(令和2年9月25日(金)  11:08~11:35)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
本日、私の方から冒頭に一点御報告があります。本日の閣議で、 三原じゅん子厚生労働副大臣と大隈和英厚生労働大臣政務官に、働き方改革を担当する大臣である私の補佐をするように指示をした旨を報告いたしました。
 二人とも働き方改革の実現に向けて、しっかりと取組をお願いしたいと思っております。私からはこの一点のご報告をさせていただきます。

質疑

記者:
先ほど2021年度の政府予算編成で、厚労省としての概算要求を公表されましたが、どのようなことを実現しなければならないとお考えでしょうか。
大臣:
今日、与党の手続きに入っていただいていると、私も朝、自民党の部会の方にご挨拶に伺ったわけですが、やはり新型コロナウイルスに万全を期していかなければならないということでありまして、そういう意味では新たな日常を支えるための社会保障を構築していく必要があるであろうということであります。
 例えば感染防止にしっかり配慮した医療や福祉サービスの提供体制の確保でありますとか、後は検査体制をしっかり充実していくこと、ワクチンや治療薬の開発、それから開発だけでなく確保など、これをしっかり要求をしていくこと、更にはやはり雇用が厳しくなると予想がされているわけでして、それに対して、雇調金の方は12月までという話もしておりますけれども、特例のみならず様々なやむなく職を離れられた方々に対しての再就職の支援でありますとか、更には生活困窮者の方々への住まいの確保でありますとか、そういうこと含めてしっかりと今般、概算要求の中において決定してまいりたいと思います。
記者:
概算要求についてお尋ねします。新型コロナ対策で、多くの項目が事項要求という金額を明示しない形での概算要求となっておりますが、なかなか難しいかと思いますが、追加で金額として上乗せする、しなければならない予算がどの程度の規模が必要なのでしょうか。
大臣:
今ここでつまびらかに申し上げるというのは難しいことはご理解いただけると思います。現状、今走っている部分、それからこれからの部分含めて随時補正予算や予備費で対応のお願いをしてきたわけでありますが、来年度予算ということでございますから、これからの新型コロナウイルス感染症の広がりがどれぐらいの状況になるのかということもいろいろ考えていかなければなりませんし、今、インフルエンザの対応で体制整備もしておりますが、そういうような状況の中でどのような医療提供の体制などを含めて対応が必要なのか、これは今年度から来年度に移ってという話になりますから、来年度の予算から言うと、4月から若干インフルエンザが収束しているかも分かりませんけれども、そういうことも見越しながら全体を考えていかなければならないということもあろうかと思います。
 これからの状況を見定めながら積み上げをしていかなければならないという意味で、今、政府全体で事項要求という形になっておりますので、そこの積み上げを、なかなかこの金額というのが申し上げづらいということはご理解をいただければありがたいと思います。
記者:
桁数で言うと大体どのくらいでしょうか。
大臣:
それも申し訳ありません。今ここで申し上げるというわけには中々いかないということをご理解いただければと思います。
記者:
先日、河野行革大臣が、各省庁に行政手続きで印鑑を使用しないよう要請がありました。厚労省の対応と大臣の考えをお聞かせください。
大臣:
そのようなお話をいただいておりまして、厚生労働省は既に着手して調査しているところです。全体的な話では、年間の手続件数が1万件以上のもの、これが約400件そういう書類があるらしいのですが、このうち押印を求めている書類を調査しています。
 25日を期限としているということですから、今日、どのぐらいあるのかということと、当然押印求めるなという話ですから、押印を求めないということを前提として、どうしても押印が必要なものがあるとすればそれがどのぐらいありその理由は何なのかとお示しさせていただくこととなると思います。
 それから1万件未満のものに関しては大体4,000種類ぐらいあるらしいのですが、それに関しても押印があるものがどれぐらいあるのか調べた上で、同じような対応を、これは9月30日を期限に調査しているということであります。
 大体省令以上という話なのですが、告示以下のものに関しても同じような調査を自主的に、河野大臣から言われている以外に随時やっているということですから、やがて件数が出てくるということであります。
記者:
冒頭ご発言の件について、副大臣と政務官の大臣の補佐ということなのですけれども、これまでも現在も副大臣、政務官それぞれ労働の担当というものがあったと思いますが、今回補佐するようにということはこれまでとどういった点が違うのかということと、それから国会対応も含めてとあるのですが、これはどういったことでしょうか。
大臣:
今日お願いしたのは働き方改革担当ということでありまして、厚生労働省内の労働分野の担当というのはそれぞれお願いをいたしておりましたが、それにあわせて働き方改革ということになっているわけで、私も担当の内閣府の大臣をさせていただいております。
 そこの所掌に関して連携する部分が非常に多いものですから、担当をお願いさせていただいたということでありますので、そういう意味からしますと、そういう部分に関して、例えば、国会の話があるとすれば、国会での質疑などに関して担当いただく部分が出てくると考えております。
記者:
厚生労働行政、所掌が広いので中々大臣のご答弁に立つ回数も多いと思うのですけれども、今のお話というのは労働分野、働き方改革の分野であれば例えば副大臣に積極的に立っていただくというそういう意味でしょうか。
大臣:
そこは大臣が求められる部分というのが、国会のルールでそれぞれ委員会で決めていただいているのだと思います。
 そういうものに応じて、例えば大臣が行くところは大臣が伺うことになろうと思いますし、副大臣、政務官が伺うところはお二方が担当を担っていただくという形になると思いますから、直接私が行かなければならないところを私に代わってというよりかは、それぞれ副大臣、政務官それぞれの任務と言いますか、仕事の範囲の中において、この分野の補佐をいただくということになろうかと思います。
記者:
空港検疫についてお伺いします。政府は全世界からの入国の受入を来月にも再開する方向で検討に入っていますが、成田空港の検疫所では検疫官の人員不足やトイレで検査を行うといったスペース不足の問題もあります。
 こうした課題がある中で、大幅に入国制限を緩和していくことは可能なのでしょうか。また、検疫所の人員不足に関して、具体的にどのように対処をとっていく方針でしょうか。
大臣:
これは日本だけでなく世界が色々な対応してきているわけでして、段階的に門戸を開いていくというか、正常時に戻るような形の段階的な国の開き方をしているわけです。
 そういう意味ではビジネストラックといわれるような7か国でしょうか、最初16か国だったかも分かりませんが、日本と似通ったような感染状況の国々に対して一定の相互主義においての条件を以て入ってきていただいています。
 それに関しては例えばPCR検査をやっていただいている、国内だけではPCRだけではないのかな、定量検査、抗原定量検査もやっていただきながらという形になっていると思いますけれども、そういうような状況で外国の方々それぞれ必要に応じて入ってきていただいています。
 今回は、そういう意味からするとそういう相互主義の相手国というよりかは全世界相手に一定の中長期的な滞在というような対象者を念頭に置きながら、枠を絞って、これも仰るとおり、たぶん元に戻ればかなりの人数が1日入って来られるのでそれでは対応できないということで、枠を絞った上で検査をやらなければならない。
 そして検査だけではなくて入って来られた後に陰性でも一定程度待機いただかなければならないというようなルールになるのではないか、今いろいろと検討していますけれども、そういうことを決めながら一定のルールを、それに対応していただかなければなりませんので、そこまで含めての対応として感染防止と経済だとかいろいろな国際間の交流の動きというのを広げていこうということでありますので、今言われたようにそれぞれ検疫の中において物理的な制約があるとすればそれも広げながら、広げられる範囲の中において、徐々にこれからそのような形で外国の方々を受け入れていくと、それに向かっての準備を始めているとご理解いただければありがたいと思います。
記者:
現在、新型コロナウイルスの存在自体を否定するような、感染について恐れるに足りないであるとか、そういう主張をする人、それからマスク着用、飛沫感染防止やソーシャルディスタンシングを否定する方々というのがおられます。
 個人的な意見のレベルをちょっと超えて例えば先の都知事選に立候補された国民主権党というグループの平塚正幸さん、最近も6月17日に厚労省のこの部屋で会見を行った日野市の市議会議員の池田としえさん、そして徳島大学名誉教授の大橋眞さんという方々がいらっしゃったりして、先の8月24日にも参議院会館で300人を集める新型コロナウイルスの感染ですとか脅威を否定するような集会を行っておりますけれども、こういう方々やその考え方について厚労省や大臣はどうお考えでしょうか。
 個人の思想とか発想のレベルを超えて社会に対する脅威となる可能性もあると思うのですが、そのご対応をどうお考えでしょうか。
大臣:
そういう方々どういう主張をされているのかということを、十分にというかほとんど理解をいたしておりません。新型コロナウイルスの存在を否定しているのですか。
 多分世界的に見て、そういう方々が他の国にもおられるのかは分かりませんけれども、ほとんど認知されていないというか、そういう新型コロナウイルスは嘘だと言っている国があると私は聞いたことがないので、今ある専門家の方々、例えばアドバイザリーボード、厚生労働省の中にも専門家の方々のもとに作っておりますけれども、そういう専門家の方々のお話をお聞かせいただいて、いろいろなアドバイスをいただきながら、またこれだけでなくてWHOだとかいろいろな国際機関いろいろな情報を得て交換しながら新型コロナウイルス感染症に対して、感染拡大を防止するという意味での厚生労働省の職務を全うしているわけであります。
 今言われたようなことに関して、科学的な根拠を基に何か論じろと言われても、私からはコメントのしようがないということで、申し訳ありませんけれどもご理解いただければありがたいと思います。
記者:
では、その存在をご存知ではなかったということでしょうか。厚労省で会見を6月にされていたのですけれども。
大臣:
6月であれば私大臣ではないので、全然そういう認識はありません。自然免疫だとか集団免疫を言われる方々がおられるというのは私も理解しているのですが、新型コロナウイルスの存在自体、存在しないというような、どういう論拠なのかよく分かりませんけれども、仰っておられる方々の話を、申し訳ありません、認識しておりませんので、ちょっとお答えできるだけの知識がないものですから、お許しいただければと思います。
記者:
その方々の例えばソーシャルディスタンシングすることを無視したり、それから飛沫感染のマスク着用を拒否したり、それから感染し得るような行動をとられ、それをアピールするということを、行うことに対しての厚労省としての対応やお考えはありますでしょうか。
大臣:
日本において法律で色々なことを規制しているわけではありません、またできるような法体系になっておりません。しかしながら国民の皆様のご努力でそれぞれマスクされたり、一定の距離を保ったり、三密を避けたりいろいろな形の中で、世界と比べて日本は、新型コロナウイルス感染症というのを、比べる国にもよりますけれども一定程度に抑えてきていただいているのは確かであります。
 そういう国民の皆様方、また、企業など社会でいろいろと活動されている皆様方、そういう活動に対しては我々厚生労働省としては心から敬意を申し上げております。
 さらにはそういう行動を厚生労働省はお願いをしていきたいという立場です。それに対して反する行動をされる方々がおられるとすれば、その危険性というものに対しては我々としてはこれからも周知してまいりたいと思います。
記者:
水際対策の関連でお伺いします。入国制限措置の緩和によって、海外由来の感染が拡大するという懸念もあるかと思います。2週間の待機を守ってもらうことの要請など、実効性をあげるために、どのようなルール、対応が今後、必要になってくるとお考えでしょうか。
大臣:
今もお願いしているような対応もあるのですが、陰性であったとしても感染のリスクが全くないわけではないということで、基本的に2週間の待機はお願いしております。それは何故かといえば、感度という問題もあります。
 それから、ウィルスというのが感染していても、検査限界みたいなものがあり、PCRで捕まえられないということがありますので、数日後にPCR検査した場合に出てくるということもあり得るわけで、その瞬間検出されなかったということでありますから、2週間ほど待機をいただいて状況をみていただくというお願いをしております。
 ただ、ビジネストラックで入っていただいている7か国は違うルール、相互主義でやっています。そういう意味では、今度、海外からお入りいただこうと思っているルートは、これはやはり2週間待機をいただく、それに関して、やはりビジネスであるとか、いろいろな受け皿の方々がおられて入ってこられるという話になると思いますので、それぞれのところに一定のお願いをし、そのお願いを守れない場合は、例示でありまだ何も決めた訳ではないですが、例えば、名前を公開するなんていうこともあるでしょうし、それから、悪質な場合には、再度他の方が入ってこられるときに、受け皿としてそぐわないということで、ご遠慮いただかなければならない、というようなこともあるかもしれません。
 いずれにしても、実効性をあげるということは非常に重要でありますし、海外由来の感染者、特に、今は日本と同程度の国々で、相互主義でルールを決めて入ってきていただくということを始めたわけですが、今度は日本よりも拡がっているところも含めてどうするのだという議論をしております。
 感染者が入ってくるというリスクもありますので、そういう意味からすると、ちゃんとした体制のもとで、検査をして、一定期間感染していないということを観させていただいた上で活動いただくという、実効性を担保する上では、一定のお願いをしていかなければいけないと思っておりますので、そこはしっかりと検討した上で、実効性のあるものをつくってまいりたいと思っております。
記者:
新型コロナの関連でアビガンについてなんですが、富山科学が治療薬としての承認申請を来月にも行うという見通しを示しておりますが、治療薬としてアビガンを用いることに評価と、申請があった際にどのように対応されるかお考えがあればお聞かせ願います。
大臣:
これは申請があった場合には、手続きに則って承認審査をするという話になってくると思います。その結果どうなるかというのは、有効性、安全性などそれぞれデータがきますから、科学的観点から判断をしていくという話になると思いますが、いずれにしましても、アビガンに関しては、ずっと観察研究という形で使用しながら研究を続けてきています。
 一方で、今までもいくつかの例で、治験を進めてきていたという訳であって、最終的に富山科学さんが、一定の数を治験した上で、データを揃えて出してこられるということであれば、しっかりと精査させていただきたいと。
 国民的にも期待されている薬だと思いますので、しっかりと成果がどういうものか科学的に検証した上で、承認するのかしないのかということを決定してまいりたいと思います。
記者:
コロナによる解雇ですが、6万人を超えてくるという状況になりました。また少しペースがあがってきている状況がみえてきたのですが、このことについての受け止めをお願いします。
 もう一つですが、今日発表された概算要求をみますと、業種を超えた再就職支援ですとか、労働移動のほうに雇用政策の軸足を移していくのかというふうにも見えたのですが、これまでの雇用政策の中心として、雇用調整助成金を使って、雇用維持ということを中心にやってきたと思うのですが、段々、労働移動といったことに軸足を移していこうということなのか、このあたりについて、大臣のお考えをお願いします。
大臣:
23日までの累計で6万人を超えたということで、9月の増加幅が1万人強になっております。今までと比べて大幅に増加したというわけではないのだと思いますが、減っているわけでもないということでありますから、そういう部分は、我々としてはしっかり注視しながら、様々な対応をとっていかなければならないと思っています。
 今、労働移動というようなお話がありました。もちろん、雇用調整助成金の特例ということを12月まで延長をするということになっておりますので、それは、しっかりと企業が雇用を守っていただくというような意味からすると、我々としてもそれを支援していきたいというふうに思っています。
 それが第一義的にあると思っています。その中において、業種によってもいろいろありますが、そもそもコロナ禍で今の形態のままではなかなか需要が回復しないという業種もあるわけです。そういうことに対して、どういう努力をすれば、同じ業種でも需要を確保できるかという努力は、それぞれの企業の皆様がしていただいたり、場合によっては、同じ企業でも職種の転換、業種の転換という中で、雇用を残そうという努力もそれぞれしていただいたりしていますので、そういう努力を後押しするという意味で、雇用調整助成金というもので解雇せずに雇用を守っていただきたいという思いもあります。
 一方で、それもできない企業も中にはあるわけです。なかなか同じ業種の中において努力をしても、需要が生まれてこない、いろいろな努力をされているのだろうと思いますが、そういう致し方ないということもあるかもしれない。
 ということになれば、そもそも職種の転換も含めて、場合によっては廃業される企業もあるわけですから、そうした場合には雇用が失われていくわけで、そういう場合に、今、なるべく需要のある産業、今もなお、有効求人倍率が1倍を大きく上回っている職種は多々あるわけでありまして、そういったところに職種転換を図っていただいて、安定した雇用を確保していただくということも非常に大事であります。
 そういうことを考えた場合に、それを望む方々に対して、しっかりとそうした技術を持っていただく必要がありますから、そういう意味での能力開発ということにも支援をしていきたいという思いでありまして、決して、今ある企業をどんどん辞めて、次に移ってくださいというものではないということはご理解いただきたいと思います。

(了)