令和2年9月18日

 9月17日(現地時間16日)、キューバ共和国の首都ハバナにおいて、我が方、藤村和広駐キューバ共和国日本国特命全権大使と先方デボラ・リバス・サアベドラ・キューバ共和国外国貿易・外国投資省次官(H.E. Ms. Déborah Rivas Saavedra, Vice Minister of Foreign Trade and Foreign Investment of the Republic of Cuba)との間で、供与額5億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力(「経済社会開発計画」)に関する書簡の交換が行われました。

1 キューバでは、新型コロナウイルス感染者数は増加を続けており、また、世界規模での感染拡大の影響を受け、同国の主要産業である観光業は大打撃を受けています。外貨不足により老朽化した保健・医療関連機材を適切適時に更新できておらず、医療・保健体制の強化が喫緊の課題となっています。本計画は、キューバに対し、保健・医療関連機材を供与することを通じて、同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。

2 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとって大きな脅威であり、まさに人間の安全保障に直結した世界全体にとっての深刻な危機として国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ、保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は、在留邦人の健康・安全に直結するのみならず、我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり、我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。

3 我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。更には、この支援が、一人ひとりの健康を含む人間の安全保障を推進するとともに、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を含むSDGs達成のための基盤づくりに役立つことを期待しています。

[参考]キューバ共和国基礎データ
 キューバ共和国は、面積約11万平方キロメートル(本州の約半分)。人口約1,133万人(2019年、世銀)。1人当たり国民総生産(GDP)は8,821米ドル(2018年、世界銀行)。