令和2年9月17日

 本17日(現地時間同日)、マーシャル諸島共和国の首都マジュロにおいて、我が方、齋藤法雄駐マーシャル日本国特命全権大使と先方キャステン・ネッド・ネムラ外務貿易大臣(Hon. Casten Ned Nemra, Minister of Foreign Affairs and Trade of the Republic of the Marshall Islands)との間で、供与額17.57億円の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。

1 マーシャル諸島共和国の首都マジュロには、約2万8千人の住民が居住しています。それら住民の生活を支える浄水場の主な水源は雨水ですが、近年、気候変動の影響で干ばつが頻発したことで浄水場の貯水量が減り、給水時間が大幅に短縮されています。また、浄水場の老朽化による漏水や、雨水を貯水池に導水するポンプの故障などもあり、導水効率が低下しています。マーシャルの「国家戦略計画2020-2030」にも気候変動及び自然災害への対応の強化が重要課題として挙げられており、「水・衛生戦略計画2017-2027」(マジュロ上下水道公社策定)の中には雨水貯留の促進及び貯水池の建設が計画として掲げられています。

2 本計画は、マジュロにおいて浄水場の貯水池の新設及び付属する導水管路、護岸の整備を行うことにより、貯水量の増加を図り、もって干ばつ時の飲料水・生活用水の確保、将来の需要増への対応及びマーシャルにおける気候変動対策に寄与することが期待されます。

3 この協力は、2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催された第8回太平洋・島サミットにおいて、我が国政府が表明した支援の柱である「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化」に資する協力として実施するものです。

[参考1]マーシャル諸島共和国基礎データ
 マーシャル諸島共和国は、面積180平方キロメートル(霞が浦とほぼ同じ)、人口約5.9万人(2019年、世界銀行)、一人当たりの国民総所得(GNI)は4,860米ドル(2019年、世界銀行)。

[参考2]第8回太平洋・島サミット
(1)第8回太平洋・島サミット(PALM8)は2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催。16の太平洋島嶼国・地域、及びオーストラリア、ニュージーランドの首脳級等が出席。マーシャルからはハイネ大統領(当時)が参加した。

(2)我が国は、PALM8において、(ア)自由で開かれた持続可能な海洋、(イ)強靱かつ持続可能な発展の基盤強化、(ウ)人的交流・往来の活性化の3つを柱として、今後3年間でこれまでの実績も踏まえた、従来同様の、しっかりとした開発協力の実施及び成長と繁栄の基盤である人材の育成・交流の一層の強化を表明した。