令和2年9月23日

 9月22日、日本時間午後9時から約2時間半、G20貿易・投資担当大臣会合がオンライン形式で行われたところ、概要は以下のとおりです。日本からは、梶山弘志経済産業大臣と四方敬之外務省経済局長が参加しました。

1 今次会合では、議長国サウジアラビアが提起した、(1)新型コロナからの国際貿易投資の回復、(2)リヤド・イニシアティブの下でのWTO改革、(3)中小零細企業の国際競争力強化、(4)経済多様化の促進、(5)国際投資の強化、の5つの主要テーマの下で議論が行われ、新型コロナへの対応、克服、そこからの回復における国際貿易投資の役割、更には危機の下で一層緊要性を増すWTO改革の推進等について、担当閣僚間で活発な意見交換がなされました。

2 梶山大臣別ウィンドウで開くに続き、四方局長からは、本年の貿易投資大臣トラックにおける成果をサミットで結実させ、コロナ危機の克服、更にはWTO改革の実現に結びつける観点から、以下の3点を強調しました。

(1)新型コロナ危機を受けた各国の貿易制限措置に対し、対象限定性、目的相応性、透明性、時限性、WTO整合性という要件をいち早く打ち出したことは、G20の大きな成果であり、今後はWTOの通報制度強化を通じ、各国の措置の早期撤廃を促していくことが重要であること。

(2)第12回閣僚会議を、WTOの意義を国際社会に示す好機とすべく、WTO改革の諸課題を進めることが喫緊の課題であること。とりわけ、電子商取引交渉については、年内に統合交渉テキストを作成することが重要であり、G20メンバーの一層積極的な参加が欠かせないこと。

(3)WTO次期事務局長については、WTO改革に停滞をもたらさないよう、(ア)改革へのコミットメント、(イ)主要国間の調整を進められる重みと能力、(ウ)透明性と説明責任を果たす意欲を備えた人物が速やかに任命されることが重要であること。

3 参加した各閣僚からも、新型コロナ危機克服に向けたG20各国のコミットメントの実施が重要であること、経済の回復に向け中小零細企業への支援や途上国への投資の回復が重要であること、電子商取引を始めとする新たなルール作りや透明性強化及び紛争解決等のWTO改革を早急に進展させるべきこと等に支持が集まりました。

4 また、会合の最後に、上記主要テーマに関するG20メンバーのコミットメントをまとめた閣僚コミュニケ英語(PDF)別ウィンドウで開く)が全会一致で発出されました。

[参考1]参加国・地域

サウジアラビア(議長国)、日本(前議長国)、イタリア(次期議長国)、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、ロシア、南アフリカ共和国、トルコ、英国、米国、EU(以上G20メンバー)、スペイン、シンガポール、スイス、アラブ首長国連邦、ベトナム

[参考2]過去のG20貿易・投資担当大臣会合への日本からの出席者

2020年5月 第2回臨時テレビ会議 梶山経産大臣、若宮外務副大臣
2020年3月 第1回臨時テレビ会議 梶山経産大臣、若宮外務副大臣
2019年 (つくば) 河野太郎外務大臣、世耕弘成経産大臣(貿易セッション共同議長)
2018年 (アルゼンチン) 中根一幸外務副大臣、平木大作経産大臣政務官