日時 令和2年10月16日(金曜日)10時56分~11時15分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)北海道への現地視察について
  • (大臣から)世界食料デーについて
  • (大臣から)みどりの食料システム戦略について
  • (大臣から)輸出関係有識者ヒアリングについて
  • コメ政策について
  • 大臣就任一か月の所感と喫緊の課題への対応について
  • 福島第一原発の処理水の海洋放出について
  • 高収益作物次期作支援交付金について
  • Go To Eatキャンペーンについて

 

大臣

  本日私から4点御報告がございます。
  1点目は、北海道十勝地方での現地視察についてであります。来週19日に、輸出や畜産におけるスマート農業等に関する最新の動向を把握するため、枝豆の優良産地である中札内村農業協同組合、長いもの輸出に取り組む帯広市川西農業協同組合、搾乳ロボット等を導入している株式会社B&M、食肉の輸出に取り組む株式会社北海道畜産公社に伺います。現地視察の詳細につきましては、この後プレスリリースをさせていただきます。
  2点目は、世界食料デーについてであります。本日10月16日は世界食料デーです。1945年のこの日に、国連食糧農業機関が設立されたことを記念したもので、世界約150か国の国々で食料問題を考える様々なイベントや啓発活動が実施されます。我が国でも、本日、FAOの駐日連絡事務所がイベントを主催しますが、農林水産省においても、本日から皆様に、日本や世界の食、それを支える農林水産業について思いを巡らせていただくきっかけとなるよう、「#(ハッシュタグ)我が家の味自慢キャンペーン」を開始をいたします。国産食材を利用した家庭料理や思い出の料理を皆様からSNSで発信いただき、「#元気いただきますプロジェクト」の公式ウェブで紹介いたしますので、是非投稿をお待ちをしております。
  3点目は緑の食料システム戦略についてであります。農林水産大臣に就任して約1か月を迎えまして、温暖化・自然災害の増加ですとか、あるいは生産者の減少・高齢化、地域コミュニティの衰退、新型コロナの発生など、課題が山積していることを痛感をいたしております。今後SDGsや環境への対応が重要となる中、農林水産業や加工流通を含めた、持続可能な食料供給システムの構築が急務と考えております。また、このような環境と調和した持続的な産業基盤の構築は、国産品の評価向上を通じ、輸出拡大にもつながると考えております。農研機構で、今週、スマート農業の実証やイノベーションの状況を視察いたしましたが、こうした施策の実装もますます重要と考えております。このため、我が国の食料・農林水産業の生産性向上と、持続性の両立をイノベーションで実現させるための新たな戦略として、「みどりの食料システム戦略」について、来年3月に中間取りまとめを作成し、5月頃の策定を目指して検討することを、事務方に指示をいたしました。
  4点目は、本日15時30分から行う、輸出関係の有識者に対するヒアリングについてであります。輸出拡大につきましては、輸出額5兆円目標の達成に向けて、「農林水産物・食品輸出本部」を中心に、政府一体となって各種取組を強化することとしており、先日の農林水産物・食品の輸出関係閣僚会議におきましても、菅総理から、輸出立国の実現に向け、当面必要となる具体的な戦略を年末までに策定するよう指示がありました。これを踏まえまして、戦略策定に向けた取組の一環として、食品製造事業者の皆様を皮切りに、様々な関係事業者等から順次ヒアリングをさせていただくことといたしました。輸出に向けた取組や課題を聴き取るとともに、マーケット・インの発想で輸出拡大を進める方策について、率直に議論してまいりたいと考えております。
  私からは以上であります。

記者

  本日、コメの需給を話し合う食料・農業・農村政策審議会の食糧部会が開かれます。本年産の主食用米を巡っては、新型コロナウイルスの感染拡大による需要減少や収穫量の増加で、価格の下落が懸念されていますけれども、その中で、農林水産省に対してですね、既存事業だけでなく新たな対策を求める声や、2018年の都道府県ごとに生産数量目標の配分を取り止めた、いわゆる減反廃止を見直すべきだというような声も上がっていますが、今後どのように対応していくお考えでしょうか。

大臣

  お話ありましたとおり、本日、午後2時から食糧部会を開催をしまして、次年産の生産量の見通しを含む、コメの基本指針の変更案などをお示しをいたします。部会の開催前でございますので、内容についてはお答えをすることはできませんが、委員の皆様から今後のコメ政策のあり方につきましても、御意見を賜りたいと考えております。令和2年産の9月15日現在の作況指数が101でありまして、新型コロナの影響で、中食・外食向けの販売が減少していることから、需給緩和を懸念し、今、お話のあるように、特別な対策を求める御意見があることは承知をいたしております。需給緩和に対しましては、主食用米の長期計画的な販売への支援ですとか、ナラシ対策、収入保険等の対策を用意しているところでありまして、まずは、必要に応じてこれらを御活用いただきたいと考えております。追加の対策につきましては、自らの経営判断による需要に応じた生産・販売という、コメ政策の基本的な考え方を大前提に、今後の需給動向を見極めた上で、本日の食糧部会ですとか、今後行われる与党での議論なども踏まえ、必要に応じ検討してまいります。なお、いわゆる減反廃止につきましては、主食用米の需要が新型コロナの影響がなくても毎年減少すると見込まれている中、今後も国内の消費拡大や、輸出拡大の取組を進めつつ、自らの経営判断による需要に応じた生産・販売を着実に推進していくことが重要と考えておりまして、見直しは考えておりません。

記者

  2点伺います。先ほどもちょっとあったんですけど、大臣、今日就任されて1か月が経ちました。この間、様々な政策なり課題に向き合ってこられたと思うのですが、1か月振り返っての所感をお願いします。もう1点は、いろんな課題がある中で、喫緊の課題としては、先ほどもあった輸出拡大の戦略策定や種苗法改正案などがあると思いますが、こうした課題に、喫緊の課題としてどう向き合っていくか、お考えをお願いします。

大臣

  先月16日に、農林水産大臣に就任して以来、1か月が経ちましたが、農林水産業・食品産業の現場をですね、常に意識しつつ、緊張感を持って職務に当たってまいりました。今月に入ってから、福島県、茨城県、それから昨日は静岡県に出張いたしまして、東日本大震災からの復旧・復興に向けた取組ですとか、スマート農業、あるいは輸出、水産資源の管理の取組等のですね、状況を視察をさせていただきました。各地の現場の状況を拝見をする、そしてまた現場の皆様のですね、生のお声をお伺いする中で、我が国の農林水産業、やはり大変厳しい状況にあるということとともにですね、また、大きな可能性があるということも改めて実感をいたしました。私としては、まずは、このコロナによる影響をですね、緩和するための対策を引き続き着実に実施をしていくとともにですね、ポストコロナ時代における社会構造の変化も踏まえて、今お話のあった、2030年に5兆円という新たな輸出目標、これをしっかり推進していく、また、生産基盤の強化や担い手の育成、さらにはスマート技術の開発あるいは実装、デジタル技術の活用の加速化、あるいは多様な人材ですとか地域資源を活用した農村活性化などのですね、新たな農村政策の展開等々ですね、様々な課題に取り組んで、農林漁業者の所得の向上と農山漁村の活性化につながる改革を進めてまいりたいというふうに思います。
  輸出目標に向けた取組については、これまで縷々説明をさせていただいておりますが、これは最重要課題の一つだというふうに思っておりますので、しっかり進めてまいりたいと思いますし、種苗法改正などについてもですね、しっかり準備を進めてまいりたいというふうに思っております。

記者

  本日、福島第一原発のALPS処理水をめぐる海洋放出を政府が決定するという報道が今朝ございました。事実関係をどのように把握されておられますでしょうか。また、今日ですね、全漁連の方々が、海洋放出に反対する要請に来られます。大臣のお考えをお願いいたします。

大臣

  まず、現時点でですね、政府が今、御指摘のあったような決定をした事実はないと承知をしております。また、本日この後、全漁連の岸会長からですね、福島第一原発で発生する処理水の取扱いについて、要請をいただく予定であります。原発事故以来ですね、復興に向けて懸命に取り組まれている漁業者の方々には、大変な御労苦と御心配をおかけをしているところでありまして、海洋放出された場合の風評被害を懸念されるお気持ちというのは、当然のことであるというふうに思います。本日、全漁連の皆様の御意見をよくお伺いをしてですね、復興に向けた漁業者の努力を妨げないことを最優先に、汚染水の処理方法ですとか、風評被害対策を検討していくべきと考えております。

記者

  高収益作物次期作支援交付金の要件変更について、何点かお聞きいたします。農水省の方で、減収額の申告などを追加で求めてですね、事実上、減収額を交付上限とするような内容だと認識しておりますけれども、この要件変更の経緯について、大臣の方でどういうふうに把握されているか、まず教えてください。

大臣

  今お話ありました高収益作物次期作支援交付金につきましては、コロナによって大きな影響を受けた花き・茶・野菜・果樹等の高収益作物について、生産者が営農を断念することなく、次期作に前向きに取り組んでいただけるように、要件を簡素で弾力的にするなど、申請しやすい仕組みとしたところであります。本事業につきまして、これまでいただいた申請を見ますと、新型コロナウイルスの影響があったとは言いがたいものも含まれておりました。新型コロナウイルスによる影響がないものにも交付金が支払われることのないよう、今後、追加で申請者に売上の減少等についての申告書を提出していただいた上で、減収額を超えない範囲で交付金を支払うこととするなど、運用を見直すこととしたところであります。関係者の皆様には御面倒をおかけすることになりますが、この運用見直しと追加の作業について御理解がいただけるように、丁寧に説明をしてまいりたいというふうに考えております。

記者

  なぜ、こういうような変更がなされたのかなんですけど、農水省の方で、当初からですね、野菜・果樹・花・茶については全部対象だと農水省の方で決めてまして、それを受けて、どんどん申請してくださいみたいに推進していったと聞いております。こうした理解でですね、コロナの影響がない方の申請ということもですね、当初から想定されたことではないかと思うんですけれども、なぜ今になってこういう変更をされたんでしょうか。

大臣

  本事業創設当時はですね、生産現場には、コロナの影響が更に拡大・深刻化することへの不安がまん延をしておりまして、営農を断念する農家が発生する懸念がありました。このような状況下の中で、新型コロナの影響で困っている生産者の方が、本事業の要件が厳しいために申請できずに営農を断念するといったことが生じないようにすることを最優先とした事業の仕組みとしたところでありました。しかしながら、今となっては結果として見直さざるを得なくなりまして、関係者の皆様に御面倒をおかけすることは大変遺憾であると思っております。関係者の皆様の御理解をいただけるように、丁寧に説明してまいりたいというふうに思います。

記者

  また聞きますけども、減収額が交付の上限となる仕組みだと思うんですけれども、そもそも農水省、当時にですね、収入減少の補てんではなくて、次期作に前向きに取り組むために必要となる経費の半分をですね、定額で支援するみたいに説明してました。つまり、前向きな取組に対する投資であってですね、減収補てんではないんですけれども、減収額を上限みたいにするとですね、当初の説明と食い違うんじゃないかと思うんですけれども。

大臣

  ここの点につきましても、今、お話をさせていただいたとおり、この本事業についていただいたですね、申請を見ますと、コロナウイルスの影響があったとは言いがたいものが含まれており、そういうものにですね、交付金が支払われることがないように、今般、追加で申請者に売上の減少等についての申告書を提出いただいた上で、減収額を超えない範囲でお支払いをするということで、運用を見直すということにさせていただいたところであります。

記者

  投資ということなので、結構、もう既にいろんな取組をされていて、今回の変更で交付額が減ってしまうと、逆に持出しみたいになっちゃう人もいるというような話も聞いておりまして、それをどう見てるかということと、そういった影響、かなり大きい変更だと思うんですけども、現時点でもですね、ホームページなどではですね、過去の要件のまま掲載してまして、こちらの把握してる範囲だと、局長通知が12日の時点で出てるんですけれども、全然一般向けに説明とかもされてなくてですね、農水省として、何故このような対応をされているのかが知りたいんですけれども。お願いします。

大臣

  今回の見直しにつきましては、現場の皆様にまず丁寧に説明して御理解をいただけるよう努めなければならないと思っておりますが、既に機械に投資したなどのですね、現場の事情についても、よく聴いて相談に乗る等、できる限りの対応をしてまいりたいというふうに思っておりますし、説明自体につきましても、詳細にですね、あるいは丁寧に足を運びながら説明をしてまいりたいというふうに思ってます。

記者

  最後に、先ほど相談に乗るとかありましたけれども、現実的に、今回の要件変更によって、不利を受けた方から相当な混乱とかが起こると思うんですけれども、そういう金銭的な補償とかも求めて来るような人がいるんじゃないかと思うんですけれども、そういう場合にはどう対応されるんでしょうか。

大臣

  今申し上げたとおり、現場の事情についてもよく聴いてですね、できる限りの対応をしてまいりたいと思います。

記者

  今年の靖国神社秋季例大祭が開催される、週末の17・18日両日に、靖国神社を参拝したり、真榊を納めたりするお考えはありますでしょうか。またその理由を教えてください。

大臣

  今、御指摘の点につきましては、個人として適切に判断をしてまいりたいというふうに考えております。

記者

  Go To Eatについてお伺いします。Go To Eatを使った不正なポイント詐欺や脅迫行為があったというふうなツイートが、今ツイッターに上がっています。食べログで予約した人数を来店せずに店側が払うと、その送金手数料を払うから10人と予約したことにしてくれというふうな提案をしてきたということです。こうした、予約時よりも実際の来店数が少ない、差額分のポイントをもらおうとした事例をですね、農水省としては把握をされているのか、把握をされているのであれば、その受け止めや対策をお伺いしたいと思います。

大臣

  報道の事項につきましてはですね、明らかに不正な利用であると思います。消費者の皆様におかれましては、厳しい状況にある飲食業の需要喚起、ひいては食材を提供する農林水産業を応援するというですね、Go To Eatキャンペーンの趣旨を是非、御理解をいただきたいというふうに考えております。

報道官

  では、以上で終了します。ありがとうございました。

以上