総務省・新着情報

会見発言記事
武田総務大臣閣議後記者会見の概要
令和2年10月27日

冒頭発言

【マイナンバーカードの普及拡大に向けた大臣書簡の発出】

  マイナンバーカードの普及拡大に向けた大臣書簡の発出についてであります。
  マイナンバーカードはオンラインで確実な本人確認を行うことができまして、デジタル社会の基盤となるものであります。
  昨日の菅内閣総理大臣の所信表明演説でも、令和4年度末に、ほぼ全国民に行き渡ることを目指していく旨のご発言があったところであり、普及拡大に向け、更なる努力を重ねてまいります。
  このため、本日、私の方から全国の都道府県知事、市町村長宛にマイナンバーカードの普及拡大に向けた一層の取組を要請する書簡を発出いたしました。
  具体的には、「申請促進」と「交付体制の強化」の両面から取組を強化するべく、政府の広報や未取得者へのQRコード付き交付申請書の個別送付に呼応して、商業施設等での出張申請受付や申請サポートを積極的に実施すること、申請数の倍増を前提に、交付窓口や人員の増強、土日交付の更なる実施を行うための市町村の交付円滑化計画の改訂などを要請したところであります。
  併せて、各市区町村別の交付率や令和4年度末にほぼ全国民に行き渡ることを想定した場合の、1月当たりに必要な交付枚数などを記載した一覧表もお送りしたところであります。
  これに加えて、先日、日本相撲協会を訪問して、カードの普及促進を直接要請したところであり、今後も、様々な機会を捉え、関係団体を訪問し、働きかけていきたいと思います。
  こうした、ありとあらゆる取組によりまして、マイナンバーカードの普及を更に加速していきたいと考えております。
  詳細は、自治行政局住民制度課にお問い合わせをいただければと思います。

オリンピック聖火の地方展示

  オリンピック聖火の地方展示についてですが、11月からオリンピック聖火を活用した地方創生の取組として、聖火の地方展示を開始いたしますので、お知らせをいたします。
  11月7日の石川県金沢市を皮切りに、来年3月16日、岩手県住田町まで14道府県73市町村で聖火展示を行うものであります。
  聖火の地方展示と併せて、地域において地方創生につながるイベントなどを実施することは、地域の元気を取り戻し、聖火リレーが通らない地域も含め、オリンピックの盛り上がりにつながるものと期待をいたしております。
  総務省としても、聖火利用に伴う経費について、財政措置を行うこととしております。
  詳細は、事務方にお問い合わせをいただけたらと思います。

「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」の公表

  「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」の公表についてであります。
  総務大臣就任以来、国民利用者にとって、「安く」「わかりやすく」「納得感のある」携帯電話料金・サービスの実現に向けて、先頭に立って取り組んでまいりました。
  まず、携帯電話主要会社と直接意見交換をさせていただき、次に、今月8日には国民利用者の代表者の方たちから直接お話を伺いました。
  先週21日には、公明党から緊急提言を賜りました。
  また、先週23日には、有識者会合において、専門家の皆様から直接ご意見を伺うとともに、取りまとめていただいた報告書を受け取らせていただいたところであります。
  これらの意見交換や提言などを踏まえて、私のもとで慎重に検討を行い、今後、総務省が取り組む総合的な対策として、「アクション・プラン」を取りまとめましたので、お知らせをいたします。
  政府の役割は、事業者間の競争がしっかりと働く環境の整備であり、本プランにおいて、まず、分かりやすく納得感のある料金・サービスの実現。次に、事業者間の公正な競争の促進。次に、事業者間の乗換えの円滑化。この3つを不可分一体の3本柱として推進することで、事業者間の競争を促進し、結果として、主要国と比較して遜色のない料金・サービスを早期に実現をしてまいりたいと思います。
  まず、[第1の柱]の(3)にありますように、消費者理解の促進に向けまして、事業者を乗り換える手続などについて、分かりやすく解説した「ポータルサイト」を、年内を目途に構築をいたしたいと思います。
  次に、[第2の柱]にある公正競争につきましては、接続料・卸料金の低廉化による、MVNOの一層の促進に加え、(3)にありますように、現在MNOに割り当てられている周波数の有効利用を検証し、今後、割当て方策を検討いたしたいと思います。周波数の有効利用の促進です。
  さらに、事業者間の乗換えを手軽にするため、[第3の柱]の(2)、番号持ち運び制度、MNPにつきまして、現在3,000円かかる手数料を原則ゼロ円とし、現在2回かかる移転手続の課題を解決するなど、利用者がより使いやすいものとしていきたいと思います。
  また、同じ柱の(5)にありますように、事業者間の乗換えを促進する観点から、SIMカードを差し替えることなく、オンラインで乗換えが可能となる「eSIM」を導入する検討を進めるとともに、いわゆる「キャリアメールの持ち運び」の実現に向けても検討を進めてまいりたいと思います。
  総務省としては、この「アクション・プラン」において示した取組について、スピード感をもって取り組んでまいりたいと思います。
  詳細については、会見終了後、引き続き、ここで事務方よりブリーフィングを行いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  また、今後の進め方、これは重要なんですけども、公正取引委員会や消費者庁と協力するとともに、今後、電波を割り当てる際に、上記2の取組をしっかりと審査し、条件の実施状況を着実に検証してまいりたいと思います。また、モバイル市場の競争状況につきましては、毎年検証いたします。公正な市場競争が行われているかどうかを、毎年検証させていただきます。
  その上で必要に応じて、取組の見直し、また、追加的な対策を取りまとめていきたいと思います。これは、今までその重点がなされなかった部分でありますので、こうしたことを1個1個積み重ねながら、健全な、公正な市場競争の環境に努めてまいりたいと考えております。

 私の方からは、以上です。

 

質疑応答

携帯電話料金の引き下げ(1)

問:
 先ほど説明のあった「アクション・プラン」についてお伺いしたいと思います。対策の中で2つ目の中で公正な競争の促進について、もう少し具体的なイメージを教えていただければと思います。あと、この「アクション・プラン」を行うことによる料金引下げ効果やスケジュール感について、大臣の期待をお聞かせ願えればと思います。

答:
 料金引下げのスケジュール感は、あくまでも事業者の健全な競争のもとで決まることですので、私の方からは、時期については申し上げられませんが、とにかく、モバイル市場において公正な競争がなされていなかった現状を打破するために、今からは様々な事業者が参入しやすい市場にしていかなくてはならないと思いますし、一方で、格安スマホが存在するのにもかかわらず、乗換えの手続があまりにも複雑、また、乗換えに際して、様々な障害やペナルティ等が課せられることによって、それが自由にいかなかった部分。そうしたものを解消することによって、健全なマーケットが構築されると思います。それによって、料金水準が国際水準に近いものに発展していくものと私は期待をいたしております。

問:
 携帯料金に関連して伺いたいんですけれども、大容量プラン中心に国際的に見て割高だという趣旨の発言をこれまでなされていらっしゃいました。一方で、消費者の利用実態は中・低容量プランが中心だという調査もあります。今回の「アクション・プラン」が家計負担の軽減という点にどの程度寄与するかという点について、お考えを教えてください。

答:
 今回、我々が様々な問題提起をすることによって、いろいろな方々が「自らの携帯の状態は、今どうなんだろうか」ということを見直すきっかけが作られた思うんですね。
 今日までも低・中容量プランについては、既に大手事業者のサブブランドや格安スマホ事業者によって、様々な低廉なサービスと料金が選択肢として存在していた。しかし、先ほど申し上げたように、乗換えの際に複雑な手続やペナルティ、様々なルールが制度化されておって、自由な選択が阻害されておったところが1つの大きな問題であったと思います。それを取り除くことによって、自らの、使用者の意思によって自由に安い事業者に乗り換えることができる環境を作れば、私は、これは相当な効果があったのではないかと思っております。

問:
 今の携帯のことに関連してなんですが、携帯についてはですね、これまでも総務省では様々な対策を打ってきました。ただ、世論調査ですとか、インターネットでの反応を見ますと、なかなかまだ実感として下がっていないというような反応もあって、今回の「アクション・プラン」で大丈夫なのかというような声もありますが、大臣のお考えと期待をお聞かせください。

答:
 大手3社については、改正法を踏まえた一部の料金プランについて、2018年9月時点と比較して3割程度、既に低廉化しているのは事実なんですね。また、本年4月、楽天モバイルが本格参入し低廉な大容量プランを開始しました。いろいろな面で様々な選択肢が出てきていると、私は思っております。
 今まで、日本社会全てが、本気でモバイル市場のことを見つめていなかったのではないか。それに対して、1つ問題提起をさせていただいて、多くの国民の皆さん方が自らの携帯電話に対する考え方を、改めて考え直していただいたことは非常に良いきっかけになったのではないかと思っております。
 「アクション・プラン」にしましても、最後、いろいろと平素から我々が訴えていることを書かせていただきましたけれども、1つ1つ事業者を乗り換えるときの様々な制度が健全なのか、消費者のためになっているのかどうか。また、健全な、公正な競争が市場に現れているのかどうか。そうしたこと1つ1つを検証していく。そして、必要に応じて追加的な様々な対策を講じていく。こうした積み重ねをすることによって、私は、それが使用者、利用者の方に貢献できるものに繋がっていくと思っております。

マイナポイント事業の現状と今後の対応方針

問:
 マイナンバーカードの関係でお伺いいたしますけども、マイナポイント事業が始まって間もなく2か月を迎えます。申込み状況がどうなっているかということと、あと、この事業はマイナンバーカードの交付促進を目的としたものですけども、そこと現行どう繋がっているかということ。改めて、今後の取組についてお伺いいただけますでしょうか。

答:
 今、全員で取り組んでおりまして、また皆さんにご案内しますけれども、この普及に1つチームを立ち上げて、我々は普及活動に入ろうという計画もあるわけですけども、昨年度、1日当たり約1万件であった申請件数が、令和元年9月以降、穏やかに増加に転じ、令和2年7月からのマイナポイント事業の申込み開始により、1日当たり約6万6千件に増加しております。
 次に、マイナポイントについては、10月25日までに約800万人の方からお申し込みを既にいただいております。
 マイナポイントは予算上、4,000万人分を確保しております。より多くの方に利用いただけるよう、引き続き、周知・広報に努めてまいりたいと思います。
 先ほど、具体策については、地方公共団体、民間事業者、全ての方々に協力を求めていかなくてはならないわけでありますけども、これは我々がまさに自らの足で普及活動に邁進していかなくてはならない問題だと思っておりますので、今後ともそれを実行に移すべく努力をしていきたいと思います。

地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の体制強化

問:
 今のマイナンバーカードの関連でもあるんですけども、地方公共団体情報システム機構、J-LISの体制強化など、改革についての現在の検討状況と今後の進め方を教えてください。

答:
 J-LISにつきましては、「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ」が6月末に取りまとめた33項目の検討課題の1つとして、J-LISの体制強化など、マイナンバーカードの発行・運営体制の抜本強化が掲げられております。
 マイナンバーカードは、国と地方の行政手続の要というか、基盤となるものでありまして、カード保有者の増大に対応し、システムの安定性や組織の専門性を更に高めていく必要のあるものと考えております。
 このため、番号法の改正により、カードの発行・運営についてのJ-LISに対する国の目標設定・計画認可の仕組みを今から導入することを検討しておりまして、地方公共団体のご意見等も伺いながら、次期通常国会での法改正に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

年末年始における新型コロナウイルス感染症対策

問:
 新型コロナ関連でお尋ねします。年末年始の感染拡大防止対策として政府の分科会が、休暇の延長とか分散取得の提言をまとめて、今日、西村大臣から関係閣僚にも協力の呼びかけがあったと思いますが、社会経済活動への影響も懸念されますけれども、大臣の所感と総務省としての対応をお願いします。

答:
 昨日、その報告については承知しておりますけども、いろいろな意見があります。これには、それぞれ職業も違いますし、立場も違いますしね。ですから、国民それぞれの立場に立った施策を、政府はとっていくべきだと考えているところであります。

携帯電話料金の引き下げ(2)

問:
 大臣、一番最後に付け加えられた今後の進め方の部分で、今後の電波の割当の際に取組の審査を行うというふうにございますけれども、要するに、この三本柱をきちんと取組をしないと、今後の電波の割当にも影響が出てくるという理解でよろしいんでしょうか。

答:
 常にこれは不断の見直しと申しますか、大容量だけではなくて、全ての電波に対して、どうあるべきかということは見直してまいりたいと思います。
 公平性は追求していかなくてはならない話ですのでね。

問:
 今回発表されたこの具体的な取組の結果として、以前菅首相が4割ほど下げられるということをおっしゃってたんですけど、これらの取組を通じてどれほどの、4割にどれくらい近づけるのか、達成可能なのかを確認したいのと、あと、格安スマホへの乗り換えという話が、スムーズになるという話だったんですけど、消費者感覚で言いますと、わりとITリテラシーが高いような若い方とかサラリーマンの方がこういう乗換えとかには精通してるんですけど、お年寄りの方は今でも携帯ショップにいって、いろいろ手引きを細かく教えてもらうような方が多くて、国民にどれくらい公正にみんなが安くなることを、どういうような措置でそれを確保できるように考えているのかをお伺いしたいです。

答:
 公正にというのはなかなか、個人の選択の自由が絡んでくるので難しいけども、自分の携帯のプランがどういうプランかというのを分からずに使ってる方がおられる。使用しないプランが盛り込まれておって、それが高い料金に反映されていることも多々あるわけですね。
 ですから、我々は個人の選択の自由を阻害しないまでも、皆さんが求めている携帯料金が今どんな状況にあるかを、もう1回見つめ直していただきたい。そして、それが納得いくプランなのか、料金なのかは、ご自身が判断していただかなくてはならないものだと思います。
 40%の話ですけども、これは、当時の料金に対して国際水準の平均値を見た時に、だいたいそれぐらいが国際水準に達するのではないかという想定値だったと思うんですね。当初から私が言っているように、我々が、時期だとか、いつまでにとか、いくらまでにとか、何%だとかいうことは、あるべき姿ではないと思うんですね。我々はあくまでも国民が納得のいく合理的な水準に達するための、ありとあらゆる環境整備をしていくことが我々の仕事ですので、今後ともその職務を全うしていきたいと考えています。

問:
 それでは、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

大臣の動画はこちら(YouTube)

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