2020年7月25日

7月25日(土曜日)、APEC貿易担当大臣会合がテレビ会議形式で開催され、梶山経済産業大臣が参加しました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応としてAPECが行う取組や経済回復のための道筋について議論を行い、声明を採択するとともに、「必要不可欠な物品の流れの円滑化に関する宣言」を発出しました。

今般のCOVID-19の感染拡大を受け、今年のAPEC議長のマレーシアの呼びかけにより、APEC貿易担当大臣会合がテレビ会議にて開催され、梶山経済産業大臣と若宮外務副大臣が参加しました。

会合では、COVID-19への対応としてAPECが行う取組や経済回復のための道筋について議論し、声明を採択しました。本声明は、5月5日に発出された「APEC貿易担当大臣による新型コロナウイルス感染症に関する声明」を受け、APECで実施されている具体的な取組について取りまとめたものです。併せて、5月の声明で、必要不可欠な物品の流れの促進に取り組む、としたことを受けて、今回、「必要不可欠な物品の流れの円滑化に関する宣言」を発出しました。

今回採択された声明の主な内容は、以下のとおりです。

  • 経済回復を推進するために、自由で、公正で、無差別的で、透明性のある、予見可能な貿易・投資環境の重要性を認識。
  • 市場の予見可能性を高め、ビジネスの信頼を可能にし、貿易の流れを強化する、透明性のある、無差別的で、WTOで合意されたルールの重要性を強調するとともに、WTOの役割を認識しながら、WTOの機能を改善し、必要な改革を支持するために行動が必要であることに同意。
  • COVID-19に対処するための措置が、的を絞り、目的に照らし相応かつ透明性があり、一時的で、貿易の不必要な障壁又はグローバル・サプライチェーン分断を生み出さず、かつWTOルールに整合的であることを確保することにコミット。
  • 「必要不可欠な物品の流れの円滑化に関する宣言」に満足。また、必要不可欠な物品の貿易を制限する非関税障壁を削減するための議論の必要性を認識するとともに、人々の必要不可欠な越境移動を容易にする方法を共有し、模索することへのコミットメントを再確認。「人々の必要不可欠な越境移動円滑化に関する措置のレビュー提案」は心強い。
  • 情報交換のためのデジタルプラットフォームを設立することを目指し、この分野の作業を優先することを高級実務者に要請し、また、このプラットフォームの早期の実現を期待。
  • APECが多角的貿易体制を支持し続けることに対するAPECビジネス諮問委員会からの要請を認識するとともに、第12回WTO閣僚会議につながるものを含め、WTOの課題に対する継続的で建設的な関与を奨励。
  • サプライチェーンの強靭性を高め、電子商取引を含む、切れ目ない越境ビジネスを可能にするデジタルソリューションを採用することを奨励するとともに、デジタル経済の可能性を最大限に活用することで、データの流通を円滑にし、デジタル取引における消費者とビジネスの信頼性を高める協力の重要性を認識。

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