令和2年10月22日

 10月22日(現地時間21日)、メキシコ合衆国の首都メキシコシティにおいて、我が方、髙瀨寧駐メキシコ合衆国日本国特命全権大使と先方フェルナンド・コトリム・バルビエリ国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)メキシコ事務所代表(Mr. Fernando Cotrim Barbieri, Director and Representative, UNOPS Mexico Project Office)との間で、供与額5.98億円の無償資金協力「医療機材供与を通じた保健システム強化計画(UNOPS連携)」に関する書簡の交換が行われました。

1 メキシコにおいては、10月21日現在、新型コロナウイルス感染症の累計感染者数は80万人以上、累計死亡者数は8万人以上になっています。また、1日当たりの新規感染者数は3,000人台から6,000人台で推移しているなど、感染状況は依然として厳しく、同国の保健・医療体制の強化が喫緊の課題となっています。本計画は、メキシコに対し、保健・医療関連機材を供与することを通じて、同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。

2 新型コロナウイルス感染症の世界規模での感染拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、まさに人間の安全保障に直結した世界全体にとっての深刻な危機として国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ、途上国等の保健・医療体制が脆弱な地域における感染拡大防止は、在留邦人の健康・安全に直結するのみならず、我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり、我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。

3 我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべくこれらの国々の保健・医療体制の強化を支援していきます。更に、この支援が、「誰の健康も取り残さない」という目標の下、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を含むSDGs達成のための基盤づくりに役立つことを期待しています。

[参考]メキシコ合衆国基礎データ
 メキシコ合衆国は、面積約196万平方キロメートル(日本の約5倍)、約1億2,757万人(2019年、世界銀行)。人口1人当たりの国民総所得(GNI)は約9,863米ドル(2019年、世界銀行)。