理というのが、やはり被害につながると思いますので、先ほどの、与えられた情報を信じるか、信じないかというアプリの開発は、すごく有効だと思います。

教育の中にそういった部分、情報を見てすぐ信じない、という意識改革を持ち込むことは重要です。非常にプライベートな形で、テレビよりも、情報が届きますので信じてしまう。そこでネット上で出会った人と実際に会って、犯罪が起こったりもしています。与えられた情報はまず疑ってかかるというか、客観化していくような、何かそういった教育も必要かと思います。

その点について、お伺いできればと思います。

○山本委員長 ありがとうございます。

では、大石委員まで伺って、お答えをいただきます。よろしくお願いします。

○大石委員 ありがとうございます。大石です。

まず、先ほどの生駒委員のお話と関連した部分ですが、教育に関して質問です。現在、世の中、デジタルに関する教育というのは必須のものだと思っておりますが、その意味では、消費者庁だけではなくて、文科省ですとか、あと携帯関連のことであれば総務省ですとか、それから、最近話題になっております今後、創設されると言われておりますデジタル庁ですとか、いろいろな省庁や機関で同時に行われると思うのですけれども、その辺りの連携というのはどうなっていくのだろうか、というのを1つお聞きしたいと思います。

加えて、今回、このコロナ禍で、学校側もデジタルで教育を行いたいと思ったとしても、まず、そのハードの面の整備ができていないことが明らかになりました。余りあってはほしくないですけれども、今後また、いろいろなことが起こるたびに、教育の現場では、やはり同じように整備が不足しているということが問題になるだろうと思うのですけれども、その辺りの対策について、どのようなお話があったのかというのを、もし、お聞かせいただければお聞かせいただきたいと思います。

もう一点は、今回の取りまとめの中では、主に教育のことなどが多かったと思うのですが、やはりデジタルの社会が当たり前になってくると一番そこで肝になるのか広告の部分、特にアフィリエイト広告の話が出ていましたし、今後も問題になると思います。

それと、あとは決済や解約についてですね。訪問販売は、クーリングオフが効き、通信販売は効かないという事実があるわけで、通信販売でいきなりクーリングオフを認めて欲しい、というわけではないのですけれども、少なくともコロナ禍で、また高齢化等で外に買い物に行けない人が日々の買い物のためにデジタルのプラットフォームを利用するという、そういう必然性が高まっておりますので、解約や決済におけるいろいろな消費者保護の部分というのは、これから避けては通れない課題だと思っております。その辺りの検討についても、もし、何かありましたら教えていただければと思います。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、お願いできますでしょうか。

○消費者庁内藤消費者政策課長 ありがとうございます。

生駒委員の御質問、御意見から順に、ちょっとコメントさせていただければと思います。

まず、デジタル・プラットフォームの出店者とプラットフォーム企業との関係について少し御説明を、消費者庁の取組ということで、御質問はいただいていたかと思いますけれども、これについて少し御説明をさせていただこうと思います。

先ほどの大手プラットフォーム上で偽ブランド品が売られていたといったような問題につきましては、明確に法律違反でございますので、特定商取引法に基づいての行政処分というのを実際にやってございます。

ただし、問題なりましたのは、実際に処分はしたわけですけれども、処分した相手が、実態が見えないのですね。出店者は、現状、ネットの店舗というのは、正に実態がありませんので、簡単につくれてしまうと。

例えば、住所とかを登録させるにしても、よくよく調べると、実はレンタルオフィスだったみたいなことは、今回の事案に限らずございまして、結局実態が見えないということで、今回は公示送達という、本人に直接処分内容を伝えられない形で、一般的な注意喚起に近い形での処分になってしまったというようなことがございました。

これに限らず、いろいろとトラブル事例、例えば、コロナ禍で言いますとマスクの高額転売といったようなことについても、働きかけはしておりますけれども、なかなかやまないというようなことで、最後はマスク、消毒液については転売禁止を制度整備するというような事態にはなってきましたけれども、私どもの取組はやっておるのですが、一定の限界があると思ってございます。

その中で、これはもう一個の検討会のものを、またやりますが、出店者とプラットフォームといいましょうか、プラットフォーマーに、先ほど百貨店の事例も御紹介いただきましたけれども、あれほど立派な対応ができるかどうかは、とりあえず置いておいても、消費者と出店者の間に生じたトラブルについて、一定程度プラットフォーマーに、何がしか責任を果たしていただく必要があるのではないかという問題意識は持ってございます。

もちろん、名の知れた大手のプラットフォーマーについては、トラブルが生じたときの補償問題などのアフターケアは、かなりしっかりはしております。

ただ一方で、そういう問題があるようなお店をプラットフォーム上に出すときの出店の審査の部分が十分にできているのであろうかというようなことですとか、それから、中小のプラットフォームで申し上げますと、トラブルが実際に出店者と消費者の間で生じたときに、十分な対応をしていただけるのであろうかと。

例えば出店者の情報を教えてくれるのであろうかとか、我々消費者側としては、出店者の連絡先が分からなければ、これはもうどうしようもないわけですけれども、そういう連絡先とかをきちんと教えてもらえるのであろうかといったようなところは、問題としてございます。

一方で、プラットフォーム事業者からすれば、個人情報なので軽々に教えるわけにはいきませんといったような実態もあるわけですけれども、その辺も踏まえて出店審査のときにしっかりと調べていただいて、正しい情報をプラットフォーム上に掲示をいただき、何かトラブルがあったときには、きちんと情報提供なり、場合によっては間に入って仲裁をしていただくといったようなことが必要なのではないかと。

それを確保するために、プラットフォーム事業者の自主的な取組を促す形での制度的な対応は、当然必要になってくるのかなと考えているところでございます。

1点目が長くなって大変恐縮です。

それから、生駒委員の2点目、AIに関する教育の部分でございます。

先ほど少し申し上げましたように、教育は非常に体系化されておりまして、その体系の中に、体系に組み込まれていないとなかなか教えることができない形になっております。

最近、いわゆる指導要領の更新が現行化された中で、特に情報科という科目についてはプログラム教育というものの容量というか分量というかが非常に増えております。

その中で、AIに関する教育とかがもしできるのであれば、やっていただけるのかなと思っておりますが、恐縮ですが、実際にできるかどうかまで私も把握してございませんので、大変恐縮でございます。

それからフィッシングの関係でございます。先ほど大手銀行から来るみたいな話がございましたし、ほかにいろいろ来ていると思いますけれども、恐らくメールではなくて、SNSで来ていると、メールですか、最近聞いていますフィッシングの関係、実は非常に多いのがSNSのメッセージがきっかけになっておりまして、そういう意味で、先ほどちょっと申し上げたような個別の事象に対応するというよりは、SNSの利用の部分については、事業者と協力しながらどういう対策をすべきなのかという、その根本的なところからの対策が必要かなと思っておりまして、今、それにきれいな解決策が、実はあるわけではなくて、これは事業者団体とよく相談しながら、そこの意思疎通は今しておりますので、事業者団体とよく考えながら取組をしていきたいと思ってございます。

それから、大石委員から、およそ3点、御質問、御意見をいただいているかと思います。

まず、教育に関する連携の部分でございまして、今回のデジタルに関する教育につきましては、まだきちんと明確に申し上げることができなくて恐縮なのですが、おっしゃったような文科省はじめ、そうした役所との連携については当然模索をしているところでございまして、しっかりと、そういう意味では連携をして取り組んでいく所存でございます。

2点目、コロナ禍での学校の授業における情報の利用環境について御質問いただきました。

少なくともハード面については、GIGAスクール構想ということで、文科省主導で進めておりまして、コロナ禍において取組を加速しておりますので、いわゆるインフラ部分については、すみません、時期はど忘れしましたが、かなり早い段階で整備ができると聞いております。

最近、先進的な都道府県においては、いわゆるインフラの上で使うための端末、タブレットといったようなものについても、生徒さんに配るというような取組は、先進的な県で幾つか、全ての高校生に配るみたいなことを、既に表明している県も幾つかあると聞いておりますので、そういう意味では取組が進んでいると思います。

一方で、私どもも特定の県といろいろとお話はさせていただいていますけれども、タブレットを配った後、では、それで何をやるのですかという問題がありまして、その辺りについては、消費者庁としては、その端末を使って是非デジタル消費者教育をやりたいというようなことで、うまくウイン・ウインの関係になるように調整をしているところでございます。

それから3点目、広告の部分と決済の部分です。

決済は先ほど申し上げましたように、対策については、まず、キャッシュレスの実態把握を調査した上で、問題があれば、当然、制度整備も含めて対策が必要であろうということで、関係の省庁に対しては、当然こういう調査を始めますということは、話をしておりまして、調査結果が何がしか問題点が出てくるようであれば当然連携して、今後の対応はしていきたいと思いますが、現時点ではちょっと分からないことが分かっているという、ある意味、本当に手のついていない状況ですので、まず、しっかりと調査から始めたいと思っております。

それから、広告の関係につきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、SNSの関係での広告ですね。先ほど大石委員からアフィリエイトの話がありましたけれども少なくともこの検討会で議論されたときに、SNS上で問題になっているのはアフィリエイト広告ではなくて、いわゆる運用型広告と言われているものであると。一時期アフィリエイト広告もちょっと、どうなのだろうという時代はおっしゃるようにあったのですけれども、最近は業界の取組で、アフィリエイトの方が改善されている一方で、運用型広告にいろいろと問題があるのではないかというのが、ちょっと指摘をされているところでありまして、たまたま場がSNSだということもありまして、そういうのも含めてSNSの事業者団体などとはよく、何ができるのかというのは相談をしていきたいと思います。

ちょっと答えが全部不十分で恐縮なのですが、ひとまず以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、オンラインで参加をされている丸山委員と受田委員から御発言の希望ございましたので、丸山委員、受田委員の順にお願いします。

丸山委員、お願いします。

○丸山委員 丸山でございます。

2点ほど確認点と、要望というものがあります。

まず、1点目ですけれども、AI、デジタルという切り口にしますと、問題が多様化するので、まとめるのが非常に大変だったのではないかという印象があります。

そこで、確認と要望なのですけれども、1点目というのは、AI、デジタルという切り口にしますと、問題が多様化しますので、問題とか課題の性質に応じて、問題の解決のための最適な手法というのは考えていく必要があると。

例えば、利用に当たっての消費者への注意喚起とか啓発という場合は、事業者にも協力していただいて、官と民というのが共同でやっていって、注意を喚起する仕組みというのを作っていくのが重要ということになります。

その一方で、悪質とか不正というふうに評価できる活動につきましては、事前に抑止していくというのが重要なので、行政が介入基準を決めて、市場のモニタリングをして、指導とか命令をしていく仕組み作りが重要になると思います。

そのように考えていくと、非常に多彩なトピックが取り上げられて、それぞれのところでは、実はしっかりと方向性は示していただいているのですけれども、このような検討というのが、どこかに引き継いで具体化が検討されていくのかという点検、この項目については、ここで引き続きやっていくとか、これについては、既にこの委員会で検討が進んでいる最中だという対応関係の点検というのはやられているのでしょうかというのが、確認とやってほしいなという要望の1つであります。

2点目としましては、消費者教育については、もうたくさんの方が言及しているところなのですけれども、やはり教育者として気になるのは、小中学校における現場の教員の加重負担という問題です。

ネットとかを使いながら実践でデジタル化の教育を進めていくというのは重要で、そこで消費者問題というのを取り上げていくのも重要だということは認識しているのですけれども、ネットの環境の整備であるとか、デジタル人材の配置ということについて、予算とか人材というのをつけてもらわないと、現場が疲弊するという問題があると思います。

消費者庁のマターではないということになってしまうのかもしれませんけれども、やはり消費者教育というのを推進するに際しては、現場への配慮というのは不可欠になりますので、文科省と協力しながら、現場の本当の要望というのを吸い上げて、それを実現するというところもできる限りでの配慮というものをいただければ有り難いと、これは要望でございます。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。

多分、丸山委員は、この委員会が終わった後、すぐに授業をされるという御事情があるのではないかと思います。

実は、私も、これから帰ってすぐに授業をしなくてはいけませんが、大学のオンライン授業については、教員がサボっていると言われることがありますが、大体3倍以上準備時間がかかります。

それでは、受田委員、お願いします。

○受田委員 受田です。

まず、今の御説明をいただきまして、主に2件、それで、ちょっと音声が聞きづらいところがあったので、重複があるかもしれませんけれども、御容赦いただければと思います。

1点目は、教育、普及啓発に関してです。

要は、5W1Hあるいはハウマッチの予算のところを含めて、5W2Hを明確にしていただかないといけないという点が1つです。

特に、なぜやるかという部分から入っていますので、ここはいいとして、誰がというwhoの部分、ここがはっきりされていくべきところだと思います。

特にデジタル庁が立ち上がるということもあって、そことのすみ分け、あるいはデジタル庁が文科とか総務とか厚労とか経産とか、各省庁のアクセルの部分を統括するのであれば、どちらかというとブレーキというか、光と影で見れば、影の部分を各省庁と連携して消費者庁が担うとか、明確なプレイヤーのすみ分けをしっかり入り口の部分で整理をしていただいて、今回の極めて価値のある報告書の実施に向けて動いていただきたいというのが1点でございます。

2点目、これは消費者基本計画あるいはその工程表との関係についてでございます。

消費者基本計画工程表の中身と整合が取れているかという点については、今回の報告をしっかりと眺めさせていただいております。

基本的には、整合が取れていて、工程表を実際にアクションプランとして動かしていくということを念頭に、見事に進めておられると思うのですけれども、一方で、その中にKPIとして盛り込まれているアウトプット指標ではなく、アウトカムの指標との整合の部分で、少し気になるデータの収集が、この中に入っていない。

例えば、AIに関しても、消費者の理解度を令和3年度末までに取組前と比較して5割向上させると書いてあります。

そのときに、AIに関する現在の理解度が幾らなのかというのが不明確で、このKPIの達成が共有できないのではないか、ほかにもあるのですけれども、そういうアウトカム指標との整合をここでどこまで意識されているのかという点については、若干不明確だと感じました。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、内藤課長からお願いできますか。

○消費者庁内藤消費者政策課長 承知しました。

順番にちょっとコメントをさせていただきたいと思います。

まず、丸山委員の1点目でございます。課題解決のためのAI、デジタル一般についての最適な手法が必要であって、特に悪質、不正の事案については、しっかり抑止策を講じる必要があるのではないかと、恐縮です、ざっくりそういう御意見をいただいていたかと思います。

冒頭に、まず申し上げておくべき話であったのですけれども、今回の検討会の立ち位置の問題がございまして、今回の検討会は、デジタル化によって起きる様々な課題について、消費者として、どういう対応をすべきか、あるいは行政として消費者にどういう働きかけをすべきかということが、この検討会のタスクになっておりまして、いわゆる事業者向けの規律の在り方みたいなところは、検討会のスコープには入ってございません。

御指摘いただいたような、正にデジタル関係の悪質な事業者への対応につきましては、例えば特定商取引法に該当するような事例等については、これは別の検討会で議論が進んでおりまして、これも8月だったかと思いますけれども、特定商取引法の見直しを含めた提言というのがなされているところでございますし、プラットフォームに関しては、先ほど申し上げたように、別途御説明の機会があろうかと思いますけれども、その対策の必要性みたいなことが議論をされているということで、ちょっと検討会の役割分担の関係で、その辺りの話というのがそもそも入っていないということは、御理解をいただければと思っております。

それから、丸山委員の2点目の御指摘と、受田委員の2点目の御指摘が、およそ関連してございますので、ちょっと併せて御説明をさせていただきたいと思います。

今回の検討会の報告書が公表されたのは7月の31日でございますけれども、基本計画の工程表は7月7日に決定公表されているところでございまして、ほぼほぼタイミングが同じであったということがございましたので、受田委員御指摘のとおり、報告書で提言される予定である事項につきましては、基本計画の工程表に、基本的には全て盛り込んだ形になってございます。

そういう意味で、工程表に書かれたことをしっかりと実施していけば、丸山委員のおっしゃったような、今後、施策が引き継がれるかとか誰が評価するのかといったようなこともおのずと、しっかり対応できるのかなと思っております。

なお、先に受田委員の2点目のKPIの部分で、特にAIの理解度等についての御指摘いただきました。

これは、私どもの考え方としては、そもそも現状、KPIの指標が、まず、理解度等はございませんので、要は今年度、KPIのための調査を、これは別にやる必要があるであろうと思っておりまして、それを、今年度やる調査結果をベースとしまして来年度以降KPIで理解度が向上しているかというのを追っていくというような感じになります。

AIに限らず、ほかにもたしか、この関連で理解度等はKPIを設定してございますが、基本的には、私どもで今年度、まず、KPIのスタート台となる数値というのを調べるところから始めさせていただきたいと思っております。

それから、丸山委員からの3点目の教員の加重負担の部分でございます。

基本、今後、文科省と連携しながら消費者教育推進会議で、こうしたことについても議論は深めて行くことになると考えております。

ちなみに、教員の加重負担の件は、検討会でも少し議論にはなっておりまして、特に消費者教育については、あれもやってほしい、これもやってほしいというようなことは、これはいろいろな御指摘がある一方で、高校生において実際に消費者教育に費やせる時間というのは、恐らく年間4時間ぐらいしかないというようなことも検討会では議論されました。高校生の4時間の中で、どこまでできるのかといったようなことを考えると、非常に何でもかんでもというのは厳しいわけですし、特にそういう家庭科で、現在、消費者教育というものが明確に定まっていない。小学校、中学校の辺りは、なおさらきついわけでございまして、検討会の中でも、例えばデジタルの教育の部分については、むしろ情報教育にお任せしてはどうかというようなことも、これは事務局提案として提案をさせていただいた経緯はございます。

最終的には、情報教育と連携をして取り組むべきみたいなことで、報告書の内容としては落ち着いておりますけれども、いずれにしましても役割分担なのか連携なのかみたいなことも含めて、今後、消費者教育推進会議で議論が深められるものと考えてございます。

それから、最後に受田委員の1点目の部分でございます。

2点目の部分とも少し関係してきますが、工程表におきましては、誰がやるかというのは明確に書いておりまして、全て消費者庁がやる形に、たしかなっていたかと思いますので、そういう意味では消費者庁がやるわけですけれども、当然、報告書なり工程表ができて、公表されたのが7月でありますので、デジタル庁の話というのは、当然想定していなかったわけでございますので、これは、そもそもデジタル庁の守備範囲がまだよく固まっていないわけでもございますので、ちょっと抽象的な答えになって恐縮ですが、これは適宜適切に役割分担をして対応していきたいと考えております。

ひとまず、私からは以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございます。

そのほかにいかがでしょうか。それでは、片山委員長代理、ほかには柄澤委員、その順でお願いします。

○片山委員長代理 片山です。

大変分かりやすい説明をしていただきまして、ありがとうございました。

1つは、全体を通じての感想を述べたいと思います。

このデジタルあるいはAIに関する教育、啓発というのは、私は、これからの消費者の行動を考えた上で、非常に重要なテーマだと思っています。

携帯電話、スマートフォンというのがどんどん入ってきた中で、消費者は、次第に自分の使っているものの仕組みが分からないけれども、使わざるを得ないという、ちゃんと自分で理解をして評価をして必要性を判断して利用するという、本来あるべき消費者行動が取りにくいというか、もう取れない社会になりつつあったのが、今、デジタル化の中で更にそうした状況に追い込まれていっています。

その中で、分からなくても便利だから使わざるを得ないというような感覚ではなくて、やはり本当に分かって使おうという諦めない消費者の意識を育てていく上で、非常に大事な、今、ターニングポイントに差しかかっていると、私自身は考えています。

今回そういう重要な問題について、かつ、一方では非常に難しい問題だったと思いますが、多様な観点で、多様な問題点を指摘した報告書を出していただきました。今後の更なる検討の基礎になる重要な報告書だと理解をしています。

その中で2つお願いがあります。デジタル対応の報告書で、多様な方法論というのは丁寧に書いていただいているのですが、問題は、手法だけではなくて、消費者に、何を、どう伝えるかという、その伝える中身の問題だと思います。

いつも同じようなことを申し上げて恐縮ですが、消費者にきちんと腹落ちするというか、そういうことだったのだと分かってもらうためには、やはり実際にデジタルの分野で、何が起こっていて、誰がどう考えるから、こんなトラブルが起こるとか、どういう人が利益を得ようとして、こういう問題を引き起こしているのかといったような、現場で起こっていることを、本当に分かりやすく知らせるというのが、消費者が自分で考え、腹落ちをさせて、デジタルを理解していくということの一番大事な問題ではないかと思います。

そういう意味では、何が起こっているかという問題は、ある意味、さっきおっしゃったプライバシーの問題で、どこまでオープンにできるかという問題が常に絡んできますけれども、そこをどこで線を引くのか、できる限り消費者に伝わる伝え方をするために、可能な限り現場の実態を伝えるのだという覚悟というのが、このデジタル教育の中では必要ではないかなと思っています。

これは、私の意見です。

あと1つお願いをしたいのは、そのためにも、AIの報告書の13ページのところに出ていたと思いますが、消費者のリテラシー向上と事業者の社会的責任というのが表裏一体の関係にあるという点です。

私は、正にそうだと思っていまして、消費者のリテラシーを向上させるためには、事業者が、きちんと説明をしていく責任を果たす。どういう仕組みであって、何を考えて、こういう仕組みを構築して、社会に提供しているのか、そこでのルールはどうなっているのか、消費者視点で何を考えているのかという辺りをきちんと事業者が説明をする。

その事業者の社会的責任が、消費者教育の中身に反映されていくべきだろうと思います。是非事業者との教育内容についての連携を図り、情報の共有化と意識を向上してもらうというところ尽力をしていただきたいと思っています。

すみません、長くなりましたが以上です。

○山本委員長 それでは、柄澤委員、お願いします。

○柄澤委員 では、私から3点。

1点目は、消費者のデジタル化への対応に関する検討会報告書の、高齢者の取扱いについて。

2点目が、デジタル・プラットフォームを介した取引の利用者向けガイドブック、AI利活用ハンドブックの活用について。

3点目が、大変失礼ですけれども、縦割り行政の打破についてエールを送らせていただけたらと思います。

最初のテーマですけれども、デジタル化に関する報告書は、片山先生からもございましたけれども、非常に幅広いテーマに、消費者への向き合い方が、非常に丁寧にまとめられていると感じました。いい報告書ではないかと、ありがとうございました。

全体として消費生活のデジタル化が加速しているわけで、それに伴う特有のリスクに対峙していかなければいけないという意味では、消費者教育は極めて重要だということで、小中高校あるいは大学等々に記載があるのですけれども、19ページには記載があるのですけれども、やはり高齢者に対応する対応が、少し記載が少ないのかなという感じがいたしました。

デジタル庁が実現して、それがしっかりと進められていく中で、恐らく、社会全体のデジタル化が進んでくる。そうなると、行政サービスあるいは医療の分野あるいは日常品の購入の分野の中でも、高齢者というのは、ここに踏み込まざるを得ないと。

この報告書の13ページには、ちょうど消費者が新技術を導入するに際しての長所と課題をバランスよく実感することが重要だと書いてございました。

先ほど、内藤さんがAIのところでは、メリットを随分強調し書いたとのことですけれども、注意喚起の一方で、高齢者が過度にデジタル化を恐れることなく利用していこうという環境づくりも非常に重要だと思っていますので、高齢者が安心して利便性を実感できる情報提供について、是非取り組んでいただきたいと。

あわせて、ちょうど来年から昭和女子大学で、リカレント教育も視野に入れた消費・経営大学院をつくっていこうとされており、そういうリカレント教育のような部分についても、消費者庁も是非注目していただければ有り難いなと思いました。

2点目のガイドブック、ハンドブックについて。AI利活用ハンドブックというのは、非常によくできているなと思って感心いたしました。新井紀子先生が、よく日頃言っているAIの欠点みたいなものも盛り込んでおられて、非常に先進的な内容になっているなと思いますけれども、ちょうどこれのワーキンググループの報告書の12ページには、消費者に対する周知方法というのが出ているのですけれども、どうもこのガイドブック、ハンドブックというのは、さっき難しい内容になっているというようなことを内藤さんは、ちょっとおっしゃっておられましたけれども、どこを対象にして、どの程度やって、どこまで周知していくのかという効果について、やはりガイドブックはどういうもので、ハンドブックというのはどういうもので、それに対して、本当に最後の消費者にどのような周知方法とか、どのような方法があるのかということについて、作るたびに、作って終わりということではなくて、これをどうやって伝えようかということが、恐らく私は消費者庁の大きな使命だと思っているので、この対象をどうする、ガイドブックをどのように活用していく、どうやって周知させていくということに関して、12ページにあるような工夫を常に視野に入れていただきたいと。

3点目は、やはり縦割り行政のところですけれども、ちょうど菅内閣が縦割りを廃すると、我々事業者から見ても、やはり日本という国がEUと米国等と比べると、中国はちょっと別格として、縦割り行政による時間の遅れとかが、今のデジタル化の遅れみたいなことを招いているのは事実なので、消費者問題も同様に、むしろ日本が先進的に縦割り行政を廃止して、消費者目線でやっていくという意味では、この機会に、どしどし消費者庁も他省庁との連携みたいなところを強く訴えられ、どこが主導していくのかということを、むしろ連携という言葉できれいに語られるよりも、どこが責任を持つのかということを、むしろ訴えながら、是非模範例を作っていただきたいと。

今の内閣で、それを目玉にしているのであれば、消費者問題については、非常にいいタイミングだと思うので、いろいろな弊害については、是非頑張っていただきたいと、これはエールです。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

何か新川委員からございますか。

○新川委員 木村委員も挙がっています。

○山本委員長 では、まず、木村委員からお願いします。

○木村委員 申し訳ありません、では手短に。

まず1点目は、キャッシュレス決済についてなのですけれども、消費税の増税などで6月までいろいろな特典があった、また今度、コロナ禍でということで利用が広まっている中、某決済会社などのように被害が多く確認されている実態もありますので、今回、実態調査を行うということを早急にして、本当に早く対応していただきたいというのが1点目です。

2点目は、オンラインゲームに関してなのですけれども、コロナ禍で、子供たち、特に若者たちが、本当にこういうオンラインゲームのゲーム中毒というか、生活に支障が起こってしまうということは、本当に避けなければならないと思っていまして、本当に早急な取組が必要と思っています。

12ページのところに、引き続き検討とは書いてあるのですけれども、そこは本当にどういうスケジュール感でやって、どのようにやっているのかというのが、すぐに計画を立てて未然防止が必要だと思いますので、ここは子供たちの未来のために是非取り組んでいただきたいと思っています。

3点目なのですけれども、AIについてなのですけれども、AIは利用する人と利用しない人が分かれる傾向にあるというお話が最初にありました。

でも、恐らく知らないうちにAIを利用するということが、今後多くなってくるのではないかと思っています。ただ、AIの利用については、お話があったように、個人情報をどうするかとか、情報漏えいがあるのではないかという消費者の不安がございます。

この不安を払拭するためには、先ほどの御説明では、説明が必要だということだったのですけれども、やはりそこはハードとソフトの整備を消費者庁からもきちんと働きかけて、その上でのクリアーな説明という点でお願いしたいと思います。

今後、5G、6Gで、AIは本当に生活にどんどん溶け込んでいくというか、使わざるを得なくなっていくと思いますので、そこは、是非よろしくお願いいたします。

以上です。

○山本委員長 ありがとうございます。

それでは、お願いします。

○新川委員 何点か、これもできるだけ簡単にお話をしたいと思いますが、1つ目は、やはり、これは丸山委員から、先ほど少しありましたが、特に技術革新、技術開発というのがどんどん進んでいくという状況があります。こういうスピードにどういうふうに、今回出していただいたもので、どこまで応答できるのだろうかというのが、悩みながら読ませていただいたということがありました。

したがいまして、こういう新しい消費者に関わる技術開発や新しい技術の応用というのが始まったときに、それをいかに的確に把握をして、そしてアラートであれば、アラート情報にすることができるかと、そこのスピードが問われているのかなと、改めて思いながらお話を聞いていました。

この辺り、今ある問題についての対象は出てきているのですけれども、これから想定される問題に対する対処の仕方というのが、少し見えにくいなあというのが印象としてありまして、この辺り、もしお考えがあれば、というのが1点目であります。

そのことと関連して、2つ目に、これも柄澤委員からお話がありましたとおり、ある種、業界が縦割りになっていて、それぞれの分野での技術発展、技術開発については、担当各省庁で把握をしておられるところもあろうかと思いますが、もう一方では、それが実際に消費者のところに届くときに、そうした様々なサービスが、どういう問題を実際に引き起こすのか、あるいはそういう個別の問題事例については、それについて探知をしていても、それは消費者保護行政という観点からは、本当に的確に伝えることができるかどうかという、ここのところ、先ほどの技術発展の速度の問題とも関わって、かなり緊急に考えないといけない、そういう省庁間の情報の共有の仕方であるとか、あるいはそのためのアラートの出し方であるとか、そういったところの工夫というのが、従来以上に求められるようになってくるのではないかというのが2点目の問題です。

そして、それとの関わりでいうと、3つ目に、やはり我々消費者に向けてどういう情報を出すかというときに、どうも、これまでこんな悪い例がありましたというか、こういう問題が発生しましたということも必要ですが、これからこんな問題が起こりそうですという、そういう言ってみれば、先取り型の情報提供がこれから本当に必要になってくるのかなということをちょっと感じたものですから、この辺りの考え方というのも必要かなと思っております。

4点目は、その問題とも関わって、実は、今回は教育啓発ということでお話をいただいたのですが、年代別、世代別あるいはそれぞれの属性別、様々なターゲットに向けての消費者対策ということで考えてきておられるのですが、実はそこで提供される教育や啓発のレベル感というのを、もう少し整理しないとうまく伝わらないかなという感じがしておりまして、基礎的な情報等、応用に当たる情報、更には緊急度の高いような情報といったようなものを、どういうふうに、ある種ふ分けをしながら、しかし的確に伝えていくのかというのは、こういう議論が要るのかなと、ちょっと思ったのですが、この辺、教育システムとの関係もありますので、どういう考え方で整理をしたらいいのか、ちょっと私もまだはっきりしていないのですが、この辺を少し、今後の課題かもしれませんが、お考えがあればということでございます。

最後にします。AIということについては、もう皆様方からも、いろいろお話がありましたけれども、私自身はどんどんAI化が進んで、もうIoTは当たり前ですので、そういう時代だろうと思っていますが、もう一方では、消費者がこのAIの動きというのを、いかに的確に自分自身で管理できるか、そこが最終ポイントかなと思っております。

今回も賢く使うためとかあるいは個人情報に関わって、そういう情報の開示であるとかというところは出てきていますけれども、残念ながら、もう少し、それこそ先取り的な議論をするとすれば、消費者によるコントロールができるAIの在り方、それは、共通のAI監視のプラットフォームのようなものもあるかもしれませんが、この辺りの議論というのがほしいなというのが、期待としてあったということで最後申し添えたいと思います。

以上です。

○山本委員長委員長 ありがとうございました。

かなり多くなってしまって、非常に恐縮なのですが、よろしいでしょうか。

○消費者庁内藤消費者政策課長 ありがとうございます。

もし漏れ落ちがあれば、改めて御指摘をいただければと思います。

一部重なるお答えになるところもあろうかと思います。まず、片山委員からいただいたものですけれども、いわゆるAIその他デジタル機器について、中身がよく分からないけれども使わざるを得ないというような実態に対して、もう少し分かってから使おうというような、諦めない消費者というようなお言葉がございましたけれども、それを作るべきではないかという御指摘をいただいておりまして、関連で、後ほどまたちょっと、同じような御質問をたしかいただいたと思うのですが、改めて、それは御説明させていただこうと思います。

まず、これにつきましては、中では、実は議論がありまして、今日はちょっと紹介を省かせていただいたのですけれども、今後、新しいデジタル機器とかが出てくる中で、それもどんどん複雑化が進むというようなことで、いわゆる事業者側からは、それを全て理解するのは難しいので、この人が大丈夫だと言っているのであれば、きっと大丈夫であろうという、そういう信頼感を醸成できるとか、信頼できるような枠組みを作るというようなトラストという考え方について議論が、AIWGを中心にされておりまして、親会でも、その辺りは指摘をされております。

実は一方で、トラストの議論は、開発事業者、特に開発者側で議論がされている一方で、一消費者が全てのデジタル機器の仕組みを理解するというのは難しいにもかかわらず、事業者がトラストを構築しましたと、それを一方的に信じるのかというような意味での、消費者側のトラスト構築に向けた取組というところの必要性というのは、親会報告書でも書かれておりまして、先ほど木村委員のところでちょっとお話ししましたけれども、デジタル時代に対応した消費者団体の構築の必要性というのは、消費者側からトラストを構築する仕組みの1つの手段として、そういう消費者団体の組成が必要であるというような指摘がされており、会議の最終会合では、今後の消費者庁の宿題としては、これがデジタル消費者団体については宿題ですねと振られている状況にございます。

行政が消費者団体のことをどこまで関わっていいのかというのは、かなり悩ましいところはございますけれども、そういったような議論が行われていたというようなことでございます。

それから、片山委員からも意見ですというようなことでいただきましたけれども、事業者側が分かりやすく消費者に知らせる、考えさせることが大事ではないかというような、これは2点目も関わってくると思うのですけれども、まず、今後考える教材開発については、いわゆる、そういう教材をボランタリーに作っているIT企業などにも御参画をいただいて、事業者側の視点というのも入れていきたいと思っております。

それから、いわゆる説明責任の部分については、今回のAIWGで、実は報告書には余り書いていないのですけれども、事業者側からWGを設置して議論をしたことについての評価が非常に高かったというのがある意味、興味深かったです。

消費者は、こんなことを気にしているのかとか、こういうことを気にしなくてはいけないのかというのは、開発者視点では余り考えたことがなかったと、結構、意外な盲点であったみたいなコメントを多数いただきまして、そういう意味では、AIWGでもデジタル化の進展に合わせて、どんどん取組を継続し、内容を見直すべきというような御指摘をいただいておりまして、こういう消費者の考え方みたいなことを事業者側、特に開発者側の人に理解していただくような、基本計画で共同という言葉を使っていましたが、いわゆるマッシュアップの取組ですね、これは継続をしていきたいと考えております。

それから、柄澤委員から3点いただいてございます。

まず、高齢者の教育というか情報提供の部分で、リカレント教育みたいなことも含めて対応を強化すべきではないかというようなことでいただいております。

今後のデジタル消費者教育についての取組で申し上げますと、いわゆる地元の消費生活センターですとか、老人クラブみたいなところと連携をしてというか、そういう場をお借りして公開セミナーとか、そういったようなものをこつこつプッシュ型で情報を発信していく必要があるのかなとは思ってございます。

一方で、今この瞬間は、コロナ禍ですので、いわゆる対面でプッシュ型でやるというのが非常に難しいということがございますので、まず、多分来年度ぐらいまでの間は、デジタル教育の啓発のプロジェクトとしては、例えば、日頃、地元の小学校の運動会を流しているような、そういうコミュニティ放送みたいなものを活用して、おじいちゃん、おばあちゃんが見ているような地域メディアにデジタル教材の内容を流して注意喚起なり啓発を行うというようなことを、当面の取組としてやりたいと考えてございます。

それから、2点目、AIの周知方法についてでございますが、正に御指摘いただいたように12ページにワーキンググループのメンバーの御意見として、こうやればいいのではないかというようなことで、いろいろ御提案をいただいておりまして、まずこれをしっかりと取り組んでいくことが必要かと考えてございます。

それから、プラットフォームのハンドブックも作っておるわけですけれども、これも多分AIWGの12ページと同じような形で進めさせていただくことになると思うのですけれども、特にハンドブックそのものは、どちらかというと、ちょっと詳しい大学生のお勉強用ですとかあるいは消費生活相談員の研修用の教本として使い、ライトユーザーには、もう少し、先ほど申し上げたようなパンフレットみたいな形での使い分けをして、12ページのような形でやっていければと思っておりますけれども、もう少し、これも工夫しながら、しっかりやっていきたいと思っておりまして、その辺りも報告書の普及啓発のとこで、いろいろとアイデアを構成員の方からいただいておりますので、そうしたものをうまく活用できればなと考えてございます。

それから、縦割りのところは、なかなか答えづらいところではございまして、私ども消費者行政の司令塔という役割を仰せつかっておるのですけれども、司令塔機能を果たしていないと怒られ続けて、11年目に突入しておりますけれども、今回のデジタルの関係での、先ほどのキャッシュレスの調査を踏まえた対応みたいなことで、何がしかリーダーシップを発揮できればなと思っております。

それから、いわゆるその消費者教育というか、消費者向けの被害防止教育とか啓発の部分については、他省庁の取組を一覧にしまして、うまくそごのないように一体感を持って進められないかというようなことも、現在、検討をしているところでございますので、もし、うまくいくようであれば、その辺りも機会をいただいて御報告をさせていただきたいと思っております。

それから、木村委員から3点いただいてございます。キャッシュレスの部分で、某決済会社のいわゆる今回の引き出しですね、私どもとしてはキャッシュレスの利用をしたことがない人が被害に遭っているというのを、かなり深刻に捉えておりまして、注意喚起は当然、数次にわたって行っておりますし、金融庁と今後どのように対応するのかというのも、機密に実は、情報を共有はしておりまして、ただ、今回のキャッシュレスの調査と、引き出し問題というのがどれぐらいかぶっているのか若干微妙でして、正直システムを開発上の問題であって、キャッシュレスそのものの問題とはちょっと捉えていないところはございます。

いわゆるシステムを開発という意味での企業の情報セキュリティ対策に問題があったという捉え方はしておるわけですけれども、ただ、こういう被害が出て拡大している中で、そうしたようなことも当然調査対象には入れながら、しっかりと調べて対応していきたいと考えております。

ゲームについて対策を速やかに行うべきではないかというのが、木村委員からの2点目の御指摘だったと思います。

ゲームも、今回、マニュアル整備みたいなことの指摘については速やかにやることにしております一方で、今後の普及啓発の在り方については、SNSの業界と同じようにゲーム業界ともいろいろと議論は既に始めているところでございますので、ゲーム障害の件も含めて、高額課金等々、オンラインゲームに関わる問題についてはしっかりと対応をしていきたいと思っております。

それから、木村委員の3点目でございます。AIの二極化のところに関連して、消費者は、今後知らないうちにAIを使うようなことがあるので、不安を払拭するためにハード面、ソフト面両方の対策が必要ではないかと、概要はそのような御指摘をいただいているかと思います。

AIWGの報告書でも、いわゆる定期的な見直しが、特にAI分野では必要だというような指摘をいただいておりますので、今回、ひとまず報告書はまとまったわけですけれども、今後またしっかりと見直しを図っていきたいと考えております。

それから、新川委員の1点目が、片山委員の1点目と少し関係してくるところでございまして、新川委員からは、技術革新のスピードにどう対応していくのか、特に新しい技術を応用したときに、それに消費者行政は、どのように的確に問題点を把握して対応するのかということがございました。

これも先ほど申し上げた報告書の概要の最終ページに少し書いてございますけれども、全てを迅速に対応するのは、さすがに厳しいであろうというのは、この検討会でも議論としては出ておりまして、そういう意味でのリテラシーの向上が必要なのですが、先ほど申し上げた消費者側から見たトラストの構築で、その方策としての、いわゆるデジタル問題を、しっかりと問題を指摘し、処方箋をある程度示すことができるような、消費者団体的な組織の組成というものの必要性が指摘されているということでございます。

それから、2点目でございます。

業界の縦割りの問題であったかと思いますけれども、消費者に個別の事案について、全てをどうやって的確に届けることができるのかといったような御指摘をいただいておりまして、これは、ある意味1点目に関係してくるわけですけれども、いわゆる全て行政で何とかするというのは正直厳しいとは思っております。特にデジタル分野については、業界側との連携が必要になってくるとは思っておりまして、そういう意味で、実はSNSですとか、先ほど申し上げたゲーム業界との連携みたいなことは、1つのテストケースというか、モデルケースというか、そういうふうになるのかなと思っておりまして、まずはそこから始めまして、できれば、そういう各業界でもしっかりと対応していただけるような形、モデルが構築できればと考えております。

それから、割と似ておりますが、新川委員の3点目の、いわゆる情報発信するときに、悪い事例だけではなくて、先取り型の注意喚起も必要ではないかというような指摘でございまして、実はスキームが先ほどのSNSあるいはゲームの連携と同じでございまして、正に実はAIの取組は、これでございます。

スマートスピーカーとか、スマート家電がうまく動かないぐらいの話であれば、まだそれほど大きな問題になっていないわけですけれども、個人の信用をスコアリングするみたいなことにもAIが使われつつあるというようなことで、前にも御指摘いただきましたが、知らないうちにAIが使われているみたいなところが、これは、今後、恐らくAIに関する消費者問題として出てくるであろうというようなことです。

という意味で、先ほど説明したデジタル・プラットフォーム、キャッシュレス、ゲーム、SNSとは別の章で、AIは新しい今後の消費者問題ということを実は取り上げて、その観点から報告書なり、今回のハンドブックなりを作ったというような経緯がございまして、これが100点の解だということでは決してないのですけれども、今後そういう新しい問題についてもできるだけ取組をしたいという問題意識は持っているということで御理解いただければと思います。

それから、4点目でございますけれども、年代別、世代別にターゲティングをしての対策、特に啓発のレベル感を整理する必要があるのではないかというようなことで御指摘をいただいております。

これも途中でちょっと答えたような気がするのですが、似た答えになって恐縮なのですけれども、普及啓発の関係で、民間の普及啓発の取組を取り入れるという観点でのIT企業の、正に御担当の方の参画というのを今後の検討の中で予定をしているところでございます。どうしても役所からやると、例えば上から目線になっているとか、いろいろなことがあろうかと思います。

一方で、最近のIT企業では、かなり利用者目線に立ってプログラミング教育を分かりやすく教えるための教材を作ってみたり、型紙をそのままPDFにして、ネット上で公開するみたいなこととかを、いろいろと分かりやすく取り組んでおられるところが出てきております。

私どもの問題は、これまで、そういう企業の取組を知らなかったというところに、多分最大の問題があると思います。最近、一生懸命そういう取組を調べておりまして、そういう企業の方々に参画いただいて、正にそのレベル感とか、ターゲティングの在り方みたいなところもしっかり勉強していきたいと思っております。

最後、5点目でございます。

AIの普及が進んでいく中で、消費者がAIをうまく管理できるのか、コントロールできる在り方について、議論はある程度なされているのかというような御指摘をいただきました。

議論は的確に管理する在り方については、きれいには報告書上は、実は出ておらないのですけれども、今回、すみません、すぐ出てこないのですが、面白かったのが、分からなければ、使わなければいいということで、情報とかがAIを通じて勝手に吸い寄せられることに対しての忌避感があるのであれば、それを使わないような設定がある、その設定が存在していることを、まず消費者に知らしめるとともに、そういうことを事業者側は分かりやすく情報発信をすべきだというようなことが盛り込まれておりまして、多分、使わないと、賢く使うの、その間のところに多分うまくコントロールしていく話というのは出てくるのかなと思いますけれども、恐らく、そうしたことも含めて今後の検討課題になってこようかと思います。

長くなって恐縮ですが、以上でございます。

○清水委員 質問をよろしいでしょうか。

○山本委員長 どうぞ。

○清水委員 清水です。

デジタルの関係の報告書の54ページなのです。宿題だとされた民間が組織されることが望ましいと御説明いただきました。説明の中でブラジルの消費者団体が規約を読み取ってAIで案内するとありましたが、これは事業者ができるのではないかと思います。プラットフォームの事業者は技術と能力を持っていますので、ここに入ってくるなら入り口のところで、AIの案内を聞いてくださいと言ってプラットフォームに入れば、トラブルが減るのではないかと思っています。是非消費者庁から、消費者志向経営としてプラットフォームが取り組む1つとして、事業者にやってもらえないでしょうかと言えないのでしょうか。我が国の消費者団体、私も所属しておりますが、ブラジルのような取組を、現状はやりたくてもできない状況がありますが、行く行くは事業者と私たち消費者団体が手を組んでやってくしかないとは思います。スピード感が必要で、喫緊の対策が必要で、教育も非常に大事だと思っています。制度も何とかしていかないと追いつかないと思っております。

被害が低年齢化しておりますので、その点もお願いしたいと思います。相談の中で、規約を読んでいますかと相談者に聞いていますが、ほとんどの方が読んでいないと言います。また、プラットフォーム事業者を信用しているから、規約は読むわけないとも言われます。

そういうときに、私は、信じるものは救われないと言っています。インターネットは自己責任だとも言っています。相談ではフォローしますが、対策が必要だと思います。

最後に、生駒委員から、「3億円あげる」というSMS、ショートメッセージもしくはウェブメッセージが入ってくるという話がありました。フィッシングは詐欺ですので、被害額が全額返ってくるかというと非常に難しいのですけれども、警察に被害届を出すよう助言します。課長が言われたほとんどがSNSだという点ですが、いわゆるSNSで勧誘されて、副業でもうかると言うような形の「3億あげる」という相談もあります。いわゆるサクラサイトのバイトをさせられるという被害もあります。

先日、82歳の高齢者が、スマートフォンのショートメッセージから有料サイトに誘導されたのですが、サイトは利用できないので、電話でやり取りをして被害に遭いました。少し前は銀行口座に振り込むよう言われましたが、今は振り込め詐欺救済法が適用されていますので、振り込みというのは少なくて、コンビニに行って、コンビニ決済等で支払うのが多くなっています。電子マネーの利用も多いです。

当初、私が野放しだといった思いは、このような相談が多いからです。生駒委員のように、無視をする人もいるのですけれども、SMSに返事をしたり、SNSで積極的に対話をして、「3億円あげる」ということで、サクラサイトの被害になって、これが意思を持ってコンビニに行って電子マネーを買う、意思を持って自分のクレジットカードを入れる、そうなると警察はすぐには被害とは判断しませんので、消費生活センターで相談するよう案内します。どうしてもこの現状を伝えたくて、時間がないところ、失礼しました。

○山本委員長 ありがとうございます。

何かございますか。

○消費者庁内藤消費者政策課長 1点目のところは、当然、プラットフォーム事業者にどこまで求めるのかという議論は、秋以降も継続してまいりますので、そういうところで、1つの論点として、当然出てくるのだろうとは思っておりますけれども、一方で、どういうふうに、企業に求めるだけではなくて消費者側で作るのかというのも、これはかなり喫緊の課題だと思っております。ある意味、このタイミングで消費者側の体制を整備しないと、決定的に手遅れになるという危機意識は持っておりまして、一部の消費者団体などとは、意見交換はしておるわけですけれども、結局、消費者庁が消費者団体をつくるのですかみたいな、よく分からない展開になるというのが非常に悩ましいところでありまして、思いっきり責任をぶん投げるわけではないのですけれども、今後の消費者委員会の検討テーマの1つにしていただけると、私などは、うれしいなと思いますが、後で事務局の人に怒られそうですけれども、とは考えているところでございます。

ひとまず、すみません、ちょっと答えにならない答えで恐縮ですが、以上でございます。

○山本委員長 大変熱心な御議論をいただきまして、ありがとうございました。

また、消費者庁におかれましては、今回、非常に広範な領域にわたりまして、2つの報告書と、それからハンドブックを作成いただきまして、大変な御苦労をされたのではないかと思います。まず、お礼を申し上げたいと思います。

今回の議論、非常に多岐にわたっておりましたけれども、大きく分けて3つぐらいの論点があったかと思います。

1つは連携の重要性、これはたびたび言われていることですけれども、まず何より関係行政機関の間で連携を推進していただきたいということ。

それから、技術に関わる問題ですから、当然関係する事業者あるいは専門団体等との連携を深めていかなくてはいけないということと、それから、正に今御議論がございましたけれども、消費者団体との連携という問題もあろうかと思います。消費者委員会としても、その点は、重要なテーマであると考えております。

それから、第2点といたしまして、いかにデジタル化に関して、消費者に実際に伝えていくかという問題が多く提起されたかと思います。まず、それぞれのライフステージ等に応じた形で、教育をうまくしていく。

課長からは、実効的な教育という意味で言うと、消費者教育という枠の中でやるよりは、ほかの教育カリキュラムとの関係をうまく考えながらやっていかないと、結局、教育を受ける側も、素材ばかりたくさん与えられて、消化できないことにもなりかねないという話がございましたが、それは全くそのとおりであると思います。受け手に実際に届くことをやっていかなくてはいけないという問題です。啓発の問題に関しましても、先ほど来御議論がございました。

それから、AIの問題は確かに非常に難しいところがあって、AIについて自然言語で、どのようにして、どれだけのことを説明すべきか、あるいは技術的にできるかという問題は、先ほどスコアリングの話が出ましたけれども、今後ますます重要な問題になっていくと思いますので、その点にも、消費者委員会としても関心を持って取り組んでいければと思いますし、消費者庁におかれましても取り組んでいただきたい。

それから、3番目は、取引及び取引をめぐるコミュニケーションの手段の多様化にどう対応するかという問題で、キャッシュレス決済については、これから、本格的に調査をされるということであり、それは非常に重要な課題であると思います。

それから報告書の中には、この場でも議論が出ましたが、広告の問題、あるいはいろいろな形での情報格差の問題、それから、顔が見えないといいますか、相手がよく分からない状態で取引をする度合いが非常に高くなることに、どう対応するかという問題が指摘されています。

それらについては、これから更に調査、検討を深めていかれるということですので、消費者委員会としても、消費者庁の取組を後押しできるような形で審議、検討を進めてまいることができればと思っております。

消費者庁におかれましては、本日は、お忙しいところ、審議に協力をいただきまして、どうもありがとうございました。

○消費者庁内藤消費者政策課長 どうもありがとうございました。


《4.閉会》

○山本委員長 それでは、本日の議題は以上になります。大変時間を超過いたしまして申し訳ございませんでした。

事務局より、今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 次回の本会議につきましては、日程が決まり次第、委員会ホームページを通じて、お知らせいたします。

以上です。

○山本委員長 それでは、これにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

(以上)