2020年9月4日(金曜日)
11時7分~11時21分
於:記者会見室

冒頭発言

台風10号

初めに私から1点申し上げます。
明日、5日から7日にかけて特別警報級の強い台風第10号が沖縄、九州地方を中心に接近、上陸することが見込まれております。
経済産業省では、昨年の台風などの教訓を生かして、停電などの被害に備えるべく、職員に対して万全の体制で準備するように指示をしたところであります。
特に被災地支援を迅速に行えるように、台風により現地入りができなくなる可能性も踏まえて、20名を超える職員をあらかじめ派遣をすることとしております。
台風の影響により、倒木や道路の損壊などが生じて、停電や物流の停滞が懸念をされます。国民の皆様、特に病院や水道設備など、重要施設を管理する方々におかれましては、非常用発電機を点検するとともに、その燃料の確保をお願いをしたいと思います。
また、マイカーをお持ちの皆様におかれましては、燃料を満タンにするなど、事前の準備をお願いをしたいと思います。
私からは以上です。

質疑応答

持続化給付金

Q: 持続化給付金をはじめとした中小企業支援に関してお聞きしたいと思います。
資金繰り支援を目的に始まった持続化給付金や実質無利子・無担保融資ですが、当座の資金供給の目的の役割を果たす中で、持続化給付金に関して言えば、当初の支給開始から既に4か月ぐらいたちまして、時間の経過とともに、事業者によっては新たな資金需要等の発生が予想される中で、経済産業省としてさらなる手立てとしての追加支給であるとか、新たな支援メニュー等を考えているものがあれば、財源の確保とか、難しいところもあるかと思いますが、大臣の御所見をお願いします。

A: 持続化給付金は、戦後最大と言われる危機の中、外出自粛等により売上げがゼロになるようなとりわけ厳しい経営状況にある事業者の皆様の事業継続を支援するために、使途の制限のない現金を給付する、前例のない思い切った対策でもあります。
補助金、融資、納税の猶予等を含めた税制といった様々な政策手段の総動員を超えた対応であることも踏まえて、給付額等を設定をさせていただいております。

これまでも一次補正予算に加え、二次補正予算により、持続化給付金の予算の積増しを行ってきました。8月7日には足下の申請ペース等を踏まえて、さらなる給付が必要になると想定して、予備費として9,150億円を積み増すなど、必要な予算額を措置してきたところであります。
加えて、実質無利子、無担保かつ最大5年間元本返済据置きの融資や地代、家賃の負担を軽減することを目的とした家賃支援給付金の支給など、強力な資金繰り支援を行っているところであります。

このように、事業者の皆様が置かれている状況に応じ、多層的な対策を講じているところでありまして、引き続き内外における感染症の状況や経済の動向を注意深く見極めてまいりますが、まずは現行の対策を御活用いただきたいと思っております。
また、地方創生の臨時交付金等もありまして、地方でも自由に使える交付金等もありますので、そういった中で地域の事業者に対する支援等も行っていると聞いておりますので、それらも併せてしっかり活用していただきたいと考えております。

Q: 逆説的にもう一つお聞きしたいのですけれども、無利子・無担保融資に関してなのですけれども、かつてリーマンショック後に中小企業の金融円滑化法というものがありました。制度終了後に制度を利用した企業の経営が改善せずに息切れして、倒産件数が増加したといったような調査会社からのデータも出ています。
足下の対策といったところを今強化されているところかと思うのですけれども、先々を見越したところでの長期的な引き締めといった対策も必要になってくる中で、どういったところが必要になるかということの所見をお願いいたします。

A: 緊急の資金の需要があるところに対して、手続を簡素化するということ、無利子、無担保というようなこともさせていただいたということでありますけれども、これからはそういうおっしゃったような見方も必要になると思います。
資本性の資金も含めて、ある程度しっかりと審査も必要になるかもしれませんし、その辺も含めて将来というもの、まず当面の緊急の資金需要に対するものと、これからの雇用の維持であるとか、産業の維持であるとか、また地域の中核となり得る企業をどう維持させるかとか、そういった視点での資本の増強に近い資金提供というものもしていかなければいけないと思っています。 

放射性廃棄物最終処分場

Q: 北海道寿都町が高レベル廃棄物の最終処分場の決定に向けた文献調査に応募している問題で、本日鈴木北海道知事が大臣と意見交換を行います。制度上、知事に応募を止める権限はありませんが、知事は文献調査の応募自体に反対しています。
大臣は本日の意見交換で鈴木知事にどのように理解を求めるお考えでしょうか。

A: 今日知事とお会いをいたしますけれども、様々な意見があることは承知しております。特に北海道寿都町の周りも含めて、反対の意見もあることも承知しております。

ただ、国としては、これまで発生をした使用済燃料をしっかりと処理をしていかなければいけないということで、事業を進めていくという方針でありますので、そういった状況も踏まえて国の考え方を説明をさせていただきたいということと、あと最終処分に関する制度についても説明をさせていただくということになりますが、皆様にも質問のたびに説明をしているとおり、次の調査に進むときには知事の了解が必ず必要ということになります。それが了解が得られなければ進まないということにもなります。
それらも含めて、忌憚のない意見の交換をしてまいりたいと思いますし、はっきりと知事の御意見も伺いたいと思っております。 

自民党総裁選

Q: 経済産業行政の話題ではないのですが、自民党総裁選についてなのですけれども、大臣御自身は派閥には所属しておりませんが、地元茨城県議団は菅官房長官を推薦したと聞いております。大臣のどなたを御支持されるのか、今のお考えをお聞かせください。

A: 経済産業大臣としての記者会見の場ですので、行政の長としては個別のコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。 

中小企業M&A事業

Q: 週刊文春の報道なのですけれども、中小企業庁が担当するM&A関連の事業で、ビズリーチのグループ会社1社を優遇するよう経済産業省が各都道府県の委託先に要請したこと、また前田中小企業庁長官がビズリーチの創業者と対談をされたこと、それから前田長官が体調不良のため、7月下旬から休暇を取得していらっしゃることが伝えてられています。
これらの事実関係と癒着を報じられたことに関する大臣の御見解、併せて長官が御不在であれば、中小企業庁の業務に支障が出ていないのかという点をお聞かせください。

A: まず、第三者の事業承継の促進のために、当初から複数の民間M&Aプラットフォーマーとの連携に向けた意見交換を行っておりまして、ビズリーチ・サクシードとだけ連携を行おうとしていたわけではなくて、癒着との御指摘は当たらないと思います。

事業承継に関しましては、ぎりぎりの問題だということで、社内の承継、親族内の承継、そして第三者承継ということで、様々な施策をこれまでも行っております。そういった中でM&Aというのも一つ大きな手段であるということで、そういったマッチングを外部の民間企業がするというような取組というものも、私どもは言っておりまして、ここには補助金が生じているわけではありません。マッチングということだけであります。
ただ、そういう癒着があるのかどうかということに関しましては、ほかの企業も一緒に連携をしておりますので、癒着との御指摘は当たらないものだと思っております。

前田長官は7月下旬から体調不良で休んでおりますけれども、これはBCPをしっかりと、例えば急に私が病気になっても、1日、2日の仕事はしっかりできるようにしていく、私は政務ですから、これは場合によっては違う形になるかもしれませんけれども、役所の中においては、突然けがをしたり、病気になったりというときにはしっかりと対応ができるような体制を取っているということで、次長がおりますし、2人の部長、中小企業政策統括調整官がしっかりとフォローをしているというところであります。
審議官クラスの職員を4名追加で配置をしているということで、コロナ対応、災害対策等に万全をこれまでも期してまいりましたので、体調不良をとがめることなく、しっかりと治していただきたい。そして、その間の仕事はしっかりとやっているということで御理解をいただきたいと思います。

Q: 中小企業庁は、持続化給付金、家賃支援給付金などのコロナ禍での重要な事業を担っていると思いますけれども、1か月以上長官が御不在ということで、指示であるとか、重要な局面での判断であるとか、そういったこともなさっているのでしょうか、それとも御自宅とか静養先などから指示をされているのでしょうか。

A: これは体調不良ですから、休んでいただいているということで、今言いましたように次長、2人の部長、中小企業政策統括調整官というものがしっかりと対応しているということでありまして、折に触れて私にも報告は来ております。 

自民党総裁選

Q: 先ほどの菅官房長官の支持ということではなくて、閣僚としてともに安倍政権を支えてこられたということと、あと菅長官はかつて自民党総裁選で大臣のお父様の支持をしたり、あるいは菅長官が政治の師として仰いでいると、この菅長官が出馬されたことに対して、大臣の率直な受け止めをお聞かせ願えればと思います。

A: この記者会見の場では、先ほども申しましたように、経済産業大臣の言葉ですので、行政の長としては、ここではコメントは差し控えさせていただくということで、ほかの政治家としての取材は別のところで受けたいと思っております。 

コンビニ業界実態調査

Q: 別件の話題で、昨日公正取引委員会がコンビニ業界に関する実態調査が出まして、7割近くが24時間営業を見直したいですとか、5割以上が意に反した商品の仕入れを強制されていると回答しています。
経済産業省として、何か今後コンビニ業界に対して対応を打っていかれるお考えとかはおありなのでしょうか。

A: 9月2日に公正取引委員会が公表しましたコンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査報告書において、仕入れの数量、24時間営業の問題など、コンビニの本部と加盟店の関係において取り組むべき課題が多く存在をすること、本部の対応によっては、優越的地位の濫用に該当し得ることが指摘をされました。併せて本部に対する改善要請が行われたと承知をしております。
今年2月に、経済産業省の新たなコンビニの在り方検討会が取りまとめた報告書においても、24時間営業など、一律のサービスを見直し、加盟店の実情に合わせた多様性を重視するフランチャイズモデルへ転換すべきことや、加盟店支援やオーナーとの対話を強化すべきなどと提言をしたところであります。

コンビニ各社が加盟店のお声によく耳を傾けながら、持続的なビジネスモデルの構築にどのように取り組んでいくか、経済産業省としてもしっかりとフォローアップをしてまいりたいと思いますし、基本的には自主的な取組をとの改善要請に対してしっかりとしていただくことが望ましいことだと思っております。

以上

最終更新日:2020年9月8日