2020年7月21日

特許庁は、スタートアップの成長を事業と知財の両面で加速させる知財アクセラレーションプログラム「IPAS2020」の支援先企業15社を決定しました。支援先企業には、ビジネス専門家と知財専門家からなる「知財メンタリングチーム」が派遣され、「事業×知財」戦略を構築し、事業の成長を目指します。

1.知財アクセラレーションプログラム(IPAS)

IPASは、スタートアップの成長を、事業と知財の両面で加速していくプログラムです。

スタートアップにとって、革新的な技術やアイデアといった知財は、競争力の源泉です。しかしながら、創業期は、ビジネスの立ち上げに注力するあまり、これら知財を最大限活用し、企業の成長に結びつけるための知財戦略をもたないまま、ビジネスを進めてしまいがちです。この結果、技術・アイデアの流出、模倣品の出現や収益化の失敗などが起こり、競争力を失うという事態に陥ってしまいます。
本プログラムでは、参加企業の課題・支援ニーズに対応した知識、スキルを持つビジネス専門家と知財専門家からなる「知財メンタリングチーム」を組織します。知財メンタリングチームは、5か月間のメンタリングを通じて、参加企業が事業戦略の診断・ブラッシュアップを行い、事業戦略に連動した知財戦略を構築していくことをサポートします。

IPAS2020には113社から応募があり、書類審査、ピッチ(プレゼンテーション)審査を経て、支援先企業として15社を決定しました。

2.IPAS2020キックオフイベント(採択企業 記者発表会)

7月27日(月曜日)13時よりオンラインにて、IPAS2020支援先企業を紹介するキックオフイベントを開催します。

詳細はこちら外部リンク

3.ウェブサイト(IP BASE)での掲載

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スタートアップ及び知財専門家に向けたウェブサイト(IP BASE)にて、IPASの事業内容、支援先企業、支援に関わるメンターの情報を掲載します。

IP BASE ウェブサイト外部リンク

4.支援先企業一覧 (50音順)

株式会社アナウト(神奈川県横浜市 代表:小林 直)

外科医の知識を人工知能に学習させ、手術中の人体構造を認識する手術地図を作成し、より安全な手術を提供することで、患者が苦しむ手術合併症の減少に貢献する手術支援AIシステムの開発。

アンヴァール株式会社外部リンク(静岡県浜松市 代表:櫻井 重利)

海洋に含まれるマグネシウムを採取する、火力発電などからのCO2の資源化、地下でメタン・水素を作るなど、日本を資源大国にする省エネルギー型金属酸化・還元技術の開発。

inaho株式会社外部リンク(神奈川県鎌倉市 代表:菱木 豊)

農家とともに成長し、人手不足と農業経営の課題解決を目指し、収穫を代表する人の判断が必要な農作業を”AI”と”ロボティクス”でサポートするため、RaaSモデルによる自動野菜収穫ロボットを開発。

株式会社コーピー外部リンク(東京都文京区 代表:山元 浩平)

AIの実運用で必須となる品質保証に焦点を当て、XAI技術を用いた説明性向上や、実環境における頑健性検証や外部攻撃に対する脆弱性検証などを行う包括的アルゴリズムとそれらを用いたシステムの開発。

株式会社GCEインスティテュート外部リンク(東京都中央区 代表:後藤 博史)

世界で年間約150兆円分発生する未利用熱や環境熱を再生可能エネルギーに活用すべく、「空気の温度」も半永久的に電力へ変換できる究極の環境発電技術「アンビエント発電」の実用化に挑戦。まず交換不要なIoT電源を開発。

株式会社 Jij外部リンク(東京都文京区 代表:山城 悠)

量子・イジング計算機を用いた最適化アルゴリズム・ソフトウェアの開発。

株式会社Genics外部リンク(東京都新宿区 代表:栄田 源)

口腔からヘルスケアのサポートを目指す次世代型全自動歯ブラシの開発。

ジェリクル株式会社外部リンク(東京都文京区 代表:増井 公祐)

新規開発のゲルを用いて体内の細胞を活性化することにより組織の再生を促す、新しい再生医療技術(内因性組織再生)の開発。 

STAND Therapeutics株式会社(東京都港区 代表:樺山 博之)

従来の抗体では不可能であった、細胞内の疾患治療標的タンパク質にアプローチできる、細胞内抗体“STAND Technology”を用いた疾患治療薬の開発。

株式会社スペースシフト外部リンク(東京都千代田区 代表:金本 成生)

「宇宙×AIで世界をひもとく」をテーマに、地球観測衛星から得られる膨大なデータを人工知能を用いて自動解析し、様々な地球上の変化を読み解くソフトウェアの開発。

Cellid 株式会社外部リンク(東京都港区 代表:白神 賢)

世界最大級となる60°の視野角を誇るARグラス向けシースルーディスプレイおよび空間認識エンジンの提供・開発。

株式会社チトセロボティクス外部リンク(東京都台東区 代表:西田 亮介)

人手不足・低労働生産性という社会課題を、ロボット技術によって解決することを目指した時給980円のロボット労働力の提供およびロボットシステムの開発。

株式会社HERBIO外部リンク(東京都渋谷区 代表:田中 彩諭理)

個人の平熱時と発熱時の体温分析により、感染症等の早期発見を目指すサービス確立を目標とする体温を安定的かつ連続測定できるウェアラブル体温計と体調記録ソフトウェアの開発。

ライトタッチテクノロジー株式会社外部リンク(大阪府大阪市 代表:山川 考一)

糖尿病患者の血糖値測定に際する苦痛・ストレスの緩和、感染症リスクの低減並びに血糖値管理による糖尿病人口の抑制を目標とし、中赤外レーザー光を応用した採血のいらない非侵襲血糖値センサーを開発。 

レグセル株式会社外部リンク(京都府京都市 代表:半田 恭彦)

免疫抑制機能を持つTreg細胞を活用し、自己免疫疾患などの炎症性疾患や臓器移植後の拒絶反応を効果的に抑えることを目標とした、体外で増やした抗原特異的なTreg細胞による細胞治療の開発。 

担当

特許庁総務部企画調査課長 小松
担当者:沖田、進士

電話:03-3581-1101(内線 2156)
03-3592-2910(直通)
03-3580-5741(FAX)

E-Mail:PA0940@jpo.go.jpメールリンク
※新型コロナウイルス感染症対策により、職員不在の場合が多いため、上記メールを活用ください。