(令和2年8月6日(木曜日)18時51分 於:ロンドン)

冒頭発言

【茂木外務大臣】今朝10時からですね、トラス大臣との間で日英経済パートナーシップの交渉、断続的につい先ほどまで行っていたところであります。
 この日英経済パ-トナーシップにつきましては、6月の9日にですね、トラス大臣とのテレビ電話会談におきまして、交渉を開始するということで合意いたしまして、この2か月間、事務レベルでですね、交渉を続けてまいりました。おそらくその最終的には20数章で構成されることになるかと思いますが、そのかなりの部分について、すでに事務レベルでですね、意見の一致に至っておりますが、残された重要な論点について、今日トラス大臣と直接、対面でですね、交渉を行わせていただきまして、議論の進展はありました。理解も深まったと思っておりますが、交渉継続中でありまして、明日の午前中、改めてですね、2回目の交渉に臨むということになりました。私の方からは以上です。

質疑応答

【記者】残された重要な交渉の論点としてどういうものがありますでしょうか。
 
【茂木外務大臣】交渉の途中でありますから、内容についてですね、詳細に述べることはできませんが、マーケットアクセスを含めた重要な論点について議論中ということであります。
 
【記者】昨日の外相会談、ラーブ外相との会談についてお聞きしたいんですけれども、ラーブ大臣はイギリスの中で特に香港問題についてすごい強い関心を示している大臣だと思います。具体的に話、色々と一致していくことについては話されたと思うんですが、具体的な何か要望というものはラーブ外相からありましたでしょうか。
 
【茂木外務大臣】いえ、特段の要望はありませんけれども、香港の問題につきましてですね、「一国二制度」の下で香港が発展していくことの重要性、このことにつきましては意見が一致しておりますし、昨晩もそのことについて確認をしたところであります。
 
【記者】明日の貿易交渉、明日の午前中も継続するということでしたけれども、明日中に大筋合意できそうな雰囲気といいますか可能性はどのぐらいあるとお考えでしょうか。
 
【茂木外務大臣】交渉ですからやってみないとなんとも言えません。
 
【記者】手応えとしては。 

【茂木外務大臣】これは、これまでのTPPでもそうでした。日米貿易交渉もそうでありました。全力で交渉に当たりたいと思いますけれど、交渉事ですから今日の段階で明日どうなるというのは見通せません。
 
【記者】日英の貿易、量そのものは全体で見たらそんなには大きくないんだと思いますけれども、改めてイギリスとの貿易の重要性については大臣どのようにお考えでしょうか。
 
【茂木外務大臣】イギリスとの間では自由、民主主義、法の支配、基本的な価値観、これを共有していく重要な戦略的パートナーである、このように考えております。そのことは昨晩ラーブ大臣との間でも確認したところでありますが、当然これから両国間の関係、外交、安全保障だけではなくて、経済、そしてデジタル、様々な分野に及んでいくわけでありまして、そういった経済の分野、更にはサービスの分野等々でですね、日英の関係、更にですね、緊密になるということは重要だと思っております。
 
【記者】TPPについても、イギリス側は加盟意欲を示していますけれども、今回の交渉でTPPについては何か決定はあるのでしょうか。
 
【茂木外務大臣】まずはこの日英の経済パートナーシップをまとめあげていくこと、このことが重要だと思っております。その上で日本としてですね、英国がTPPについて参加に関心を持っているということについては歓迎をしていると、このことは今日もトラス大臣に申し上げたところであります。
 
【記者】昨日のラーブ外相との会談でもお話されているようですけれども、日本企業からすると英・EUの関係も非常に大事だと思うんですけれども、今日トラス大臣との間でもその点について何かご要望を伝えたんでしょうか。
 
【茂木外務大臣】いえ、それはその昨日ラーブ大臣としっかりとお話をしましたので、今日はまさに交渉をしました。