令和2年9月9日

 9月8日(現地時間8日)、チリ共和国の首都サンティアゴにおいて、我が方、平石好伸駐チリ共和国特命全権大使と先方アンドレス・アラマン・サバラ・チリ共和国外務大臣(H.E. Mr. Andrés ALLAMAND ZAVALA, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Chile)との間で、供与額5億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力(「経済社会開発計画」)に関する書簡の交換が行われました。

1 チリにおいては、新型コロナウイルスの人口1万人当たりの感染者数が中南米で最も多い国の一つであり、現在においても感染者数が増加しています。特に地方病院において、コロナウイルスに対する感染者対処能力の強化や医療体制全般の底上げが喫緊の課題となっています。本計画は、チリに対し、保健・医療関連機材を供与することを通じて、同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。

2 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとって大きな脅威であり、まさに人間の安全保障に直結した国際社会全体にとっての深刻な危機として国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ、保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は、在留邦人の健康・安全に直結するのみならず、我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり、我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。

3 我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。さらには、この支援が、一人ひとりの健康の確保を含む人間の安全保障の確保に貢献するとともに、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)(PDF)別ウィンドウで開くの実現を含むSDGs達成別ウィンドウで開くのための基盤づくりに役立つことを期待しています。

[参考]チリ共和国基礎データ
 チリ共和国は、面積約756,000平方キロメートル(日本の約2倍)。人口約1,873万人(2018年、世界銀行)。1人当たり国民総所得(GNI)は14,670米ドル(2018年、世界銀行)。