(令和2年9月1日(火曜日)10時46分 於:本省会見室)

冒頭発言

国際的な人の往来の再開

【茂木外務大臣】私(大臣)の方からまず1点、総裁選じゃありませんから。国際的な人の往来の再開についてであります。国際的な人の往来の再開に向けて、各国・地域との間でそれぞれ協議を行ってきたところであります。
 私(大臣)が2週間ぐらい前からマレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマーを訪問しましたが、その訪問の際、各国との間で駐在員等の長期滞在者の往来を可能とする「レジデンストラック」、これを9月上旬にも開始することで合意したところでありますが、これを受けまして詳細の詰めを行いまして、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマーの4か国につきましては、9月8日に開始するということで決定いたしました。また台湾についても、協議をこれまで行ってまいりまして、同様に「レジデンストラック」を9月8日に開始することにいたします。
更に、主に短期の出張者の利用を念頭に置いて、自宅等待機期間中も、ホテル・仕事場等々限定的なビジネス活動、これを可能にする「ビジネストラック」についても、これらの国・地域を含みます各国・地域との間で、早期の運用開始に向けて引き続き調整を進めております。
 詳細につきましては事務方にご確認いただければと思いますが、すでにベトナム、タイとの間では、先月から始まっているわけでありますが、今回、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマー、更に台湾について、9月8日から「レジデンストラック」を開始、ということになりました。私(大臣)からは以上です。

国際的な人の往来の再開

【産経新聞 石鍋記者】今の大臣の発表について、関連してお伺いします。人の往来が再開すること、徐々に「ビジネストラック」からということでありますけれども、この人の往来が再開することの意義を改めてお願いいたします。

【茂木外務大臣】これは今、世界各国そうでありますが、新型コロナ感染症、この対策を打ち、この拡大を防止をし、収束に向けて取組を進める。同時に今、世界各国の経済、大きな落ち込み、この新型コロナの影響によって受けておるところでありまして、恐らく日本経済もリーマンショック以上の落ち込みになると見られております。
 米国、欧州、これを見ましてもIMFの試算でも、前回の予測と比べてもマイナス10%近い落ち込み、ブラジル、インド等についてもそうでありまして、世界各国こういった状況になる中で、一日も早い経済の回復ということは、同時に極めて国民生活上からも重要になってくると。そうなりますと、いかにこの感染の拡大の防止と経済の回復を両立させるか、極めて重要な観点になってまいります。
 そこで、これまで打ってまいりました様々な感染拡大、防疫上の措置、これを維持しながら、更に追加的な条件を付すことによって、人の往来を再開することによって、感染の拡大の防止とそしてビジネス活動、経済の回復と、この両立を図っていきたいと考えておりまして、やはり経済の回復ということが最優先になってきますから、人の往来の部分ではですね、今申し上げた「レジデンストラック」、長期の滞在者であったりとか、また「ビジネストラック」、ビジネスの関係者、これから始めるということにしまして、その次には留学生等と、最終的には観光客も含めて一般という形で広げていきますが、これはまさに今申し上げた、感染の拡大の防止と経済の回復、両方を睨んだときにこういう順番になってくるのではないかなと、こんなふうに思っております。
 これらによりまして、まずは恐らく日本においても、例えば外資系の企業であったりとか、そこにおける活動というものが活発になるということも期待されますし、相互の投資等々も止まっていたものが更に進むと、こういう効果もあるのではないかなと思っております。

日英EPAの交渉状況

【NHK 山本記者】英国との経済連携協定の話ですけれども、事務レベル協議が進んでいると思いますけども、日本ではこれから総裁選挙が行われて、17日にも新しい総理が選出されると報じられていますけれども、大臣としては大筋合意は今の政権のうちに行いたいというお考えでしょうか。それとも期限はこだわらずにというお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】自民党においてこれから総裁選が、まさに明日以降、行われることになりますが、今の政権、新政権が発足するまで続くわけでありまして、この日英間の経済パートナーシップに関しましては、8月の上旬に私が訪英した際に、トラス大臣との間で大半の分野で実質合意をして、また主要論点について認識の一致に至ったところでありまして、それを踏まえて、今、事務レベルの交渉と、これは協議、鋭意進んでいるとこであります。8月末までの大筋合意を目指すと、こういう目標でやってきておりまして、交渉ですから若干何日かとか、1、2週間ずれることは出てくるところでありますけれど、できるだけ早くということでありますので、できればこの政権のうちにといいますか、大筋合意まで持っていければと、そんなふうに思っております。

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 渡会記者】今の質問の関連の質問になります。今、大筋合意という大臣からのお話がございましたけれども、その中にですね、日本の経済主権に非常に大きな影響を与えるのではないかという、アルゴリズムの開示要求の禁止、この項目ですけれども、やはりこれについては非常に慎重に考えていく必要があるのではないかと、拙速に決めるべきではないのではないかと。先ほどの質問に、今の政権の中でこの合意に至りたいという話ですけれども、やはり広く国民市民に開示してですね、議論を踏まえた上で決めるべきではないかと思いますけれども、大臣のお考えを伺えればと思います。

【茂木外務大臣】大筋合意に至る前の段階では、交渉内容を具体的に一つひとつどうなっているということについては公表しない、これが国際的なルールになっておりますので、詳細については申し上げられませんが、これから例えば電子商取引であったりとか、デジタルの分野、より高いルール作り、これが目指されているのは間違いない、そのように思っております。
 データの自由な流通、その一方で様々な個人の権限であったりとか、様々な情報、これがきちんと守れるような形にするにはどうしたらいいかと、こういったことを考えながら、恐らくTPP11、そしてまた日米貿易協定、こういったことをまとめる中でもこの分野の議論というのは進み、更に前に行っているのは国際的に間違いない。そういった国際的なスタンダードの中で更に高いルール作りを目指す、こういう観点から、今、取り組みを進めているところであります。

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 渡会記者】今の大臣のお話の中にはございませんでしたけれども、特に金融、それから株式、その他投資に関してですね、そのアルゴリズムというのはいろいろ問題があると。コンピュータがシステム的に非常に速い速度で取引をしてしまう。このシステムについて、やはり国が一定の制限をかけないと、まさしく日本の市場がですね、下手をするとそれこそ外国の草刈り場になってしまうと、こういうような懸念も聞かれているわけです。この辺についてはいかがでしょうか。

【茂木外務大臣】様々な論点がその問題についてあるというのは十分承知をしながら、今、交渉を進めております。

自民党総裁選

【読売新聞 大薮記者】自民党総裁選についてお伺いいたします。先週金曜日の時点で大臣、仲間とよく話し合って対応を決めたいということでしたけれども、その後、所属される竹下派の中では大臣の擁立論も出てきておりますが、改めて総裁選についてのお考えをお聞かせください。

【茂木外務大臣】恐らく総裁選については、今日この後、自民党の総務会におきましてどういうやり方で総裁選を行うか、同時に日程等々についても決まるのではないかなと思っているところでありまして、今、9月の半ばぐらいまでには新しい体制といいますか、新総裁を選ぶと、こういう方向で議論が進んでいるのではないかなと、そんなふうに思っているところであります。
 そこの中で総裁選に対する私の対応ということでありますけれど、昨日午前中に、我々のグループの役員会そして総会を開催いたしました。総会におきまして、私に対しても含めて様々な要請、要望、意見が出たというのは間違いないところであります。
 同時に、今、総裁選をめぐっては、ご案内のとおり様々な動きもあるところでありますし、私自身も仲間のメンバーともよく相談をしておりますし、更にはグループ以外、自民党の中の様々な方々とも連日のようにやり取り、こういったことは行ってきているところでありまして、早急に結論を出したいと思っております。24時間以内には出します。