2020年8月25日(火曜日)
11時31分~11時52分
於:記者会見室

冒頭発言

特になし

質疑応答

放射性廃棄物最終処分場

Q: よろしくお願いします。
放射性廃棄物の最終処分場についてお伺いします。
北海道の寿都町が文献調査への応募を検討していると表明したことに対して、北海道や周辺の自治体から懸念の声が上がっています。これに対する大臣の受け止めと、今後の選定プロセスへの影響について、どのようにお考えでしょうか。

A: 過去半世紀以上にわたって原子力を利用してきたわけであります。廃棄物が既に存在している中で、最終処分は必ず実現しなければならない重要な課題であると考えております。寿都町をはじめ、複数の自治体などから幅広く関心を示していただいており、大変ありがたく思っております。

文献調査は、事業に関心を示していただいた市町村に対して地域の文献・データを情報提供し、理解活動の促進を図るものでありまして、対話活動の一環でもあります。
また、文献調査の後、次の概要調査に進もうとする場合には、市町村長と知事の意見を聴き、これを十分に尊重することとしているわけでありまして、その意見に反して先に進むことはないということであります。
また、約20年を想定している調査期間中は、放射性廃棄物が持ち込まれることも一切ないということであります。
しかしながら、この事業に対する不安をお持ちの方もおられるようなので、地域の声を踏まえて、国として文献調査の位置付けなどについて積極的に説明や情報提供を行ってまいりたいというのが国の立場であります。

Q: 大臣、関連してお聞きします。
先ほどのお話なんですけれども、さっき質問でもあったように、道と町の意見が真っ向からぶつかる事態になっています。既に地域では容認派と反対派の間で分断も生じ始めています。最終処分法の基本方針では、「国は地方自治体に対し情報提供を緊密に行うとともに、積極的に意見を聴き、丁寧な対話を重ねていくものとする」とあります。
先ほど少しお話もありましたけれども、現在まで国の動きは全く見えておりません。どのように積極的に関わっていくということを考えていらっしゃるのでしょうか。それが1点。

あともう一点、文献調査終了後の知事への意見照会で、先ほど「尊重する」というお話がありましたけれども、本当に尊重していただけるんでしょうか。というのも、2000年5月10日の衆議院商工委員会で、「反対してもやるのか」との質問に対し、「意見を重く受け止め、最終的には国が決定する」という言い方を答弁されておりまして、はっきり「次のステップに進まない」ということを明言されていませんでした。反対の意見を重く受け止めた上で、国が概要調査に進む判断をするという可能性もあるんでしょうか。
その2点をお願いします。

A: この事業に対する不安をお持ちの方もおられるようなので、地域の声を踏まえて、国として文献調査の位置付けなどについて積極的に説明や情報提供を行ってまいりたいと思っております。

前にも申し上げましたように、最初の入口でずっと連続した手続になるわけではなくて、次の概要調査に行くときには都道府県知事の同意が必要だということを私どももしっかりと認識をしております。

今お話がありましたけれども、文献調査の後の次の概要調査に進む場合には、市町村長と知事の意見を聴き、それを十分に尊重することとしておりまして、知事、または市町村長の意見に反して概要調査地区等の選定を行うことはありませんということです。

Q: 今の関連でちょっと2点ほどお伺いしたいんですけれども、今後国としても説明だったり情報提供をというお話で、先日、大臣がテレビ番組の方に出演した際には、応募されている前の段階なので町長とお会いするつもりはないというお話をされていましたけれども、経産省の職員を現地に派遣したりとか、説明会とかも現地でやられているようなんで、そこの場に行かれるとか、そういう御予定があるのかというのが、それがまず1点。

もう一点なんですけれども、複数の自治体から興味・関心があるということで御説明いただいていますが、その関心の度合いについてなんですけれども、これはいわゆる寿都町のように応募を検討するとか、国からの申入れというやり方もあると思うんですけれども、そこへの実現が近いレベルにある関心という意味合いなのか、そこについて。
2点教えてください。

A: まず高レベル放射性廃棄物の最終処分につきましては、2017年に科学的特性マップを公表いたしました。それから全国で対話活動を実施してきております。

今、具体的に寿都町に職員を派遣するかどうかというお話だったのかな。

Q: はい。

A: これについては、地元の要望があれば、そういう形にしたいと思っております。ただ、これは制度についての説明、またそこに、文献調査に入ってからであれば、その文献についての説明ということになると思いますけれども、法律で書かれている概要調査の手前の段階でありますので、全国どこでも手を挙げていただいて参加をしていただくということ。それは、その自治体の意見というものをしっかりと首長さんにまとめていただくということが必要だと思いますけれども、そういった前提でやらせていただいております。

また、寿都町をはじめとした複数の自治体の問合せということでしたけれども、個別の対応については国からコメントすることは差し控えさせていただき、現時点では差し控えさせていただきたいと思います。

私どもは制度の説明。今現在、全国にある原子力発電所のサイトに使用済燃料がたくさん発生をしているということであります。「トイレのないマンションだ」という例えをされるわけでありますけれども、そういう状況をどうにかして解消したいということで、これは我々の世代の、原子力発電の電力を享受してきた世代の大きな責任でもあると思っております。そういったことも含めて、経産省としては前面に立って地元に説明をし、制度についてもしっかりと理解ができるような説明をしてまいりたいと思っております。

Q: よろしくお願いします。
関連して、またこの関連でお話を伺いたいんですけれども、結構、寿都町の周辺の市町ですとかは強硬に反対をしておりますが、このような強い反対というのはある程度想定内だったのでしょうか。

もう一つが、結局このようにほかにも自治体があるということですけれども、そういうふうに名乗り出れば、どうしても周辺からの反対も予想されますが、冷静に議論を進めるためにも、国としてどのような対応策を考えていくのでしょうか。

A: 先ほども申しましたけれども、この文献調査が、後に続く調査への連続的な入口になるということではありません。ですから、この文献調査を前段階でやった上で次の概要調査に入るときには同意が必要だと、知事の同意が必要だということであります。これははっきり申し上げておきますけれども、知事の同意がなければ前には進まないということであります そういったことも含めて、現時点でこの制度の概要、制度の中身について、例えば文献調査だけですよと、一切何も、例えばボーリングしたりなんかもしませんよというようなことも含めて説明が必要であれば、私どもが、経産省が説明に行くということも含めて考えていきたいと思っておりますし、地元の要請に応じて、しっかりとしたことをやってまいりたいと思います。

Q: そのような強硬な反発は、ある程度想定内だったんでしょうか。

A: 想定内とは申しませんけれども、やはり御理解をいただくための努力をしていきたいと思っております。現実に発生しているもの、新たな技術で新たなものを作って、そこからまた新たな副産物が出るというものではなくて、既に発生している使用済燃料をどう処理するかということ。これはある程度我々の世代で、目鼻を付けていかなければならないと思っておりますし、世界中どこでも抱えている課題でありますけれども、フィンランドは工事が始まったということでありますが、あとはスウェーデンで場所が決まったということで安全審査中。それ以外の国は、まだ地元との交渉ということで、大変難しい課題だという認識はございます。

ALPS処理水

Q: 福島第一原発の処理水について伺います。
立地自治体である大熊・双葉両町の首長らからは、処分方法を早期に決めるよう求める声が上がっています。政府としては、これまで関係団体に意見を聴く会をされるなどしてきましたが、今後どう御対応されるのでしょうか。

A: 双葉町、大熊町から、根本的な問題解決を先送りすることなく、責任を持って対応策を早急に決定するように要望をいただいております。復興に尽力されている立地自治体の御要望であり、これらは重く受け止めております。

現在、ALPS処理水の取扱いについては、関係者への説明を行いながら御意見を伺っている段階であります。
敷地が逼迫する中で汚染水が毎日発生していることを踏まえれば、いつまでも方針を決めずに先送りすることはできないものと考えておりますが、政府として責任を持ってALPS処理水の処分方針について結論を出していきたいと考えております。

Q: いつまでにというのは、まだ。いつ、どのタイミングというのは、まだ。

A: というのは、まだです。

家賃支援給付金、持続化給付金

Q: 大きく2点伺います。
家賃の給付金なんですけれども、先週時点では、申請数の1割以下の支給にとどまっていました。その原因と受け止め、どう考えていらっしゃるかというのが1つ。

もう一つ、持続化給付金に関して、昨日、履行体制図が、最新のものが公表されたんですけれども、8割近くの社名が非公表となっていまして、透明性ということが問われている中で、その対応が適切かどうかということをお伺いします。

A: まず、家賃の支援給付金についてですけれども、7月14日の申請受付の開始以来、現在までに約35万件の申請があります。給付実績は8月4日以降、約4.4万件、約380億円です。

家賃給付金は、実際に支払われた賃料をベースに、最大で600万円の現金を一括でお届けする前例のない事業であります。賃貸借契約書や賃料の支払い実績など、必要な書類を御提出いただき、しっかりと確認することが重要であるということが大前提だと思っております。

私も、これ始まる前に申し上げているんですけれども、家賃の契約書というのはそれぞれなんですね。しかも、自動更新にしていくと、もう何十年も前の契約書が見当たらないというような事例もある。また、複雑に転貸をしている場合もある。さらに、大家さんとの連絡・連携というものもこちら側に必要になる。さらにまた、支払いの証明というものも必要になるという中から、申請書類のやり取りが少し手間取っているということだと思っております。

ただ、あまりどんどん積み上がっていくのはいいことではないと思っておりますので、これらを解消するためにどうするのかということを今検討して、取りかかるところでもあります。しっかりと、これ対応を考えながらやってまいりたいと思いますし、一括で最大600万ということになりますから、前回、持続化給付金も性善説を前提にやって、ほぼ99%近くしっかり払って、審査をした上で払ってはいるんですけれども、不正事案というのも幾つか今になって出てきている部分もありますので、そういった実例を見ながら、できる限り迅速に支払いをしていきたいと思っております。

ただ、持続化給付金と違って、目安をこちらから申し上げておりません。と申しますのは、やはり一つ一つの個々の契約書についての検討というものが必要になってくるということでもあって、なかなかこれは難しいということもあります。600万円、そして、例えば個人事業主の場合は300万円が上限ということで、かなり大きな額が給付をされることになりますので、ある程度慎重に審査をしているということでありますが、ただ、迅速性が失われたんでは意味がない部分もありますので、これは併せてしっかり現状というものを見ながら対応してまいりたいと思っています。

もう一つは持続化給付金ということですけれども、持続化給付金の履行体制図の件でしたね。

委託先のサービスデザイン推進協議会より中小企業庁に対して6月23日に提出された履行体制図については、中小企業庁以外に対して示す前提で提出されたものではありません。ですから、その上で個社の取引関係は、開示することにより当該法人の競争上の地位を害するおそれがある情報であることなどから、掲載情報については事業者への確認を進めてきたところであります。

事業者数が63者と、多数にわたることに加えて、個社ごとにその判断に時間を要していたことから、公表までにお時間をいただいたということでありますが、個社においては、あまり大きな会社じゃないところもあります。そして、どんな会社とつながっているかというのも、やはりその会社のノウハウであると思っております。

そういったものに対して、自らの社名を公表してほしくないということは尊重していかなくちゃならないと思っておりますが、いずれにしても、今後経産省と契約する場合に当たっては、外部の今調査委員会をつくっておりまして、適切な契約の在り方という中で事前に応札する段階で了解をいただくことができるのかどうなのか。そうでない場合には、応札する資格があるのかどうなのかということも含めて検討をしているところですので、これも課題であると思っておりますので、しっかりと検討した上で結論を出してまいりたいと思っています。

放射性廃棄物最終処分場

Q: 最終処分の件です。
寿都町の件ですけれども、北海道知事が強く反対されていますけれども、逆に言うと、将来、泊原発の再稼働で知事の同意が必要で、国として協力を求めていく必要があると思うんですけれども、今回のことがその障害になるおそれがあるんじゃないかと思うんですが、この点について大臣のお考えをお話しいただけますか。

A: これは知事とまだ話し合っていませんから何とも言えませんけれども、この文献調査に関しては市町村長の、市町村の意思で手を挙げることができると。先ほど申しましたように、次の段階に行く時点で知事の同意が必要だということになりますので、それがなければ先に進むことはないということであります。それを知事も理解はしていると思いますので、その上でどういうお話が出るかということだと思っています。

Q: 今の関連なんですが、いずれ知事と大臣で何かお話しされる機会というのが設けられるというような感じで受け止めたんですけれども、そういうこともあり得るんでしょうか。

A: 将来については何とも断定した答えは言えませんけれども、場合によってはあるかもしれません、という程度の、今の時点では、という認識です。

Go To イベント・商店街

Q: Go To イベント・商店街の方の関係ですけれども、現在、事務局選定を進められている段階と思いますが、以前の会見で8月末でしたか、事務局の選定ですとかのスケジュール感は変わっていませんでしょうか。

また、イベントとか本体、スタートですね、そのあたり見えてきているスケジュールはあるんでしょうか。

A: これまで8月下旬に「Go To イベント」や「Go To 商店街」事業の事務局を採択すべく、第三者委員会にて審査していただいてきたところでありますし、私もそういう表現をしておりました。

しかしながら、昨日、新型コロナウイルス感染症対策の分科会において、現時点ではイベントの開催制限を緩和する状況にないと判断されたこと、また、この結果を踏まえて第三者委員会において事業者からの提案内容について、感染症拡大防止の観点からしっかりと審査すべきという意見が出ております。

というのは、この事務局を選ぶ第三者委員会が昨日の結論を受けて、もう少し感染症拡大防止の対策、ガイドラインも含めて、しっかりとそれぞれの応札者の中身について審査をすべきだという議論が出てきておりますので、今月下旬頃という時期は、時期ありきではなくて、十分に審査をしていただいて、需要喚起と感染拡大防止を両立させる上で最適な事業者を選ぶことが重要と考えております。そうむやみに長い時間を要することはないと思いますけれども、昨日の分科会の御意見を受けて、もう一度審査をより重点的に、防止策ということを審査をしていきたいということですので、もう少し時間をいただきたいということであります。

Q: イベントの方の開始時期もずれると思うんですけれども。

A: 9月まで、結局は1か月延びて、例えば50%、5割でということもありますし、それらも含めてどういう方策を取っていくかというのも、これによって変わってくると思います。

前にも申し上げたんですけれども、例えば無観客でやって、ネットでオンラインで流すという手もある。そして、オンラインで入場料をもらいながら成功している例もあるということで、そういったことも含めて、どんな手だてが可能かということも含めて考えていきたいと思いますし、現場に、現地に人が集まるということであれば、今言ったように感染防止対策というものがどれほど徹底してできているかどうかということを力点を置いて審査をして、また実施もしていかなければならないと思っています。

Q: 大臣、認識の確認をしたいんですけれども、前回で示されたイベントの5,000人以下ですとか、そういった、あれに関して、あれの解除が「Go To イベント」等の前提になるという認識ではない。

A: まだまだ感染を注視しなくちゃならないということで1か月延期になりました。そういった中で、それが解除が条件とは今絶対的には言い切れませんけれども、より感染防止対策というものを重点化して審査をしなければならないという、審査に当たっている第三者委員会の皆さんがおっしゃっているということで、私どももそれを尊重した上で考えていく。そして、もし感染防止対策がある程度のものができるんであれば、それはそれでスタートする可能性もあるかもしれません。今の時点ではそういうこと。

以上

最終更新日:2020年8月25日