日時 令和2年10月20日(火曜日)10時59分~11時13分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)ASEAN+3農林大臣会合について
  • Go To Eatキャンペーンについて
  • 沖縄県のエビ養殖場における急性肝膵臓壊死症(AHPND)の発生について
  • 諫早湾干拓開門問題に係る現地視察について
  • 規制改革推進会議農林水産WGにおける当面の審議事項について
  • 財政制度等審議会における転作作物への助成に係る議論について

 

大臣

  本日、私から1点御報告がございます。私は、明日午後、テレビ会議方式により開催されます、ASEAN+3農林大臣会合に出席する予定であります。本会合では、コロナ禍を踏まえた食料安全保障の強化に向けた取組等についての議論が行われます。私にとっては、大臣就任後初めて参加する国際会議でもあり、我が国のASEANへの貢献について丁寧に説明してまいりたいと考えております。詳細につきましてはこの後、プレスリリースをさせていただきます。私からは以上です。

記者

  一点、Go To Eatキャンペーンのオンライン事業で、ポイントが還元される事業についてお尋ねします。先週も御質問させていただいたんですけども、今の時点での利用額であるとか、あと、参加店舗の推移、それとですね、それに対する評価とかを、もしあればお聞かせいただけますか。

大臣

  10月1日から開始されております、ポイント事業に参加されている飲食店の数につきましては、10月5日時点でありますが、約7万7000店舗となっております。また、10月1日から9日の9日間で、558万人分の予約となっておりまして、多くの方に御利用されているものと承知をいたしております。引き続き、御活用をいただきたいというふうに思います。食事券と合わせまして、より多くの飲食店・利用者に参加いただくことで、厳しい状況にある飲食業の需要を喚起し、食材を供給する農林漁業者を応援してまいりたいというふうに思っております。

記者

  昨日ですね、沖縄県の大宜味村の方で、バナメイエビにですね、急性肝膵臓壊死症っていうのが出たと。これ、日本で国内初だと思うんですけれども、昨日の官房長官の会見でもお話があったかと思うんですけども、今後、農水省としてどのような対応をとられるのかというところでお話しいただきたいと思います。

大臣

  今、お話がありましたとおり、沖縄県のエビの養殖場におきまして、タイから輸入されましたバナメイエビが、大量にへい死し、県が検査を実施していたところ、昨日、沖縄県の発表によりまして、我が国で初めての急性肝膵臓壊死症、AHPNDの発生が明らかになりました。本疾病は、持続的養殖生産確保法に基づく特定疾病に定められていることから、沖縄県は同法に基づき、速やかに養殖場のエビの処分、水槽の消毒等のまん延防止措置を実施したとの報告を受けております。農水省としましては、他の都道府県や関係者に対する注意喚起を行うとともに、本疾病のまん延防止が徹底されるよう、沖縄県等関係機関と連携して対応をしてまいりたいというふうに思います。

記者

  関連してなんですけれども、防疫体制に問題がなかったかどうか、その辺についてお伺いしたいと思うんですけども。

大臣

  今回の発生原因につきましては、発生養殖場に関する疫学情報の収集と必要な調査を行い、その究明を行うこととしております。現段階では、水際措置に特段の問題はなかったと考えておりますが、いずれにしても、着地検査を含めた水際措置を徹底し、本疾病の更なる進入防止を図ってまいりたいと思います。

記者

  具体的な水際措置の体制について、何かお考えありますでしょうか。

大臣

  今、申し上げましたとおり、発生原因につきましては、疫学情報のですね、収集等の必要な調査を行い、その究明を行うこととしておりますし、現段階では、水際措置に特段問題はなかったと考えておりますが、いずれにしても、着地検査を含めた水際措置を徹底をして、本疾病の更なる侵入防止を図っていくということであります。

記者

  諫早湾干拓事業についてお伺いしたいんですけれども、これまで歴代の大臣もですね、新しく就任して大体1か月前後で潮受堤防、排水門の現地視察をされていました。大臣は、既に就任1か月を過ぎていますけども、現時点で、現地視察についてのお考えを教えていただければと思います。

大臣

  今、お話ありましたとおり、就任後ですね、早期に現地訪問された農林水産大臣がおられたことは承知しております。現在進められている複数の訴訟の状況ですとか、新型コロナウイルスに関する感染状況等を踏まえて、いずれ適切な時期に現地訪問したいと考えております。

記者

  新型コロナウイルスの感染状況を勘案しながらというふうな御説明ですけども、その一方でですね、これまで就任後に、例えば福島県とか、茨城、静岡、北海道と既に4か所に出張されてますけども、こういった出張先との違いというのは何なんでしょうか。

大臣

  これまでですね、諫早湾干拓開門問題に関する出張では、現地視察に加え、多くの関係者の皆様との意見交換会を実施をしてまいりました。その際、前回並みの時間をとって意見交換を行いたいと考えておりますが、参加者についても、ある程度絞るとしても、これまでどおり、知事・市町の首長の皆様、営農者・漁業団体の皆様他などですね、各方面の関係者と会して行うことに意義があると考えております。そのため、会場はどうしても密になりやすく、かつ、御高齢の方の参加も想定されることから、新型コロナウイルスの感染状況を勘案する必要があります。なお、関係者の皆様の意見を伺うことが重要でありますので、現在進められている複数の訴訟のですね、状況等も総合的に勘案しながら、適切な時期に現地訪問したいと考えています。

記者

  昨日、規制改革推進会議のですね、農林水産ワーキング・グループが当面の審議事項を発表をされました。このような対応、特にですね、新たに加わった牛乳・乳製品の規制改革のフォローアップとですね、あと、来年、改正農協法施行5年後の見直し時期を迎える農協改革について、改めてどう対応されていくか、考え方を教えてください。

大臣

  昨日にですね、規制改革推進会議農林水産ワーキング・グループが開催されまして、当面の審議事項について議論が行われたものと承知をしております。当面の審議事項としては、本年7月に閣議決定されました、規制改革実施計画に盛り込まれた事項のほか、今、御指摘のありました、牛乳・乳製品の生産流通等に関する規制改革のフォローアップ、また、森林経営管理法の制度運用が挙げられております。今、お話のあった牛乳・乳製品の生産・流通等に関する規制改革のフォローアップにつきましては、生産者が出荷先を自由に選べる環境の下、創意工夫により、所得を増大させていくことを目的とした改革の進捗状況を踏まえて、必要な措置を検討されることとしております。
  また、農協改革につきましては、これまでもですね、規制改革推進会議におきまして、議論がなされてまいりましたが、本年7月の規制改革実施計画において、「これまでの自己改革の進捗を踏まえ、引き続き取組を促すとともに、改正農協法の附則の規定に基づき、農協について検討を行い、必要に応じて措置を講ずること」等とされていることを踏まえて、JAグループともよく議論しつつ、検討していくこととなると考えております。

記者

  もう1点、別の話なんですけれども、これも昨日ですね、財務省の財政審の部会で示した資料で、水田農家、大規模になるほど収益性の低い転作作物を多く作付けて、それゆえに粗収益が減ったりですね、補助金の割合が高くなっているとして、転作をですね、輸出の拡大などに向けて、高収益が見込める作物とかに転換していくことが重要ではないかという考え方をお示ししました。これ、飼料用米とか麦・大豆などへの転作とかですね、こうした転作作物への補助金である、水田活用の直接支払交付金を問題視しているとも受け止められると思うんですけども、大臣のこの財政審の指摘に対するお考えをお聞かせください。

大臣

  昨日、財務省の財政制度等審議会におきまして、御指摘のような問題提起がなされたことは承知をいたしております。現行の米政策におきましては主食用米の需要がですね、毎年10万トン程度減少すると見込まれる中で、需要のある麦・大豆や、高収益作物、あるいは飼料用米等などですね、主食用米以外のコメへの転換を推進することが重要であります。こうした主食用米からの転換をですね、これまで大規模経営体が中心的に担ってきたことから、結果的に粗収益に占める補助金の割合が高くなっていることは、統計でも示されているとおりであります。一方、転作作物への助成は、出荷・販売契約の締結を要件としており、需要に応じた生産が確実に行えるよう、助成を行っているところであります。今回の財政制度等審議会の御指摘も踏まえて、来年度の予算編成に向けて、財務省と協議をしてまいりたいというふうに思います。

記者

  先ほどのエビの質問にちょっと戻りたいんですけれども、沖縄県内ではですね、クルマエビの養殖場もありまして、今回伝染病が発生した種とクルマエビは近縁種になるそうです。その点踏まえてですね、現時点で県内の他の養殖場へ広がるリスクがあるのかどうか、現時点のお考えをお願いします。

大臣

  これは、現時点ではですね、先ほど申し上げたとおり、速やかに養殖場のエビの処分、あるいは水槽の消毒等のまん延防止措置を実施したとの報告を沖縄県から受けているところでありまして、農水省としては、他の都道府県あるいは関係者に対する注意喚起を行うとともに、本疾病のまん延防止を徹底されるように、沖縄県等と連携をして対応してまいりたいというふうに思っておりますし、その発生原因についてですね、疫学情報の収集等、必要な調査を行ってその究明を行いたいと思っておりますので、まずは、その究明を行ってまいりたいと。更に、クルマエビにつきましては、県内ではですね、検査をされる予定というふうに聞いております。

記者

  Go To Eatのポイントの関係なんですけれども、先ほど500万人余りが利用されているということでしたが、ポイント数にするとどれぐらいになる予定なのでしょうか。総ポイント数ですね。合わせて、こちらの総額が616億円と決まっていたかと思うんですけれども、それに占める進捗状況というのと、もしも早期に達してしまった場合はどうされる御予定かを伺っていいでしょうか。

大臣

  ポイント付与額は49億円となります。また、ポイント付与が終わって尽きてしまうんではないかというお話もありましたが、先日、御報告した状況からややペースが上がってきているというふうに思いますが、引き続き利用状況を見ていく必要があると。

報道官

  他に御質問ございますでしょうか。よろしいですか。では、以上で終了します。ありがとうございました。

以上