令和2年8月26日

 8月26日(現地時間同日)、トンガ王国の首都ヌクアロファにおいて、我が方、石井哲也駐トンガ日本国特命全権大使と先方ポヒヴァ・トゥイオネトア首相兼公営企業大臣(Hon. Rev. Dr. Pōhiva Tu’i’onetoa, Prime Minister and Minister of Public Enterprises of the Kingdom of Tonga)との間で、供与額1.0億円の道路整備関連機材(アスファルトディストリビュータートラック等)のための無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました。

1 トンガは南北620km、大小176余りの島が四つの諸島を構成した人口約10万人の島国です。地理的環境から、毎年のようにサイクロンの脅威に晒されており、また、地震の巣と呼ばれるトンガプレートが東沿岸部近郊に位置するなど、地震も恒常的に発生しています。トンガ経済の基盤を強化するためには、運輸・通信網の整備・強化が不可欠ですが、大半の道路は、サイクロン、豪雨、洪水、高潮等によって冠水し恒常的に損傷を受けています。主要幹線道路は我が国の支援等で整備・舗装され良好な状態にあるものの、その他の大半の道路は簡易舗装がなされているのみで、陥没している箇所も多く、車両は常に徐行せざるを得ない状況です。

2 近年、同国では車両の増加に伴い、交通量が増加していますが、現状では道路整備が不十分で、頻繁に冠水が発生し、各所で迂回を余儀なくされており、交通渋滞悪化の原因となっています。このため、消防車や救急車等の緊急車両の迅速な通行にも支障を来しています。このような中、本年4月に発生したサイクロン「ハロルド」により道路状況がさらに悪化しており、早急の対処が必要となっています。本件は、こうした状況を受けて、同国からの支援要請に応えたものです。

3 この協力では、トンガ政府に対し、道路整備関連機材(アスファルトディストリビュータートラック等)を供与することにより、同国の経済成長基盤の強化を図り、もって社会の安定化に寄与することが期待されます。

4 我が国は、2018年5月に開催した第8回太平洋・島サミットにおいて、「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化」を支援の柱として表明(PDF)別ウィンドウで開くしており、この協力は同表明を具現化するものです。

[参考1]トンガ王国基礎データ
 トンガ王国は、面積720平方キロメートル、人口約10.4万人(2019年、世界銀行)、1人当たりの国民総所得(GNI)は4,300米ドル(2019年、世界銀行)。

[参考2]第8回太平洋・島サミット
(1)第8回太平洋・島サミット(PALM8)は2019年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催。16の太平洋島嶼国・地域、オーストラリア及びニュージーランドの首脳級等が出席。トンガからはシカ副首相兼社会基盤・観光大臣が参加した。

(2)我が国は、PALM8において、(1)自由で開かれた持続可能な海洋、(2)強靱かつ持続可能な発展の基盤強化、(3)人的交流・往来の活性化の3つを柱として、今後3年間でこれまでの実績も踏まえた、従来同様の、しっかりとした開発協力の実施及び成長と繁栄の基盤である人材の育成・交流の一層の強化を表明した。