(令和2年7月31日(金曜日)11時19分 於:本省会見室)

冒頭発言

国際経済紛争・安全保障政策に係る機構改革

【茂木外務大臣】まず私(大臣)の方から1点、外務省の機構改革、国際経済紛争そして安全保障政策にかかります機構改革について申し上げます。
 最近、WTO協定、さらには経済連携協定及び投資協定に基づきます紛争解決の処理の重要性、これが高まっております。このような中で、経済分野の紛争解決の処理を戦略的かつ効果的に行うための体制を強化することが必要だと考えています。
 そこで、8月3日付けで、国際法局に「経済紛争処理課」を新設をいたします。この課に、国際法に関する経済紛争解決の処理に精通した人材を集約して対応していきたいと考えています。
また、新型コロナの影響を含め、エネルギー、鉱物資源、食料の安定供給の確保に総合的に対応するために、同じ8月3日付けで、経済局に「資源安全保障室」を新設いたします。
 さらに最近、「経済安全保障」と、こういう概念が、技術、サイバーなどを含めます幅広いものとなってきている、こういったことを踏まえまして、総合外交政策局で、安全保障政策のうち、経済、技術、サイバーなどに関する事項を総合的な外交の観点から所掌します「新安全保障課題政策室」を「経済安全保障政策室」に変更いたします。
 時代の変化に十分対応すべく、新たな機構の下で積極的な取組を続けていきたいと思っております。詳細につきましては事務方からお聞きください。私のほうからは以上です。

国際経済紛争・安全保障政策に係る機構改革

【読売新聞 阿部記者】機構改革についてお伺いします。国際経済紛争への対応では、人材育成や各省庁との連携も重要になりますけれども、新設する「経済紛争処理課」に期待されることを、大臣のお考えをお伺いします。

【茂木外務大臣】先ほど申し上げたように、WTOの協定であったり、WTOの改革もあるわけでありますし、また経済連携協定、投資協定に基づきます紛争解決の処理、この重要性が高まっています。そしてこういった分野、極めて専門性が要求される分野でありますし、同時に関係省庁との連携も必要だといった形で、新しい課を新設してそこにそういった人材を集め、またそこが中心になってそういった課題に対応していく、こういった体制を作っていきたいと思っています。

李登輝台湾元総統の死去

【産経新聞 石鍋記者】昨日、台湾の李登輝(り・とうき)元総統が亡くなられました。大臣、この受け止めとですね、今後の日台関係の影響など、お考えをお聞かせください。

【茂木外務大臣】李登輝元総統のご逝去の報に接しまして、誠に痛惜の念に堪えません。李登輝元総統は、日台間の友好増進に多大なる貢献を果たされたのみならず、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値が台湾に定着していく上で、極めて大きな役割と貢献を果たされたものと認識をいたしております。
 今日の台湾の民主主義と緊密な日台関係の礎を築かれた李登輝元総統は、多くの日本国民に深い印象を与えた、日本とも非常に親しい、近い関係にあられた方だと、そんなふうに考えております。
 李登輝元総統のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、ご遺族の方々に対しまして、衷心より哀悼の意を表するところであります。
 また、今回、李登輝元総統がお亡くなりになったこと、悲しいことでありますが、李登輝元総統もご尽力をされた、今の日台の経済関係、そして人的交流、こういったものをしっかりとこれからも発展させていきたいと思っております。

新型コロナウイルス(入国制限の緩和)

【読売新聞 阿部記者】入国制限の緩和についてお伺いします。ベトナム、タイからの「レジデンストラック」の開始や、在留外国人の再入国の緩和が決まり、第2弾で発表された中韓タイなど12か国・地域との交渉が進んでいると思います。
 往来による経済活動再開の重要性をどう捉えていらっしゃるかということと、国内で感染者が増えている状況で、また、海外からウイルスが持ち込まれる懸念もある中で、感染拡大防止とのバランスをどう図っていくか、お伺いします。

【茂木外務大臣】何度も申し上げてきておりますが、政府として、国外からの新型コロナウイルスの流入防止に万全を期すために、水際措置、徹底をしておりますし、これからも徹底をしていきたいと思っております。
 今回の決定、これは感染拡大防止と両立する形で、人の往来を部分的・段階的に試行していくものでありまして、在留資格保持者の再入国であったりとか、ベトナム、タイとの「レジデンストラック」、こういうものを行っていくに当たりましては、現行の水際措置を維持した上で、出国前のPCR検査など追加的な防疫措置を講じるなど、感染再拡大防止の徹底をしていきたい、こんなふうに考えております。