令和2年10月20日

 10月20日(現地時間19日)、ハイチ共和国の首都ポルトープランス市において、我が方、水野光明在ハイチ共和国日本国大使と、先方クロード・ジョゼフ外務・宗務大臣(H.E. Dr. Claude JOSEPH, Minister of Foreign Affairs and Worship)との間で、供与額4億円の無償資金協力「食糧援助」に関する書簡の交換が行われました。

1 西半球の最貧国であるハイチは、2020年の飢餓指数が107か国中104位であり、依然深刻な飢餓状況に直面しています。全労働力人口の50%以上が農業に従事しているものの、農業資金の不足、農産品の流通に不可欠なインフラや農業技術の欠如等により、農民の70%以上は自給自足できない状況にあります。同国の穀物自給率は近年約30%であり、特に主食のコメは消費量の約80%を輸入しているなど、輸入農作物に大きく依存しているため、国際市場価格の変動等に国民の生活が脅かされています。

2 この協力は、農業分野の発展を最優先課題に掲げているハイチ政府の取組を後押しする形で、同国の食糧及び栄養上のニーズのある人々に対し、我が国政府米を供与することにより、同国の食料安全保障の改善に寄与するものです。

3 我が国は、ハイチの基礎社会サービスの確立を目標に、農業振興と食料安全保障の強化を重点分野の一つとして支援を行っており、この協力も同支援の一環として実施されるものです。この協力により、同国の人口約1,126万人の栄養環境が改善されることが期待されます。

[参考]ハイチ共和国基礎データ
 ハイチ共和国は、面積約2.77万平方キロメートル(北海道の約1/3)。人口約1,126万人(2019年、世界銀行)。1人当たり国民総所得(GNI)は790米ドル(2019年、世界銀行)。