(令和2年10月20日(火)10:50~11:01 於)復興庁6階記者会見室)

 

1.発言要旨

  お疲れさまでございます。
  私のほうから報告させていただきます。
  まず1点目ですけれども、明日10月21日に福島復興再生総局幹部会合を実施することにしております。総局幹部会合では、福島復興局、原子力災害現地対策本部及び福島地方環境事務所から現状や課題について報告を受け、そして意見交換を行うことにしております。
  それから2点目ですけれども、明後日、10月22日木曜日には福島県大熊町、それから南相馬市を訪問することにしております。
  大熊町では中間貯蔵施設の視察を行うことにしております。南相馬市では福島ロボットテストフィールドの視察、それから復興公営住宅北原団地の住民の方やコミュニティー形成支援を行っておられるNPO「みんぷく」との意見交換を行うことにしております。
  私からは以上です。

 

2.質疑応答

(問)冒頭発言の2つ目の明後日の福島視察のことでお尋ねいたします。南相馬で災害公営住宅に入居されている方々や、支援にあたっているNPOの方と意見交換をされるということですが、大臣は御就任以来、公の場で直接住民の方々とお話しし、避難されている方と意見交換される機会が限られているんじゃないかと思うんですけど、今回の視察を通じて、どのようなところを重点的に大臣として課題としてお聞きなりたいとお考えでいらっしゃいますか。
(答)NPOの方々もそうですけれども、あと県民の皆さん方、要するに何を国に期待して、そして何を国について今意見を持っておられるのか、そういったことをしっかりつかんでいきたいということで考えております。
  今までもいろんな機会に首長さんとか、あるいは議長さんとか、あるいはそこに同席している幹部の方々とはいろんな意見交換は行ってきましたけど、一般のNPOとか県民の皆さん方との意見交換というのはほとんど行われていませんので、こういった機会にできるだけ意見交換を通じて、県民の皆さんは一言で言えば国に何をしてもらいたいのか、何を望んでおられるのか、国についてどう考えておられるのか、こういったことをしっかりつかめればと思っています。
(問)もう1点お伺いします。先週の金曜日に全国漁業組合連合会と福島県漁連の会長さん方が大臣のもとを訪ねられまして、処理水の問題について、改めて海洋放出に反対する意向を伝えられるなど、風評被害に強い懸念を示されたかと思います。直接その漁業関係者の方々の思いを受けとめて、どのように感じていらっしゃいますか。
(答)そのときにも申し上げましたけど、漁業関係者がいろいろと要望を出されましたけれども、それはもうごもっともで、私が逆の立場、要するに漁連の皆さん方の立場だったら、もっと強く言ったかもしれません。
  ですから当然のことなんで、私としてはそういった漁業に従事しておられる方々の御意見、御要望等が、これから処理の方法を決めるに当たって反映されるようにしっかり努めていきたいと、そういった漁民の皆さん方の思いを無視することなく、しっかり取り組んでいきたいということで申し上げましたけど、その気持ちには全く変わりはありません。
(問)同じく処理水の関係についてお伺いするんですけれども、風評被害ということを懸念しているということを大臣は先方からおっしゃったと思うんですけれども、その風評被害の定義であったり、範囲であったりというものをちょっと伺いたいんですけれども。
結局、福島県境には特に海の上に線が引いてあるわけでもないので、茨城であったりとか宮城であったり、漁業関係の方々もかなり心配されているんですね。そういった処理水、まだ方法は大臣、決まっていないということなんですけれども、海洋放出した場合にかなり漁業関係者の方、広範囲に影響が出ると思います。そのときに風評被害が実際に出たときに、そちらのほうもきちんと補償されるのでしょうか。その点をお願いします。
(答)風評被害の対応については、これから検討することにしておりますので、今、細かく申し上げることはできませんけれども、いずれにしろ、私が繰り返し申し上げているように、どのような対応をとっても風評被害は出ると思います。風評被害はそのときになってみなければわかりませんけれども、これは今おっしゃったとおりで、福島県に限られているわけでは全くなくて、これは別に海だけではなくて陸のほうも同じでございまして、風評被害は場合によっては福島で起こったことが九州の産品に出ることだって、これは外国から見ればあり得ることでございまして。そういったことも含めて、要するに今度の処理の関係の影響で、もし例えば輸入規制にあったとか、いろんな形で影響が出れば、これは私は全部対象になるだろうと思います。ですから、今おっしゃったように海に線はありませんけど、海だけじゃなくて陸にもないし、もう日本全体、福島以外のどこでも私は被害というのは考えられると。そこも含めて、これからもしそういった風評被害を検討するということになれば、しっかりと検討していかなければならないと思います。
(問)同じく処理水の関係なんですけれども。昨日、宮城県の村井知事が記者会見で、「国民的議論がなされたとは受けとめていない」というような発言をされましたけれども、こういった声があちこちから上がる中で、国民的に議論がなされていないという現状の中で政府が方針を決めていくということは、大臣はどう受けとめていらっしゃいますか。
(答)詳しいスケジュールは私も聞いておりません。ですけれども、いずれにしろ時間的にぎりぎりまでもう来ているということで、この間、いろいろ私は主として経済産業省が中心となって関係者の意見を聞くなり、一生懸命やってきたのだろうと思いますけど、村井知事さんが言われるような、そういった御意見もあるだろうと思います。
ですから、いずれにしましても、これからも国民の皆さん、それから県民の皆さんの御意見をしっかり聞いて、そして御納得、御理解いただけるような対応をしっかりと考えていく必要があるだろうと思います。
(問)追加で、政府が方針を決めた後も、国民的な議論というのは可能だという認識ですか。
(答)国民的な議論というか、国民の皆さんに御理解、御納得いただけるようなしっかりした取り組み、努力は絶対必要だろうと思います。その後であろうと。
(問)同じく処理水のことで恐縮ですけれども、最初の質問のときのお答えの中で、大臣としては漁業者の方々の思いはよくわかると、それから、考え方については漁業者の方々と同じであるというようなことだったんですけれども、漁協のほうは今も海洋放出に関しては断固反対というふうに見解を変えていませんけれども、大臣としては海洋放出については、同じく反対、あるいは慎重な考えなのかどうかというのと、もう一つ、海洋放出について、もし決まったときに、風評対策をしっかり説明すれば、あるいは新たな風評対策を講じれば、漁業者あるいは国民の方々の理解は得られるという自信があるのかどうか、この2点についてちょっと確認させてください。
(答)後のほうから言いますと、これはそのときになってみなければわかりませんけれども、それは最大限御理解いただける努力はするんだろうと思います。それは主として経産省さんが中心になってやることですけれども、これはもう当然御理解はいただけると。
  いずれにしましても、御理解はいただかなければならない。そして、片や処理水のほうももう時間的にぎりぎりまで来ているという中で、今、このいろんな動きがあるわけですから、いずれにしましても、漁業に従事している方のお気持ちは十分わかりますけれども、そういった方々に御理解いただけるよう、最大限の努力は私はすべきだろうと思うし、最終的には御理解を絶対いただけるようにやってもらわなければいけないと、そして私たちもその努力をしなければいけないと思っております。
  風評対策の件について言えば、どんな形でやろうと、この風評問題は出てくるわけで。ですからこれについては漁民の皆さんはもちろんのこと、国民の皆さんの御理解をいただけるような、しっかり風評対策も含めて取り組んで、そして最大限の努力をして、御理解いただけるということを前提に、私は前に進めていくべきではないかなと思いますけど。
(問)最初のほうの質問で、漁協が断固反対と言っていることについての。
(答)それは、ですから反対と言っているのはわかりますけれども、片や絶対反対ということですけれども、それは経産省さんのほうで十分話し合いは進めているということで私は聞いていますけれども。それでどうなるかわかりませんけど。

                                                                                                                                             (以  上)
 
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