令和2年9月7日

 9月7日(現地時間同日)、ベトナム社会主義共和国(以下「ベトナム」)の首都ハノイにおいて、我が方、山田滝雄駐ベトナム日本国特命全権大使と先方グエン・タイン・ロンベトナム社会主義共和国保健大臣代行(His Excellency Prof. Dr. Nguyen Thanh Long, Acting Minister of Health of the Socialist Republic of Viet Nam)との間で、供与額20億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力(「経済社会開発計画」)に関する書簡の交換が行われました。

  1. ベトナムにおいては、早期に入国制限措置がとられたことにより、新型コロナウイルス感染症の大規模な拡大は抑えられていますが、入国制限により人的・物的往来が制限されたことで、同国の経済は大きな打撃を受けています。また、同国は基礎的な保健・医療体制が十分でなく、関連機材も不足するなど、感染予防・拡大防止のための診断や初期対応、防疫等の体制の整備が喫緊の課題となっています。本計画は、ベトナムに対し、MRIシステム、ICUベッド等の保健・医療関連機材を供与することを通じて、同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。
  2. 新型コロナウイルス感染症の世界規模での感染拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、まさに人間の安全保障に直結した世界全体にとっての深刻な危機として国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ、保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は、在留邦人の健康・安全に直結するのみならず我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり、我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。
  3. 我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。更に、この支援が、一人ひとりの健康を含む人間の安全保障を推進するとともに、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を含むSDGs達成のための基盤づくりに役立つことを期待しています。

[参考]ベトナム社会主義共和国基礎データ
 ベトナム社会主義共和国は、面積32.9241万平方キロメートル、人口約9,647万人(2018年、世界銀行)、一人当たりの国民総所得(GNI)は2,400米ドル(2018年、世界銀行)。