環境省・新着情報

令和2年9月18日

水・土壌
自然環境

モーリシャス沿岸における油流出事故に対する環境省派遣者の帰国及び当該事故に対する環境省の対応について(御報告)

1.モーリシャス共和国沿岸で座礁した、ばら積み貨物船「WAKASHIO」による油流出事故に対し、同国政府からの要請を受け、国際緊急援助隊として派遣した3次隊のうち、環境省職員及び専門家が、現地における支援活動を終えて帰国しました。2.同援助隊は現地において、モーリシャスの関係者と連携しながら、海洋汚染の状況調査やマングローブ・サンゴ群集・鳥類の調査、長期的に必要となるモニタリングのための計画の策定などを支援しました。3.引き続き、モーリシャス政府と緊密に連携協力しながら、長期的なモニタリングの実施や生態系の保全方策の検討のために必要な専門的な助言等の支援を行ってまいります。

Ⅰ モーリシャス沿岸における油流出事故に対する環境省の対応状況について

1. 国際緊急援助隊の派遣

(1)派遣の趣旨
 環境省として、人類全体の財産である生物多様性の危機に繋がる事態への対処を全力でサポートする方針で、以下の体制のとおり、職員及び専門家を現地に派遣し、今般帰国したことを御報告します。

(2)派遣体制
<二次隊> 8月19日(出国)~専門家2名:8月30日(帰国)
                環境省職員2名:9月13日(帰国)
国立環境研究所生物・生態系環境研究センター センター長 山野 博哉
                           【サンゴ礁生態学】
国立環境研究所地域環境研究センター   主任研究員 牧 秀明
                           【油回収・処理】
環境省自然環境局自然環境計画課   課長補佐  羽井佐 幸宏
環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室   室長補佐  堀野上 貴章

<三次隊>(9月2日(出国)~13日(帰国))
東北学院大学  名誉教授   宮城 豊彦 【マングローブ生態学】
いであ(株)  技術顧問   藤原 秀一 【サンゴ礁生態学】
山階鳥類研究所 保全研究室長 水田 拓 【鳥類生態学】

2.環境省の援助活動の内容

 今般の国際緊急援助隊の派遣を通じて、油流出による生態系への影響の把握・適切な防除活動の提案、長期的なモニタリング体制の構築などの支援を行いました。

(1)サンゴの長期モニタリングの実施に向けた作業

(2)マングローブの影響評価と長期モニタリングに向けた作業の様子

3.小泉環境大臣とラマノ・モーリシャス環境大臣とのオンライン面会

(1)会合の概要
① 日時
令和2年9月3日(木)日本時間14時30分から15時
② 出席者
日本側:小泉環境大臣、佐藤副大臣 他
モーリシャス側:カビダス・ラマノ(Kavydass Ramano)環境大臣

(2)会合結果の概要
○ 小泉大臣から、国際緊急援助隊の活動成果を踏まえ、詳細な環境調査を継続する環境モニタリングの計画策定や実施、環境再生方策の検討・実施等の支援も検討していく旨表明しました。
○ ラマノ環境大臣から、日本のさらなる支援方針は現地の環境保全面の対応ニーズに合致するものであり、期待するとの表明がありました。
○ 両大臣は、引き続き、両政府間で緊密に連携協力して対応していくとの認識を共有しました。

Ⅱ 環境保全分野における今後の対応について

 油流出が発生した周辺地域の生態系を含む環境の長期的な変化を把握するため、サンゴ及びマングローブの長期的なモニタリングの実施に必要となる詳細な環境調査の助言、モニタリング計画の作成や実施の支援を行います。
 さらに、モニタリングの結果を踏まえ、サンゴ礁やマングローブ林の生態系の長期的な保全に向けた方策を検討し、必要に応じ、生態系の回復に取り組むため、専門家の派遣なども検討・調整します。
 なお、茂木外務大臣は、9月7日に行われたジャグナット・モーリシャス首相との電話会談において、中長期の支援を行うことを伝達しており、環境省も、引き続き関係各所と協力して対応を実施します。

本件に係る過去の報道発表

【環境省】
モーリシャス沿岸における油流出事故に対する国際緊急援助隊(二次隊)派遣について(8月17日)
http://www.env.go.jp/press/108340.html
モーリシャス沿岸における油流出事故に対する環境省専門家派遣決定(9月1日)
http://www.env.go.jp/press/108393.html

【外務省】
モーリシャス沿岸における油流出事故に対する国際緊急援助隊の派遣(8月9日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000651.html
モーリシャス沿岸における油流出事故に対する国際緊急援助隊(二次隊)の派遣(8月17日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_008680.html
モーリシャス沿岸における油流出事故に対する国際緊急援助隊(三次隊)の派遣(9月1日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_008720.html
茂木外務大臣とジャグナット・モーリシャス首相との電話会談(9月7日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000668.html

【海上保安庁】
海上保安庁職員の国際緊急援助隊専門家チームの派遣について(8月9日)
https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/post-760.html
海上保安庁職員の国際緊急援助隊専門家チームの帰国について(モーリシャス沿岸における油流出事故に対する国際緊急援助隊)(8月21日)
https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/post-762.html

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-9023
室長 山下 信 (内線 6630)
室長補佐 飯野 暁 (内線 6631)
環境省大臣官房総務課危機管理室
代表 03-3581-3351
直通 03-5512-5010
室長 久保 善哉 (内線 7071)
係員 内田 光俊 (内線 7073)
環境省自然環境局自然環境計画課
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8274
課長 植田 明浩 (内線 6430)
課長補佐 木村 麻里子 (内線 6492)
環境省自然環境局野生生物課
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8282
課長 中尾 文子 (内線 6460)
課長補佐 笠原 綾 (内線 7475)

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