令和2年9月28日

 9月28日(現地時間同日)、モルディブ共和国の首都マレにおいて、我が方、柳井啓子駐モルディブ共和国日本国特命全権大使と先方アブドッラ・シャーヒド外務大臣(H.E. Mr. Abdulla Shahid, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Maldives)との間で、同国における新型コロナウイルス危機対応のための緊急支援を目的として、50億円を限度とする円借款に関する交換公文の署名が行われました。

1 対象案件の概要

(1)モルディブにおいては、本年4月15日にマレ島での初の感染者が確認されて以降、現在に至るまでマレ島を中心に感染拡大傾向が続いています。感染抑制のために導入された外出自粛や各種ロックダウン措置などにより経済活動が制限される中、とりわけモルディブ経済の根幹をなす観光業は、本年3月末以降、海外からの観光客の受け入れを事実上停止したことにより大きな打撃を受けています。7月中旬以降、観光客の受け入れを一部再開していますが、同国経済は今後著しく悪化すると予測されており、新型コロナウイルス危機対応及び社会・経済の回復が喫緊の課題となっています。本円借款は、モルディブに対し、ADBとの協調融資による財政支援を通じて、同国における感染拡大の抑制とともに、同国の社会・経済の回復と安定及び持続的発展に寄与することが期待されます。

(2)供与条件(「新型コロナ危機対応緊急支援円借款」)

(ア) 金利 0.01%
(イ) 償還期間 15年(4年の据置期間を含む。)
(ウ) 調達条件 アンタイド

2 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大及びそれに伴う経済社会活動の停滞は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ本円借款を通じて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けるアジア・大洋州などの途上国における経済活動の維持・活性化に貢献することは、日本を含む世界経済を下支えする観点からも重要です。

3 我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化及び国際社会・経済の回復と安定及び持続的発展に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく途上国を支援していきます。

[参考]モルディブ共和国基礎データ
 モルディブ共和国は、面積約298平方キロメートル(東京23区の約半分)。人口約51万人(2018年、世界銀行)。人口1人当たり国民総所得(GNI)は9,280米ドル(2018年、世界銀行)。