令和2年10月2日

 10月2日(現地時間同日)、東京において、我が方、松田邦紀駐パキスタン・イスラム共和国日本国特命全権大使と先方是澤優国連人間居住計画(UN-Habitat)アジア太平洋地域事務所地域代表(Mr. Atsushi Koresawa, Regional Representative, Regional Office for Asia and the Pacific, United Nations Human Settlements Programme)との間で、供与額4.71億円のパキスタン・ハイバル・パフトゥンハー州における学校の防災能力向上のための無償資金協力(「ハイバル・パフトゥンハー州における災害に対して強靱な学校設備整備計画」(UN連携/UN-Habitat実施))に関する交換公文の署名が行われました。

1 パキスタンは地震、洪水や土砂災害等の自然災害多発国であり、特にハイバル・パフトゥンハー州を含む北部地域はこれまで繰り返し地震による甚大な被害に見舞われてきました。同州政府は、連邦政府の方針の下、行政機関における制度・指針の整備、各種情報基盤システムや予警報のシステムを整備するだけではなく、学校及びコミュニティのレベルでの防災に対する意識向上等のハード面及びソフト面の強化に取り組んでいます。しかしながら、学校の耐震性は依然として低く、また、災害時の拠点として学校を運用する上で、水へのアクセス、トイレの確保等の衛生環境面の機能が十分ではなく、加えて、生徒、教員、保護者等の地域社会による防災対策への理解はいまだ不十分であり、更なる取組が必要となっています。

2 この計画は、パキスタンのハイバル・パフトゥンハー州において、学校の耐震化、教育関連機材供与及び防災教育にかかる支援を行うものです。この協力により、同州の150校の既存学校の耐震工事、12校の新規耐震学校建設、60回の防災研修が実施され、地域防災人材や一般市民の防災に係る認知度と能力が向上し、もって同国の人間の安全保障の確保及び社会基盤の改善に寄与することが期待されます。

[参考]パキスタン・イスラム共和国基礎データ
 パキスタン・イスラム共和国は、面積約79.6万平方キロメートル(日本の約2倍の大きさ)、人口2.12億人(2018年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)1.590米ドル(2018年、世界銀行)。