令和2年9月28日

「科学技術外交推進会議」第1回会合1

「科学技術外交推進会議」第1回会合2

「科学技術外交推進会議」第1回会合3

 9月28日、鷲尾英一郎副大臣及び松本洋一郎外務大臣科学技術顧問(外務省参与)の出席の下、「科学技術外交推進会議」の第1回会合が開催されました。

1 冒頭、鷲尾英一郎外務副大臣から、松本洋一郎科学技術顧問の下に設置した科学技術外交推進会議への委員の参加・協力に謝意を表した上で、科学技術が経済面のみならず、安全保障や気候変動等のグローバルな課題に対処する上でも重要である旨強調しました。さらに今後、様々な外交機会においても、科学的知見を生かした外交を推進し、国際社会で我が国がリーダーシップを発揮していきたい旨発言しました。

2 松本科学技術顧問から、COVID-19への対応、デジタル革命、SDGs等、我々をとりまく状況が変化する中、国際社会において科学技術の役割は大きくなっており、科学技術外交が益々重要になることを強調するとともに、我が国の科学技術基盤を強化し、外交と結びつけていく必要がある旨述べました。また、各省庁・機関が進めている国際連携や保有する科学的知見を日本政府全体として集約するとともに、推進会議委員からも助言や示唆を得て、より戦略的かつ効果的に科学技術外交を推進していきたい旨述べました。

3 また、松本科学技術顧問は、就任以降の活動状況として、外務省科学技術顧問ネットワーク(FMSTAN)や政府に対する科学的助言に関する国際ネットワーク(INGSA)を通じたネットワーク構築活動や意見交換の概要について報告しました。その上で、今後の我が国の科学技術基盤強化に向けた環境づくりや国際連携のあり方、コロナ禍を踏まえ先鋭化する経済・社会面の課題解決への科学技術の活用や科学的助言システム強化等について、問題意識を共有するとともに今後の展望について発言しました。

4 以上を踏まえ、出席者の間で活発な議論が行われ、科学技術と外交をめぐる現状と諸課題について認識が共有されると共に、今後の科学技術外交推進の方向性や取組について様々なアイデアが出されました。

[参考1]外務大臣科学技術顧問(外務省参与)
 平成27年9月、外務大臣科学技術顧問として、岸輝雄東京大学名誉教授が任命され、令和2年4月1日、後任として、松本洋一郎東京理科大学学長が外務大臣科学技術顧問に就任。外務大臣科学技術顧問は、外務大臣の活動を科学技術面でサポートし、各国の科学技術顧問・科学技術分野の関係者との連携強化を図りながら、各種外交政策の企画・立案における科学技術の活用について外務大臣及び関係部局に対し助言を行う。また、日本の科学技術力につき対外発信を行うとともに、国内外の科学技術関係者等とのネットワーク強化を担う。
 なお、平成31年4月には、外務大臣次席科学技術顧問として、狩野光伸岡山大学教授が就任。

[参考2]科学技術外交推進会議
 平成27年12月、岸田文雄外務大臣(当時)は、科学技術の各種分野における専門的な知見を外務大臣科学技術顧問の下に集め、我が国のトップ外交やハイレベル国際会議を含む各種外交政策の企画・立案過程に活用するため、「科学技術外交アドバイザリー・ネットワーク」を構築することとし、その一環として、科学技術外交の関連分野における学識経験者に対し、「科学技術外交推進会議」の委員を委嘱した。岸輝雄前科学技術顧問の任期終了とともに推進会議委員の委嘱も終了。
 松本科学技術顧問の就任後、新たに委員の人選を行い、本年9月に20名に委員を委嘱し、第1回会合を開催することとなった。(現在、推進会議のメンバーは、座長の松本顧問、副座長の狩野次席顧問を含め、合計22名)。

[参考3]外務省科学技術顧問ネットワーク(FMSTAN: Foreign Ministries Science and Technology Advisors Network)
 2016年2月、日、NZ、米、英が中心となり設立した、各国の外務省で活躍する科技顧問の非公式な国際ネットワーク。

[参考4] 政府に対する科学的助言に関する国際ネットワーク(INGSA:International Network for Government Science Advice)
 2014年8月に国際科学会議(ICSU)(現:国際学術会議(ISC))の提案によって設立されたネットワーク。議長は前NZ首相首席科学顧問のピーター・グルックマン氏。