令和2年10月8日

(写真1)UHCフレンズ閣僚級会合で発言する茂木外務大臣

(写真2)UHCフレンズ閣僚級会合の様子

 10月8日、午後9時頃から、茂木敏充外務大臣は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)フレンズ閣僚級会合(ビデオ会議)を主催したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、茂木大臣から、新型コロナウイルス感染症への対応にあたり、「人間の安全保障」の理念に立脚し、「誰の健康も取り残さない」ことを目指すUHCの達成が重要であるとした上で、ワクチンへの公平なアクセスを含む同感染症への対応能力の強化、将来の健康危機への対応に資する保健医療システムの強化、感染症に強い環境整備といった分野で我が国が主導している取組を説明し、国際社会と手を携えながら、UHCの実現に向けて尽力していく旨述べました。
  2. その中で、茂木大臣は、我が国が本年6月の「グローバル・ワクチン・サミット(第3次Gavi増資会合)」においてプレッジした当面3億ドル規模の支援のうち、1.3億ドル以上を新型コロナウイルス感染症のワクチンへの公平なアクセス強化のため、COVAXファシリティの途上国支援枠組みである「ワクチン事前買取制度(AMC)」に拠出することを表明しました。
  3. 本会合には、グテーレス国連事務総長、ドーン・タイ副首相兼外務大臣、ザルカリアニ・ジョージア外務大臣、オマモ・ケニア外務長官、バ・セネガル外務大臣、アジマン=メーヌ・ガーナ保健大臣、サリーナス・ウルグアイ厚生大臣、ヴァルダン・インド保健・家庭福祉大臣、テドロスWHO事務局長、フォアUNICEF事務局長、バークレーGaviワクチンアライアンス事務局長、ハチェット感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)事務局長等が参加しました。出席者からは、新型コロナウイルス感染症への対応にあたっての国際社会全体としての取組の重要性について発言がありました。また、今般のCOVAXファシリティ(AMC)への拠出の表明を含む、UHC普及にあたっての我が国の役割や取組への評価も示されました。
  4. 本会合は、昨年の国連総会UHCハイレベル会合において、「史上最も包括的な保健合意」と称される政治宣言が採択されてから一周年を迎えた機を捉えて、国際社会におけるUHCの啓発を一層促進することを目的に開催されました。会合には、UHCフレンズメンバー国や市民社会関係者からも多くの参加が得られました。

[参考]ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
 全ての人が負担可能な費用で質の確保された保健サービスを受けられ、経済的リスクから保護されること。

[参考]UHCフレンズグループ
 持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット3.8に掲げられている「2030年までの世界でのUHC達成」に向け、国連加盟国における理解を深め、機運を高めるために、日本が主導して2018年12月に設置。2019年9月の国連総会UHCハイレベル会合政治宣言の採択に寄与した。  
 メンバーは64か国・地域。現在は、日本に加え、タイ及びジョージアが共同議長。

[参考]COVAXファシリティの事前買取制度(AMC)
 COVAXは、新型コロナワクチンの製造・供給の促進を目指して、Gavi主導の下、時限で立ち上げられた包括的な資金調達及び供給調整メカニズム。ワクチンの購入量と市場の需要の保証を通じ規模の経済を活かして交渉し、迅速かつ手ごろな価格でワクチンを供給する仕組み。
 AMCは、開発途上国向けのワクチンの開発・製造・供給を促すため、企業がワクチンを製造した後、Gaviが一定量を買い取ることを保証し、開発後の市場を確保するとともに、需要に見合う規模のワクチン製造体制を整えるために開発企業の製造能力拡張を後押しする仕組み。ドナーがAMC向けにGaviへの資金拠出をプレッジし、ワクチン実用化後における途上国の購入費用の一部を負担することで、開発企業の開発及び製造コスト回収の目処を立てるとともに、途上国が負担する費用を抑制し、ワクチン普及を支援。